大谷翔平

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 10月21日、大谷翔平(30)や山本由伸(26)を擁するロサンゼルス・ドジャースがナショナルリーグの優勝を決めた。同日夜、日本テレビはその一戦を再放送し、フジテレビは26日からのワールド・シリーズの全試合を生中継すると発表した。日テレとフジといえば、大谷の新居報道をめぐって社長が謝罪した局だ。

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 ちなみに、ナ・リーグのプレーオフ地区シリーズは、NHKが地上波の総合かBSで放送していた。総合が放送した10月6日の「パドレス×ドジャース第1戦」(10:05〜11:53)の視聴率は世帯13・6%、個人7・6%。10月12日の「パドレス×ドジャーズ第5戦」(10:03〜11:53)は世帯20・3%、個人11・3%を記録した(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)。

大谷翔平

 ドジャースがナ・リーグ優勝を決めた21日、日テレは「プロ野球クライマックスシリーズ第6戦 巨人×DeNA」(19:00〜21:50)の放送後、「緊急放送!大谷翔平WSへ!! ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦 ドジャース×メッツ」(21:56〜23:50)を放送した。視聴率は、プロ野球が世帯15・4%、メジャーが世帯5・9%だった。民放プロデューサーは言う。

「午前中にNHKのBSで放送され、“ドジャースリーグ優勝”が散々報じられた後の録画放送ですからね、さすがに数字はこんなものでしょう。これならレギュラー番組の『しゃべくり007』や『月曜から夜ふかし』を差し替えてまで放送しなくてもよかったかもしれません」

 一方、フジは《全試合を緊急編成、地上波で緊急生中継決定!》(公式ホームページ)を謳い、26日からのドジャース×ヤンキースのワールド・シリーズ全試合を地上波で独占生中継する。

高視聴率は確実だが

「NHKもBSでは放送するわけですが、朝9時8分からのゲームとはいえワールド・シリーズですから、フジは高視聴率を獲得するでしょう。土日なら20%超えは確実で、平日はそこまで取れなくても、大谷の新居報道で問題となった『めざまし8』を半分潰して放送するのですから面目も立つというもの。もともと数字が取れていない番組ですし」

 渡りに船ということか。逆に7年連続で年間視聴率の民放トップを誇る「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)は、頭を抱えていることだろう。

「大谷が出るワールド・シリーズならスポットCMも売れますし、サッカーと違って野球は攻守交代の間に必ずCMを入れることができます。スポットのみならずタイム(番組提供)で買いたいという企業も少なくないはずです。いわば、『箱根駅伝』を連日放送するような大商いになります。ワールド・シリーズの放映権料は1試合で2〜3億円と推定されますが、それでも元が取れる可能性は高い」

 もっとも、ネット上ではフジの中継は期待できないとの声も少なくない。

《日頃から中継やってない局が、急にやるから違和感しか無いような気がする。メジャー見るならBS-1でしょうね。なんせ普段からメジャーリーグの試合のニュースもやってるから、元メジャーの解説者がドジャース以外のチームの試合の解説もしてくれる。とてもわかりやすい。特にアメリカ在住の長谷川滋利さんが、今年は第3戦〜5戦(ニューヨーク)の解説をしてくれるので楽しみです。》

《エンゼルス時代からNHK BSでメジャーリーグ放送を見ていますが実況、解説の方ともに素晴らしく落ち着いて見ることができます。大谷のホームラン、逆転場面、ピンチを抑える等盛り上がる場面で、NHK実況の方はうるさ過ぎず見ている側の気分も高揚する実況をしてくれるのでWSもNHK BS放送の方を見ます。フジテレビはガチャガチャうるさそうです。》

最も野球に詳しいプロデューサー

 今回、フジが放映権を獲得できたのは、民放の持ち回りが“たまたま”今年はフジだったからと報じられている。

「とはいえ、それも運の強さゆえかもしれません。フジは意外とスポーツの大一番で強さを発揮することがあります。プロ野球では1994年の巨人×中日のセ・リーグ優勝を懸けた“10・8”を中継して48・8%を記録したり、サッカーでも2002年のW杯日韓大会で日本が初勝利を挙げたロシア戦を中継して66・1%という最高記録を持っていたりします。また、78年から81年まで『アメリカ大リーグ実況中継』という番組でメジャーの公式戦を実況中継していました。78年と81年にはワールド・シリーズのドジャース×ヤンキースも放送していたんです。むしろフジが放送するのが相応しいかもしれません」

 今回のドジャース×ヤンキースは、1981年以来、43年ぶりの対決である。

「フジのプロデューサーは藤田真弘氏です。彼は広島県の野球の名門・広陵高校の野球部出身で、2年生だった2002年から春夏4期連続で甲子園に出場しています。3年生の時には主将としてチームを率い、春の選抜では決勝で本塁打を放ち、横浜高校を下して優勝しました。その後、明治大学に進学し、硬式野球部の主将を務めました。おそらく、いや、間違いなく、フジで最も野球に詳しいプロデューサーでしょう。アメリカからの中継とはいえ、彼がどんな番組を作るかにも注目しています」

デイリー新潮編集部