半グレの恐喝、薬物や賄賂。裏社会の取材で学んだ“生きるヒント”とは
そのとき、思ったんです。例えば、漫画がクライマックスの展開だったり、アニメ化や映画化が決まっていて公開前だったりしたら、『もう1週間だけ生きてみようかな』と、生きる希望を与えることができたんじゃないかと」
草下さんは「もちろん、これは僕の勝手な想像ですし、亡くなった方の本当の気持ちは分かりませんが……」と前置きした上でこう続けた。
「実は僕も、小学4年生の“あの日”から高校生くらいまで、ずっと空虚な生活を送っていました。『何でも見てやろう』と学校の構造を見ても、やっぱり実感が伴わなかった。僕が生きてこれたのは、本などの創作物を読んだり、書いたりしてきたからです。
だから、『ひょっとしたら誰かの生きる希望になれるかも』というのをモチベーションに、自分の欲望が向いている創作を続けるつもりです」
--生きるヒントだけでなく、生きる希望も与えてくれる。そんな草下さんの今後の活躍に目が離せない。
<取材・文/綾部まと、編集・撮影/藤井厚年>
【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother