厚生労働省

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 厚生労働省は28日、企業を対象とした今年の賃上げに関する実態調査の結果を公表した。

 ベースアップや定期昇給による月額賃金の改定額は、社員1人あたり平均1万1961円(前年比2524円増)のプラスで、改定率はプラス4・1%(同0・9ポイント増)。いずれも比較可能な1999年以降で、過去最高だった昨年を更新した。

 調査は7〜8月、100人以上が働く企業を対象に行われ、1783社が回答した。賃上げについて、過去最高の91・2%(同2・1ポイント増)が、「実施した」か「実施予定」とした。

 賃金の改定率は企業規模が大きいほど高く、5000人以上はプラス4・8%(同0・8ポイント増)、100〜299人はプラス3・7%(同0・8ポイント増)だった。改定で重視した要素は「労働力の確保・定着」、「雇用維持」と人手に関する回答が目立った。

 連合が、加盟する労働組合を対象に集計した今年の春闘結果によると、平均賃上げ率は5・1%で、33年ぶりの高水準だった。厚労省の調査では、回答した企業の8割弱は労組がなく、賃上げの動きが労組のない中小企業にも広がっている実態が明らかになった。