〈大学生全裸 集団暴行死〉別れ話をスマホで“実況中継”、キレた元“陰キャ”が仲間を招集し凄惨なリンチ…事件後は被害者の金を10万円以上引き出していた
北海道江別市の公園で起きた男子大学生集団暴行死事件で道警が傷害致死容疑で逮捕・送検した男女6人のグループが犯行後、被害者のキャッシュカードを使って現金十数万円を引き出していたことがわかった。被害者の大学生、長谷知哉さん(20)は全裸で放置され発見後に運ばれた病院で死亡が確認されており、グループが金品を奪ったうえ犯行の発覚を遅らせるために長谷さんの身分証を処分、さらに本人になりすまして現金を騙し取っていた可能性が浮上した。
〈画像多数〉長谷さんが放置された真っ暗な公園、川村容疑者と17歳の年下彼氏Aのラブラブ写真
別れ話はスマホで川村容疑者に「同時配信」されていた
この事件で傷害致死容疑で逮捕・送検されているのは長谷さんの交際相手だった八木原亜麻容疑者(20)と友人の川村葉音容疑者(20)=ともに大学生、江別市在住=の女2人と、川村容疑者の交際相手であるA容疑者(17)ら少年4人。
八木原、川村、Aの3容疑者は江別市内の同じコンビニでアルバイト仲間だったことも判明している。
中学時代の先輩後輩だった長谷さんと八木原容疑者は今年8月に交際をスタートしたが、大学3年の長谷さんは早くも別れ話を切り出し、トラブルになっていたことは既報の通りだ。
そして10月25日夜、2人は「話の続き」を江別市内の八木原容疑者の自宅アパートで始めたが、その模様がスマホで川村容疑者に「同時配信」されていたという。道警関係者が解説する。
「道外での就職も考えていた長谷さんは、千歳市の自宅に保管していた八木原容疑者の衣類や私物を持って会いにきていました。話は『1年後に別れるつもりだから』と言う長谷さんと、それに納得がいかない八木原容疑者と口論になっていました。
実は八木原容疑者から事前にこの日の『話し合い』があることを聞いていた川村容疑者はスマホを八木原容疑者と通話状態にし、聞き入っていた。
川村容疑者と一緒にいたひとりの少年が、『1年後に別れるつもり』という長谷さんの主張に、『意味が分からん』と腹を立て、呼び出すよう促しました。それから川村容疑者は少年たちを車に乗せて現場の公園に向かいました」
八木原容疑者の父親は事件に対し…
そして凄惨な事件が起こった。
「主に誰が暴行を加えたかなどはこれからの調べ次第ですが、6人は共謀して長谷さんの顔などを殴って外傷性ショック死するに至らしめた。
長谷さんは全裸の状態で見つかっており、周囲には身分証や財布、スマホなどがなかった。道警は6人がこれらを奪って逃走していたとみて調べを進めたところ、現場から徒歩で帰宅した八木原容疑者を除くメンバーで、長谷さんのキャッシュカードを使ってATMから現金10数万円を引き出していたことが判明したのです。
別れ話のもつれから『成敗』したというだけでなく、この機会に乗じて長谷さんからキャッシュカードなどを奪い、暴行・脅迫のうえ暗証番号を聞き出し、死ぬことを予見して身ぐるみ剝いで放置したとすると、ストーリーが全く変わってきます。
調べは強盗殺人容疑を視野に入れて進み、起訴段階では強盗殺人や詐欺など罪名がいくつか加わる可能性があります」(同前)
傷害致死の量刑は3年以上の有期懲役だが、刑法240条に規定される強盗致死罪や強盗殺人罪の罰則は死刑または無期懲役である。
無軌道な若者たちが犯した罪は、自分の命をもって償わなければいけない重罪の可能性があるということである。
いずれにしても、そのきっかけを作ったのは長谷さんと交際していた八木原容疑者に間違いない。釧路市の実家を訪ねると、インターフォン越しに父親とみられる男性が言葉少なに応じた。
「色々本当に申し訳ございません。今弁護人さんにお願いしてることもございまして何もお答えできないです。大変申し訳ございません」
父親の声は、明らかに憔悴していた。娘から何か相談があったこともなく、事件のこともネットニュースで知ったという父親は、彼氏がいたことすら知らなかった。
「私はごめんなさい、父親として、何も知らなくて、お恥ずかしながら……」
娘の「親友」であるはずの川村容疑者の存在も知らず、父親はこう繰り返した。
「本当に申し訳ないと思ってます。ごめんなさい……」
中学時代に“いじめ”を受けていた川村容疑者
その親友の「一大事」に年下彼氏一行を引き連れて参集した川村容疑者の中学時代の後輩という女性は、取材にこう証言した。
「葉音先輩は陰キャだけど目立ちたがり屋って感じで、同学年の人たちからいじめられていました。
だから、よく後輩、それも男子にやたらと話しかけてきたけど『しつこい』とか『気持ち悪い』とほとんど相手にされていませんでした。無視している男子もいました。
とにかくしつこい性格だから嫌われていたんだと思います。後輩に対しては得意げに『ピアス開けた』とか『他校の友達が多い』『ちょっと年上の友達もいる』と大口を叩いてイキっていました」
中学時代も周囲からは浮いた存在だったようだ。女性が続ける。
「バスケ部に入って練習は一生懸命やっていたんですけど、会話の輪に入れてもらえてなかったり、わざと聞こえるように『男に色目使ってキモい』とか言われていました。
クラスでも部活でも避けられて、最終的には2人くらいしか友達もいなかった。中学卒業後に『高校デビュー』して彼氏ができたという話を聞いたときは驚きました」
高校進学後は「優等生」として名の知れた川村容疑者は、小学校教員を目指して私大教育学科の初等教育コースに進学した。奮起して「陰キャ」を克服したはずの川村容疑者と、中学時代から別の学校に通い、塾で出会って「親友」になった八木原容疑者。
まだ「少女」と呼んでも差し支えない印象の2人が悪魔と化したのか、調子に乗った「お供」の少年の暴走を止められなかったのか。
初冬の気配を感じさせる北海道の深夜の公園で繰り広げられた愚行で、前途有望な二十歳の青年の未来が強制終了されてしまったことだけは間違いない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班