自民党本部の会場に入る総裁の石破首相。左は森山幹事長=27日午後9時39分、東京・永田町

 派閥裏金事件に対する強烈な逆風に、与党幹部は一様に硬い表情を見せた。一方、議席増が確実視される野党の幹部からは笑みがこぼれ、明暗が分かれた。

 午後8時を回ると、与党の大幅な議席減がニュースで一斉に報じられた。「政治とカネの問題について全くご理解をいただけていないことが一番大きかった」。自民党総裁の石破茂首相は顔をこわばらせた。連立を組む公明党の本部も苦戦を象徴するように静まりかえった。

 「緊張感を持って開票の推移を見守っていきたい」。自民への批判を勢いに、議席増が見込まれる立憲民主党の野田佳彦代表は時折笑みを浮かべた。

 同じく議席を伸ばす勢いの国民民主党の開票センターでは、玉木雄一郎代表が当選確実となった候補者の名前が書かれたプレートを次々に掲げた。地元支援者らとのビデオ通話では「国民のための政治をしっかりやっていく」と述べた。

 裏金事件を厳しく追及し続けてきた共産党の田村智子委員長は「国民の怒りが沸騰した」と語った。