衆院選から一夜明け、値上がりする日経平均株価を示すボード(28日午前、東京都中央区で)=後藤嘉信撮影

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 週明け28日の東京株式市場はほぼ全面高の展開となり、日経平均株価(225種)は一時、前週末終値比700円超上昇した場面もあった。

 午前の終値は、549円58銭高の3万8463円50銭だった。

 27日に投開票された衆院選で、自民、公明両党を合わせた与党の議席が過半数割れして今後の政権運営の不透明感が強まったことで、28日は小幅安で取引が始まった。ただ、事前の選挙情勢に関する報道で与党の過半数割れを織り込んでいた投資家は多く、日経平均が前週に1000円超値を下げていたこともあり、短時間で割安感の出ている銘柄を買い戻す動きが強まった。

 また、28日の東京外国為替市場の円相場で円安・ドル高が進んだことで、輸出関連銘柄の自動車や電機株も値上がりした。

 円相場は、前週末(午後5時)と比べて1円80銭程度円安・ドル高の1ドル=153円台後半で取引されている。153円台後半をつけるのは7月以来、約3か月ぶり。市場では、衆院選の結果を受けて日本銀行が今後の追加利上げに慎重になるとの見方から、日米の金利差が意識されて円売り・ドル買いが加速している。

 市場関係者からは、「衆院選という重要イベントを通過し、投資家が動きやすくなっている」(証券大手)との見方が出ている。