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 ジャーナリスト鈴木哲夫氏が25日、BS−TBS「報道1930」(月〜金曜後7・30)に出演し、自民党と連立政権を組む公明党の衆院選(27日投開票)について見解を示した。

 番組では、公明の石井啓一代表が立候補している埼玉14区をピックアップした。もともとは自民が票を持っている選挙区だが、区割りが変更。自民は候補を立てず、これまですべて比例区で当選してきた石井氏が、自身初めて小選挙区で立候補した。石破茂首相が応援に駆けつけるなどしているが、厳しい情勢が伝えられている。石井氏は比例重複を辞退しており、「今回、本当にもう最終盤になってもまだ大接戦という状況ではありますけれども、どうかもう一段、あと一押し、石井啓一を勝たせて下さい。押し上げて下さい」などと、懸命に訴えた。

 連立政権内での公明の働きについて、鈴木氏は政治資金規正法の改正案を例に説明した。「裏金問題というのは、公明党もたとえば政治資金規正法の改正でも(パーティー券の購入者名の公開基準を)5万、10万だと、ある種、自民党をリードしたというか、それでやってきた。公明党がうまくまとめたんだと、ある種アピールしたつもり」。しかし、「それが今回の2000万じゃないけど、どんどん覆されている」とし、自民が裏金事件での非公認候補側に2000万円を支給したことで、芋づる式に国民の不信を買っている状況と分析した。

 鈴木氏によると、公明は他にも関西などで厳しい情勢の選挙区があるという。「そのためには絶対に自民党の協力は欲しいわけですよね。そういういろんなことがあるけど、今はとにかく自民党としっかりタッグを組んでやるんだということで、かなり徹底しています」と解説した。

 普段は自民側が公明の組織票を当てにするケースが多いといい、「1つのある県、地域で、1つの選挙区で公明を応援すれば、あとの選挙区で全部公明から応援をもらえる。こんな自民党にとっておいしい話はない」と、両党の協力関係を説明。「今回は公明党の選挙事情がきついので、より強固な感じでやっている」とし、「いつもは自民党さんが“公明党さんお願いね”という感じだけど、今回は(公明が)“自民さん何とか”っていう選挙戦になっている」と、苦しい裏事情を明かした。

 埼玉14区では石井氏の他に、維新の加来武宜氏、無所属の関根和也氏、国民民主の鈴木義弘氏、諸派の高橋易資氏、共産党の苗村京子氏が立候補している。