ケーブルテレビの業界団体などが、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が発表した有料サブスクリプションを簡単に解約できるようにする最終規則を差し止めるよう求めていることがわかりました。

Case: 24-60542 Document: 1-2 Page: 1 Date Filed: 10/23/2024

https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.ca5.221571/gov.uscourts.ca5.221571.1.2.pdf



Cable companies ask 5th Circuit to block FTC’s click-to-cancel rule - Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2024/10/cable-companies-ask-5th-circuit-to-block-ftcs-click-to-cancel-rule/



バイデン政権は「アメリカ人の時間が犠牲になっている」として、サブスクリプションやメンバーシップの解約を容易にする方針を2024年8月に示しました。連邦取引委員会はこれより前から解約方法をシンプルにすることを求める提案を進めていて、政権の方針にのっとり、「サブスクリプション解約を簡単にすること」を義務化する規則を提示しました。

サブスクの解約をもっと簡単にすることを義務づける規則を連邦取引委員会が提示 - GIGAZINE



10月には内容を整えて、「ワンクリック解約」を義務化する最終規則が提示されました。規則は連邦官報で公表後、180日後に発効します。

消費者が有料サブスクを簡単に解約できるようにする「クリックで解約」の最終規則をアメリカ連邦取引委員会が発表 - GIGAZINE



しかし、契約させている企業からすると、容易に解約されない方が都合がいいのは確かで、ニュースサイト・Ars Technicaによると、ケーブルテレビの業界団体である全米有線テレビ事業者連盟(NCTA)、オンライン広告標準化団体のインタラクティブ広告事務局(IAB)、セキュリティ業界団体・電子セキュリティ協会(ESA)が「ワンクリック解約」規則の差し止めを求めて、第5巡回区控訴裁判所に提訴したとのこと。

またこれとは別に、ミシガン新聞協会と全米独立企業連盟(NFIB)も第6巡回区控訴裁判所へ同様の訴えを起こしました。

いずれの訴えも、「FTCによる最終規則は、顧客が解約しようとしない限り継続されるサービスやサブスクリプションを提供しているすべての業種、あらゆる分野のあらゆる企業の消費者契約を規制しようとするものです」と述べ、FTCの法的権限を超えて憲法違反であると主張しています。

FTCは今回の訴えについてコメントを発表していません。最終規則を提示するにあたり、FTCのリナ・カーン委員長は「企業は定期購読を解除するためだけに、人々に多くの困難を強いている事例があまりにも多数存在します。FTCの規則は、こうした策略や罠を終わらせ、アメリカ人の時間とお金を節約するものです。不要なサービスにお金を払わなければならない人などいないはずです」と述べています。