本木雅弘、倉本作品の“一言一句間違ってはいけない”定説を自ら検証「うわさが一人歩きしている」
俳優の本木雅弘が31日、都内で主演映画「海の沈黙」(若松節朗監督、11月22日公開)の先行上映イベントに小泉今日子、中井貴一、石坂浩二らと登壇した。
倉本聰氏が原作・脚本を手がけた大人のラブストーリー。人々の前から姿を消した孤高の画家を演じた本木は「自分にとって初の倉本作品という光栄なお誘いでしたが、現場では役者としてもがくばかりの日々でした」と回想。「新参者ですので、ことあるごとにこれでOKなのか。ずれてはいないか不安になっていたこともありました」と語った。
倉本作品といえば、洗練されたせりふで知られ、一言一句間違ってはいけないという定説が業界内でささやかれてきた。本木は「撮影の前に倉本さんにお電話して聞いてみたんです。『それはうわさが一人歩きしている。解釈が合っていれば、ご自分が思うようにやればよろしい』とおっしゃって頂いた」と伝説を自ら検証したことを告白。倉本氏は「誤解されてますね、僕は。こんなやさしい人間はいないのに」と笑みを浮かべていた。
本木演じる津山竜次のかつての恋人を演じた小泉は、同じ1982年デビューの同期。本木は「小泉さんとわたしは10代のときからの同士でもありましたので、倉本さんというエベレストの頂を目指すには、小泉さんとの共演はこれまでのご褒美のようなありがたさがありました」としみじみ。小泉は「変わってないっちゃあ、変わってないですね。本木さんは本当に自己肯定力が低すぎて、いつも反省していて、いつも悩んでいる。だからこそああいう役が作れるんだろうな」と本木の感受性の鋭さに感心している様子だった。