中田ボタン、がん闘病明かす 盟友・桂小文枝55周年公演にゲスト出演
漫才コンビ「中田カウス・ボタン」として一世風靡(ふうび)した中田ボタン(75)が26日、大阪・天満天神繁昌亭で行われた「桂小文枝芸歴55周年記念大作戦 YOUNG GO!GO!」にゲスト出演。自らのがん闘病を明かした。
この日の主役、桂小文枝(73)とボタンはほぼ同期デビューで、古くからの友人関係。シークレットゲストとして舞台に登場し、吉本新喜劇の間寛平(75)とともに3人でざっくばらんなトークを展開した。
ボタンによると、2019年2月に体調不良のため病院で診察してもらうと、そのまま入院を命じられた。それまでの約3カ月間、血を吐きながらも舞台出演を続けていたが「体調のことは誰にも言わなかった」と言う。
当時の状況を知る小文枝によると「ステージ4の肺がんだった」。ボタンは「治療しなくても、このままでええんや」としていたが、家族らに強く入院、治療を要請された。当時は、医師から「余命3カ月」とも伝えられたというが、抗がん剤治療などを受け、小文枝によると「そこからは、見るたびに元気になっていった」と言う。
結局4カ月で退院し、漫才からは遠ざかったものの、今では小文枝、月亭八方(76)らとゴルフを楽しむまでに回復。髪の毛は「自分でそっている」(ボタン)と、迫力満点の外見だが、舌の方は絶好調だった。
ボタンは19年3月に体調不良のため活動休止を発表。23年2月には所属の吉本興業とマネジメント契約を解消し、カウスとのコンビは事実上の解散となった。
その後、芸人仲間のインスタグラムに登場し、がんとの闘病を明かすなど、親交のある芸人との交流が復活。今年9月のMBSテレビ番組の中で、八方が「週に2回は、月亭八方、桂小文枝、中田ボタンの3人で昼ご飯食べてる」と明かしていた。
この日の公演は、小文枝の55周年を記念し、全国55カ所で落語会ツアーを行う第1弾。「ここまでやってこれたのは師匠や一門、友人知人のおかげ。何かお返しをしたい」と全国で地域寄席の開催を思いついた。55公演での小文枝の出演料は、能登半島の被災地に寄付する予定。