「味方に私の良さを知ってもらい…」、韓国戦で1得点のなでしこMF藤野あおばが明かしたコンビネーション問題と理想像

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[MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024、日本女子代表4-0韓国女子代表、26日、東京・国立競技場]

なでしこジャパンが4-0で韓国女子代表を圧倒した試合後、MF藤野あおば(マンチェスター・シティWFC、ウィメンズ・スーパーリーグ)は攻撃の問題点について言及した。

パリ五輪後初の公式戦となった日韓戦。なでしこジャパンはGK大熊茜(INAC神戸レオネッサ、WEリーグ)、DF遠藤優(三菱重工浦和レッズレディース、WEリーグ)、FW土方麻椰(日テレ・東京ヴェルディベレーザ、WEリーグ、20日に負傷のため不参加と発表)、FW松窪真心(ノース・カロライナ・カレッジ、ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ)らを初招集組として迎え入れ、3年後の2027年に開催されるFIFA女子ワールドカップに向けてスタートを切った。

コミュニケーションに課題を残す

一見すると大量点差がついたゲームだったが、「全員が攻撃的というか…、縦への推進力を武器にした選手が多い中で、ロングボールを使って相手の背後を狙うプレーはすごく良かったと思います。でもそればかりになりすぎて、マイボールにできる時間帯でもボールをロストしてしまうことが多かった」と、藤野は課題を指摘した。

日本女子代表は4-4-2の布陣で挑んだが、マイボールの時間帯は実質的に4-2-4に変化した。前線に枚数をかけたなでしこジャパンは、積極的にロングボールを使用。攻撃的な布陣は局面を打開するチャンスを一気に生み出したが、その弊害としてパスミスからカウンターを受けた。

この日、右サイドハーフで先発出場した藤野はドリブルで相手を翻ろう。背番号15のプレーは相手チームにとって確かな脅威となった。

その一方で「一人一人、結果がほしい状況で、そのためのプレー選択が少し多かったと感じました。コンビネーションがうまくいかなかったり、使った方がいいスペースがあったとしても、自分で仕掛けるシーンが多かった」と、チームメイト間のコンビネーションに満足していなかった。

藤野が目指すクオリティの高い選手像とは

相手からのカウンターを減らし、ボール保持の時間帯を増やしたかった日本女子代表は、前半途中から藤野とトップ下のMF清家貴子(ブライトンWFC 、ウィメンズ・スーパーリーグ)をポジションチェンジ。プレーエリアを中央に移した20歳は1.5列目でタメをつくった。

選手の距離感がコンパクトになったホームチームは、前半34分に素早い切り替えから背番号15が2得点目を記録した。

相手陣地深くの左サイドで連動したプレスを仕掛け、ボールを奪い返すと、FW田中美南(ユタ・ロイヤルズ、ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ)がこぼれ球に反応。倒れこみながら左足で中央に出したパスに藤野が左足でネットを揺らした。

守備の局面においても仲間の位置を調整し、声掛けをしていた背番号15は「監督は前線の選手に得点を求めていると思うので、うまくアピールできたと感じています」と、スタメン争いへの手ごたえを口にした。

国立の舞台で、なでしこの新エースとして頭角を現した藤野だが、強調した改善点はチームメイトとの連係だ。

「自分からアクションをしていく必要があります。うまくプレーするためには、味方に私の良さを知ってもらい、自分も味方のために動く必要があると思っています。それが結果を出すためには大事ですし、3年後に向けて上乗せしたい部分です」

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「味方を生かせられて、自分でも生きられる選手は、ハイレベルでクオリティの高い選手」と理想のプレイヤー像を語った20歳。なでしこの未来は、自らが掲げた目標にまた1歩近づいた。