カナダ中銀総裁、移民受け入れ抑制で経済成長率予測に影響も
Promit Mukherjee Ismail Shakil
[オタワ 25日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は25日、政府が表明した移民の受け入れ数抑制が中銀の経済成長率予測に影響を与える可能性が高いとの見解を示した。
マックレム氏は移民受け入れの抑制がどれほどのペースで実施されるのかは不確実性が高く、その動向が経済成長率予測にどれだけ影響を与えるのかを左右すると指摘した。トルドー首相は24日、来年から移民の受け入れ数を抑制することを明らかにした。
移民の受け入れ抑制が中銀の経済成長率予測にどのような影響を与えるかという質問に対し、マックレム氏は「もしも人口増加の割合が私たちの想定よりも早く低減すれば、国内総生産(GDP)成長率が低下することになる」と述べた。
一方、中銀が政策金利の引き下げを続けることで家計支出の回復がもっと早まれば、経済成長率はより高くなる可能性があるとも言及した。
中銀が23日発表した金融政策報告書は、2025年の国内総生産(GDP)が前年より2.1%増え、26年も2.3%増になると予測した。
中銀は25年1月に発表する金融政策報告書で経済成長率予測を更新する。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後にカナダへの移民が急増し、人口が急激に増えたのに伴って住宅の需要と価格、家賃が上昇したのを背景に、世論調査でトルドー政権の支持率は低迷している。