当選から一夜明けても涙…立憲9勝の大躍進 悔しさにじむ比例復活 北海道・衆院選ドキュメント
衆議院議員選挙は、与党大惨敗と言っていい結果となりました。
北海道でも立憲民主党が躍進。
12選挙区中9議席を獲得しました。
27日夜から28日朝まで各陣営で繰り広げられた歴史的な「政治ドラマ」を、STVのカメラがとらえました。
「ドキュメント・北海道の衆院選」です。
初めて味わう「小選挙区勝利の味」。
一夜明けて、小樽の街角で市民に声を掛けられる立憲民主党の大築紅葉さんはこの表情。
この3年、地道な選挙区回りを続けました。
28日朝の自宅での朝の一コマ。
さすがにいつも通り…とはいかず、深夜までもつれ込んだ開票に子どもたちも寝不足のようで…
(大築紅葉さん)「子どもたちも午後11時くらいまで付き合ってくれて機嫌悪くて。この勝利はスタートライン。ここからが私の2期目のスタートです」
あさ一番、小樽駅前には自民党の道連会長・中村裕之さんの姿が。
(中村裕之道連会長)「自民党が政治不信を招いている、国民の感覚からずれているのを明らかにしてしまった」
5回目の当選を決めましたが、どこか浮かぬ雰囲気。
それもそのはず、前回は696票差で勝利した大築さんに、今回はおよそ7400票差をつけられ小選挙区敗退。
そのおよそ2時間後。
深夜に入った比例復活の報せ。
ようやくほっとした顔を見せましたがー
(中村裕之道連会長)「道連会長でありながら比例の枠を使ってしまうということは本当に申し訳ない気持ちです」
厳しい結果に「バンザイ」ではなく「ガンバロー!」。
与党に吹き荒れた大逆風。
北海道でも12の選挙区のうち立憲民主党が9勝の大躍進。
毎回が激戦の3区でも、立憲民主党の荒井優さんが小選挙区初勝利。
(荒井優さん)「おはようございます、荒井優です。ありがとうございました。頑張ります」
前回の小選挙区敗戦から3年。
立ち続けてきた「原点」の平岸駅前。
28日朝の挨拶は、お礼と決意表明でした。
(荒井優さん)「多くの人がきまじめにコツコツやっているとご理解いただいたと思うし、重責に覚悟を決めて働いていきたい」
自民党が勝利した3つの選挙区全てで、立憲民主党の候補が比例復活。
いずれも初の国政進出です。
(川原田英世さん)「おにぎりが一番安心しますね」
おにぎりと共にかみしめる初当選の味。
12区の川原田英世さんは、4回連続圧勝していた自民候補の強敵を、およそ7000票差まで詰め寄り比例復活となりました。
(川原田英世さん)「非常に重たい1議席をもらったと思います。全力で向かっていかなければいけないと身の引き締まる思い」
6区で敗れるも比例復活した前・旭川市長の西川将人さん。
事務所に着いて最初に出た言葉はー
(西川将人さん)「ちょっと小選挙区で勝てなかったのは非常に残念です」
念願の国政進出ですが、追い風を生かせなかった…とにじみ出る悔しさも。
(西川将人さん)「小選挙区で当選できなかったのは悔しいが、衆議院の議席をいただけたので、期待に応えなければいけない。責任を感じる」
ちょっと複雑な表情の当選者は7区にもー
自民党の鈴木貴子さんは、危なげのない勝利にも思えますがー
(鈴木貴子さん)「思いの届かなかった仲間のことを思うと、両手放しには喜べないのが悔し涙半分というのが率直なところ」
(大泉潤市長)「おめでとうございます」
(向山淳さん)「ありがとうございます」
8区から立候補し、比例復活で初当選した自民党の向山淳さん。
「むこじゅん」にサプライズ!
函館市の大泉市長が事務所を訪れたのです。
(大泉潤市長)「お疲れじゃないですか?」
(向山淳さん)「いえ、体力だけは」
(大泉潤市長)「感動しました。今後ともよろしくお願いします」
(向山淳さん)「函館市の発展のために全力を尽くします」
向山さんと「道南の戦い」を繰り広げたのは、立憲民主党・道連代表の逢坂誠二さんです。
選挙の酸いも甘いも知るベテランは、さながら「勝って兜の緒を締めよ」。
(逢坂誠二さん)「今回、当選してよかったという気持ちはあるが、重圧のほうが大きいですね。いまよりも力を後退させることなく進んでいければ」
終わってみればあっという間の解散・総選挙。
議席数が大きく動いた今後の国政はどうなるのかー
政治も、そしてそれを選んだ私たちも、真価が問われるのはこれからです。