笑顔で通行人に当選を報告する吉田さん(28日午前8時1分、東京都杉並区で)

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 公示前から大幅に議席を伸ばした立憲民主党の当選者は28日朝、喜びにひたる間もなく街頭に繰り出し、決意を新たにした。

 東京8区で再選を果たした吉田晴美さん(52)は28日午前8時前から、東京都杉並区のJR阿佐ヶ谷駅前に立ち、はつらつとした表情で「ここからがスタート。国民生活を良くすることで、政治不信を払拭(ふっしょく)していかなければならない」と呼びかけた。

 選挙戦では、9月に立候補した党代表選で向上した知名度を生かしながら、自民党派閥の「政治とカネ」の問題を追及。自民党新人候補に約4万票差をつけて快勝した。

 27日夜、事務所に集まった支持者らに「選挙後こそ政治家の資質が問われる」と話していた吉田さん。多くの人に握手を求められ、「身の引き締まるような思い。街頭に立ち続け、私を身近に感じてもらうことが、政治の信頼回復につながる」と力を込めた。

 「歴史的な勝利だ。声なき声を国政に届け、クリーンな政治を進める」。福井2区で初当選した辻英之さん(54)は福井県越前市の街頭であいさつに立った。

 自民党派閥の政治資金問題で非公認となった前議員の高木毅さん(68)らを破り、2000年衆院選から福井県で自民が独占していた小選挙区の議席を奪取した。取材に対し「おかしいことにきちんと目を向けてもらった結果だ。国民の懐に飛び込み、課題を解決する誠実な政治姿勢を貫いていきたい」と抱負を語った。

 神奈川18区で初当選した宗野創さん(31)は、午前6時半頃から川崎市中原区のJR武蔵新城駅前であいさつ。通勤客らに「ありがとうございます」「おはようございます」と手を振り、「頑張ったね」「おめでとう」と声をかけられると握手で応えていた。

 元経済再生相で自民党の山際大志郎さん(56)らを破っての勝利で、友人らから一夜明けても返信し切れないほどの祝福のメッセージが届いた。宗野さんは「裏金問題や旧統一教会問題など、強い追い風もあっての議席獲得だった。おごらず謙虚に、国政で活動したい」と表情を引き締めていた。