自民大敗「裏金議員」落選相次ぐ 与党過半数割れ 石破総理「緩み、おごりがあった」

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 今回の衆議院選挙は、いわゆる裏金事件に関係した議員に、有権者が一体どのような審判を下すのかも注目された。

【画像】与党が単独過半数割れとなったのは15年ぶり 今後の枠組みは

■自民大惨敗 裏金議員が相次ぎ落選石破茂総理大臣
「今回は『政治とカネ』ということで、非常に厳しいご審判をいただいた」

 多くの議席を失い惨敗した自民党。

自民党 小泉進次郎選対委員長
「いかなる結果であろうとも、自民党の選対委員長である私が責任を取らなければならないというのは、それは当然のことだと思います」

 いわゆる裏金議員たちが相次ぎ落選。さらに選挙戦終盤、非公認候補にも活動費として2000万円が支払われていることが発覚。

自民党幹部
「最後はあれ(2000万円問題)で空気がガラッと変わった」

 2009年以来、15年ぶりに単独過半数割れとなった自民党。石破総理への責任論にもつながりかねない事態に。

■与党過半数割れで今後の枠組みは

 次々と当選した候補にバラが貼られていくものの、浮かない表情の石破総理。幹部たちも、拍手はしているが表情は硬い。

石破総理
「今回は『政治とカネ』ということで非常に厳しいご審判をいただいた」

 石破総理は自民・公明両党でも過半数を割る事態についてこう述べた。

石破総理
「これから先どうやって、我々が掲げた政策というものを実現する、そのことに向けて努力は最大限していかなければなりません」
「私どもも政権復帰以来、ずっと長く政権を担当させていただいた。それも常に自らを律していかねばならないが、どこかに緩み、おごりがあったことは、私自身反省をしている」

 小泉選対委員長も、厳しい結果を重く受け止めた。

小泉選対委員長
「かなり厳しい情勢にあるのは間違いない。いかなる結果であろうとも、自民党の選対委員長である私が責任を取らなければならないというのは、それは当然のことだと思います」
「(Q.辞任も考えている?)やはり選挙対策委員長ですから、いかなる結果であろうとも責任をとるべき立場にあると思います」

 非公認候補の政党支部に2000万円を支給していた問題についてはこう述べた。

小泉選対委員長
「非公認であっても支部長ではあり続けるんですよ。ですから、その支部の活動に対して資金を提供する、ていうところに対する説明っていうのは、なかなか一般的に理解されない」

 そして、今後の政権の枠組みについては…。

小泉選対委員長
「私自身は超党派で、立憲民主党の方とも維新の方とも国民民主党の方とも政策の勉強会などもやっています。政策で協力をしていただけるような方っていうのはいらっしゃるので、自民党が協力をお願いをする。それが政治の安定につながる」

 野党へ連携協力を呼びかける可能性に触れた。

■裏金逆風 大差で落選 石破総理応援も…自民党 前参院議員 丸川珠代氏
「十分にこれまでの活動でご理解をいただくことができなかった。私たちのひとえに力不足であったということを痛感しております」

 重苦しい空気の中、敗戦の弁を述べた丸川珠代氏。4人で議席を争った東京7区。丸川氏は1位と大差をつけられ落選した。

 選挙戦最終日、石破総理が応援演説に駆け付けた。

石破総理
「マイクでお願いできますのはあと1時間20分になりました。最後に私はこの場所に来たかった。丸川珠代をお願いします。助けてやってください」

 マイクを握った石破総理はおよそ15分間、丸川氏への投票を呼びかけ続けた。

丸川氏
「政治資金の透明化を図っていきます。だから皆さん、私たちに政治を進めるチャンスをください。日本を守るチャンスをください」

 声を枯らしながら、最後まで信頼回復を訴えたが…。

丸川氏
「良い結果が出せなかった。しっかりと皆様にご信任をいただくことができず、誠に申し訳ございませんでした」
「(Q.『政治とカネ』の問題は選挙に影響した?)大きく影響したと感じています。言葉の限りを尽くして説明をさせていただいたつもりですが、それがご信頼を得るには至らなかったということ」■重鎮も続々落選 「不徳の致すところ」

 厳しい審判が下された人は他にも…。

無所属 高木毅氏(自民非公認)
「すべては私の不徳の致すところ、至らぬせいでございまして、改めて皆様方に心よりおわびを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

 大混戦となった福井2区は、安部派「5人衆」の1人で自民党の国対委員長だった高木毅氏が、3番手に甘んじて落選。

高木氏(11日)
「負けられへん。やめられへん」

 裏金問題が尾を引き、厳しい結果となった。

高木氏
「(Q.今後、不信感などを払拭していくには何が必要だと考えるか?)私は議員ではなくなりますけども、いずれにしても信頼回復に努めていくのが大事だというふうに思っております」無所属 下村博文氏(自民非公認)
「皆さんこの度は本当に申し訳ございませんでした」

 さらに、東京11区では、これまで当選9回の下村氏が落選。

下村氏
「それはまさに『政治とカネ』の問題でお話申し上げたように1年間の党員資格停止の中で無所属で戦わざるをえない。私の不徳の致すところ」■公明は代表落選 立憲躍進「政権交代目指す」

 自民党の裏金問題は、与党・公明党にも波及。

公明党 石井啓一代表
「自民党さんと連立を組んでるということから、我々にもやっぱり逆風が吹いてるという感じはしてました」

 9月に就任したばかりの石井代表が落選。与党代表が議席を失う異例の事態となった。

 一方で、大きく議席数を伸ばした、立憲民主党の野田佳彦代表はこう述べました。

野田代表
「自公政権の存続ではダメだと、不信任を出した野党の人たちと徹底した政治改革の実現をまず要求をしていくというところからスタートだと思います。政権交代を目指していきたいというふうに思います」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月28日放送分より)