3COINSの「オーディオサングラス」にオンナも注目

なにかと話題になりがちな「3COINS」。その中でも、オーディオやガジェットファンの間で話題になっているのが「3COINS MEN」。なぜなら、リーズナブルな価格で、レコードプレーヤーやイヤフォンなどもラインナップしているからだ。

300円均一ショップ(最近はその概念忘れがちだけど)である3COINS。お店に並ぶアイテムは、そのどれもシンプルでかわいらしいものが多く、女性向けの印象が強い。

それは3COINS自らも承知で、このたび「男性のお客様にも楽しんでほしい」「3COINSをまだ知らない人にも魅力を知ってほしい」という想いのもと、“MENSアイテム”として展開をスタートさせたのが3COINS MENだそう。『オトコ トリコ スリコ』のキャッチも思い切りがいい。

3COINS MEN

「まさかのMEMS!?」思わず二度見したその正体は……

3COINS MENは6つのカテゴリーがあるが、やっぱり気になるのは「MOBILE」。

MOBILEのアイテムは、主にワイヤレスキーボードにマウス、イヤフォンなどが中心。なかには透明デザインのカセットプレーヤーや、AV Watchでもすでにレビュー記事で紹介されている9,900円のレコードプレーヤーも、ここにラインナップされる。

余談だが、この2つが「MOBILE」にカテゴライズされているのって、すこし違和感がある。だけど、若いひとにとっては “レトロで新しいガジェット” ということなのだろう。なんだか時代を感じるなあ……、とエモい気持ちで製品を眺めていたら、驚いた。

え、オーディオグラスあるじゃん!

正式名称は「オーディオサングラス」。一般的には未だマニアックな方なのに、まさか3COINSで販売されるとは……!しかも5,500円と、300円ではないけれどリーズナブル。場合によっては、普通のサングラスやメガネを買うよりもお手頃な価格で買えてしまう。

オーディオサングラスを見て、3COINS MENの製品ラインナップに記載される「MENSデバイス」という文字を「MEMSドライバー」と見間違えるほどに興味を惹かれた私。これは試したい!と購入を決断した。

ちなみに私は、過去にメガネ型のオーディオを2種類ほど試したことがある。「BOSE Frames」「HUAWEI Eyewear」の2モデルで、「HUAWEI Eyewear」は今も手元にあるのだけれど、しばらく出番がなかったので、このカテゴリーに触れるのはだいぶ久しぶりだ。

わりと人気らしいけど、実力はどうなの?

3COINS MENのオーディオサングラスは、ブラックとブルーの2色展開(レンズの色の違い。フレームは同じブラックの様子)。今回はオンラインストアでブラックを購入した。

実は発表されたあと、だいぶ早い段階で3COINS 原宿本店に足を運んだのだが、店頭にはどちらも在庫がなく、執筆時点でもブルーはオンラインストアで「在庫なし」となっていて、思いのほか人気でそれにも驚いた。

オンラインで購入したのオーディオサングラス

箱を開けると、しっかりしたケースがお目見え。固めのケースで、しっかりサングラスを保護してくれる。本体以外の他の付属品には、メガネ拭きと充電用ケーブルが同梱される。

内容物

本体を見ていこう。テンプル部分の上の方は何もないフラットな状態で、裏返すと音の出口らしき穴が左右それぞれ2箇所ずつある。

ブルーは目が見えるくらい薄色だが、ブラックも濃すぎない色味で透け感があって、視界も良好

とりあえず、オーディオサングラス本体をかけてみる。すると「Power ON」というアナウンスが右側から流れてきた。続いてスマホのBluetooth接続から、見たことのない接続先だった「G10」を選んでみたら、見事ペアリングが完了した。ちなみにBluetoothはVer 5.3に準拠し、対応コーデックはSBCとAACも対応している。

質感はちょっと硬めで、装着感は側圧がしっかりあるタイプ。男性向けのアイテムだと私には大きめなことが多いのだけれど、これはズレにくそうな着け心地だと感じる。

側圧の強さは、きちんと音を届けるため……?

さて、早速音を試してみよう。AndroidスマホでAmazon Musicを立ち上げ、意気揚々と大好きなサム・スミスを再生すると、なんと右側からしか聴こえてこない!製品ページには内蔵ドライバーのことは何も書かれていなかったので、一瞬「右のみで聴く」という斬新な仕様……?と思ったのだが、それは杞憂に終わった。

よく見てみると、テンプルの左右ともに、レンズ側の方にエンボス加工のような円がある。ここがタッチセンサーになっていて、左側にも指を置いてみると、同じく「Power ON」と聴こえ、続いて左右のチャンネルが認識されて、ようやく両側ともスマホとペアリングできたのだ。

左右のテンプルにある丸い凹凸部分が、タッチセンサーになっている

最初は「まさかテンプル部分を開くと自動で電源が入るの!?」と驚いたのだが、開く時に右側のセンサー部分を触っていただけという……。まさか左右で電源が別だとは思わなかったが、完全ワイヤレスイヤフォンで言うところの「片耳モード」的な使い方もできるのだそう。

なお、左右のタッチセンサーをそれぞれ約2秒ほどタッチして両側の電源を入れる必要があることも、デバイス名が「G10」であることも、すべて取扱説明書をきちんと読めば、当たり前に把握できる。使い始めに戸惑いたくないひとは、必ず確認しよう。

左がオフになっていたことに気づいた図

気を取り直して電源を入れ直す。左右どちらか一方だけで聴くことも可能

ただ個人的には、この「なんとなく使い始めたら意外とそのまま使えちゃって、時折思ったように動かなくて、でも試行錯誤していたら解決したわ」みたいな感じが楽しくて、うまくいかなくて悩むのも、新しいモノに触れるときの醍醐味だと思っている。だからこれは、決して無駄な時間じゃなかった、はずだ!

前置きが長くなったけれど、ようやく正式に音質を確かめてみる。ある程度は予想していたけれど、だいぶシャカシャカした音である。聞こえ方も、目元の近いところで鳴っているという感覚がしっかりあって、なんとなく前の方に音が集中している感じ。

たとえば、サム・スミスの「Unholy」。力強いコーラスから始まり、その響きや声の重なりはどこか荘厳な雰囲気も感じるのだけど、3COINSのオーディオサングラスでは、全体的に音が絞られたようで、どうも凄み成分が足りない。後ろに流れるビートも迫力がなくなり、ボーカルも目立つのだけれど、伸びやかで美しいあの歌声とは違って聴こえるような……。

だけどまあ、歌モノの歌部分は届いてくるし、屋外で耳を塞がないメリットは「音楽に集中しすぎない」ことだとも思うし、古いラジオ?的なものだと思えば十分かもしれない。

ちなみに、このときの音量は、スマホ側の設定で半分より少し上くらい。音漏れ具合はどうかな?と近くにいたパートナーに確認したところ、「ガシャガシャした感じ。まあまあ聞こえてくる」とのこと。電車など人と距離が近い場所で使うときは、音量を控えた方が良さそうだ。

念のため、HUAWEI Eyewearでも同じ音量設定で、同じ曲を聴いてみた。すると、「足りない」と感じていた部分がある程度補われて、「いつものUnholyだ」と感じる。もちろんイヤフォンで聴くのとは違うけれど、きちんと音楽として楽しめた。

HUAWEI Eyewear

音漏れをチェックしてもらったが、こちらの音漏れは「聞こえるけれどボリュームが下がった感じ」だそう。ただ、きちんと音楽として漏れ聴こえているようで、「R指定の曲だったら歌詞がわかりそう」というから、音漏れにも音の差があることを知った。

晴れた日の散歩のお供にちょうどいい、かも?

サウンドについては、AV Watchの読者の方々からすると「そりゃそうだろ」と思われることだろう。正直これは私も、「そりゃそうだな!」と思った。

製品ページにもあるように、『耳を塞がず、BGM感覚で音楽を楽しむことができるサングラス』という感じで、ラフに使うのが向いているだろう。ユーザーレビューには「運転中の通話に」というコメントもあり、確かにそういった実用的な使い方にも活躍しそうだなと思った。

お散歩するときなど、うっすら音楽流しとこか~くらいの感覚が良さそう

音以外の要素としては、充電用ケーブルはきちんと二股に分かれていて、テンプル部分の下側にある充電ポートに繋げばOKとかんたん。充電ポートにはマグネットでぴたっとくっついてくれて、迷いなく使えると感じた(反対側がUSB-A端子なのは惜しいけれど)。

充電する様子は、他社製品と大きく変わらないかな

ウェリントン型のデザインは、オトコにもオンナにも使いやすい形状だと思う。しかも、レンズは2色ともUV99%カット仕様で、しっかり紫外線対策できる。サングラスとして機能性も高く、普段使いしやすいのではないだろうか。

オトコでも、オトコじゃなくても、新しいモノが登場するとワクワクするもの。音や機能や、なんらかこだわりがあると向かないけれど、3COINS MENは「ちょっとやってみたいな」というアイテムを試すのにはちょうどいいのかもしれない。