King & Prince

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 King & Princeの永瀬廉が、10月16日放送のラジオ『永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送)にて、ソロ曲「染み」の制作秘話を語った。「染み」は、12月11日にリリースされるKing & Princeの6thアルバム『Re:ERA』に収録されている楽曲で、なにわ男子・西畑大吾、Aぇ! group・正門良規とのコラボ楽曲だ。

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 コラボのきっかけとして、相方である髙橋海人がソロ曲でSKY-HIとコラボすることになり、「廉くんも誰かとコラボしたら?」という話になったのだと語り始めた永瀬。「でも俺、そんなにアーティストの友だちおらんし、コラボさせていただけるような関係値の人おらんから」と最初は戸惑ったとも。そんな中で「“俺と言ったら誰だ?”ってなったら、やっぱりこの2人が出てくる」と、西畑と正門にオファーを出したのだそう。

 2011年4月3日、大阪城ホールで開催された山下智久のソロコンサートにて、オーディションを受けたという3人。以来、関西ジュニアの同期として友情を育んできた。その関係性は、それぞれのタイミングでCDデビューを果たし、活躍の場が異なっても変わることはなかった。

 今年7月には、永瀬のInstagramで同期3人が揃って生配信を行なったことでも大きな話題に。彼らの仲の良さが改めて広く知れ渡ったことにより、8月28日に『笑ってコラえて!』(日本テレビ系)で初の3人ロケも実現した。そうした近況について、永瀬は「最近すごい仕事することが多くて。いいっすね」と嬉しそうに語るのだった。「染み」は、そんな3人の友情ソングである。タイトルも出会った4月3日にちなんでつけられたもの。そして「歌詞のことを話し合うために、一緒に飲めるみたいな(笑)。仕事しつつ、一緒に飲む時間もできるというのは、一石二鳥」と声を弾ませた。まさに〈呑んで叫んで 笑ってる時間/いつでもどこでも好きなんや〉という歌詞に、3人が飲み交わしている情景が浮かんでくるようだ。「大吾が作詞で、正門がギターで入ってくれてっていう感じで。コーラス、後ろの部分の声で2人に入ってもらって」と永瀬が明かしたように、この歌詞を手掛けたのは西畑だ。

 高い演技力やMCスキルで脚光を浴びることの多い西畑だが、実は作詞力にも定評がある。西畑が作詞デビューをした「ちゅきちゅきハリケーン」(なにわ男子)は、お披露目されるやいなやファンの心を鷲掴みにした。かわいい路線に徹したアイドルソングは、20代男性ともなれば少々の照れくささや“歌わされてる感”がにじみ出ても致し方ないところ。しかし、それがメンバー作詞となれば、また話は違ってくる。他のメンバーも腹をくくって、全力で「かわいい」に振り切れるノリが生まれるようだ。そして、西畑のワードセンスはファンの喜ぶツボと、メンバーの気合いが入るポイントの、ちょうどいいところを突いてくるのだ。

 今回の「染み」でも、西畑の才能が光る。〈「親友」より「心友」が似合う/そんな関係ってつまり…素敵やん〉とは3人のファンにとってはたまらないフレーズではないだろうか。学生時代の関係ならまだしも、3人はもう成人した大人だ。そんな彼らが改めてお互いを「心友」なんて言い合うタイミングは普段なかなかないかもしれない。けれど、そんな関係を築いてきた西畑が、歌詞にすることでリアリティを持って響く。そして〈Aぇ! 時間過ごしてきた/なにわ背負って羽ばたこうぜ/確かな王道を探す旅〉とそれぞれのグループ名を入れ込んでくるところもまたニクい仕掛け。さらに、〈この先、一生/ずっとよろしくな〉という畳み掛けに、歌う永瀬の胸も熱くなったのではと想像が膨らむ。

 一方、ギターで参加した正門のスキルにも注目していただきたいところ。2023年にはAぇ! groupとして『イナズマロック フェス 2023』に参戦。熱い演奏でロックファンからも高い評価を得たことで、CDデビューへの勢いをつけた印象だ。

 日頃、温和なオーラを醸し出している正門だが、ギターを持つとその雰囲気は一変。雄々しいサウンドを奏でながらも、クールな表情を浮かべる。その情熱的でありながら、どこか淡々とした職人のような硬派な雰囲気のギャップに色気さえ感じるのだ。2020年、ジュニアによるエンタメサイト『ISLAND TV』にて「#おうちで関ジュ」と題して自宅で撮影したVTRを発信する企画があったが、そこで正門はギターの練習方法を紹介していた。指を2本ずつ動かして順に音階を奏でていく基礎的な練習。それを「1日10~15分くらい。1週間ぐらいやれば!」とサラリと言っていたところに、正門が続けてきた地道な練習を垣間見るようだった。

 こうして振り返ると、この3人がどんなに環境が変わったとしても仲睦まじく歩めてきたのは、入所のタイミングが重なっただけではないように思えてきた。きっと「プロ意識」とも言い換えることのできる「根性」が、彼らには同じくらいの強さで備わっていたからではないだろうか。そんな西畑と正門の才能や努力を、今回コラボ曲という形でさらに広く知らしめることに成功した永瀬。「使えるものはどんどん使って、自分が楽しいことをして、自分たちがやりたいことをやっていくべきだと思う」と言った言葉が、グループの垣根を越えて、大切な仲間の魅力をどんどん発信していきたいという意思表明にも聞こえた。SNS、バラエティ、楽曲……と続いてきた同期3人の活躍。ぜひとも、さらなる新しいコラボにも挑んでもらいたい。

(文=佐藤結衣)