大会前日に棄権…「何もかも足りない」と声を震わせていた”絶不調”シブコの「深刻な現状」
突然の欠場
米女子ツアー「BMW女子選手権」（17〜20日）には、6人の日本選手が出場したが、1人が大会前日に欠場した。渋野日向子だ。
先週、中国で行われた「ピュイックLPGA上海」に出場して59位で終えて14日の月曜日に韓国入り。翌15日の火曜日には軽く練習し、夜には米女子ツアーの公式インスタグラムが世界ランキング3位でパリ五輪金メダリストのリディア・コらと焼肉を食べて楽しく過ごしたことを写真で投稿していた。
大会前日の16日は、朝から渋野が会場に到着を待っていたのだが、昼過ぎになっても中々姿が見られず、これはおかしいと思っていたところ大会側から「朝に体調不良で棄権するとの報告を受けた」と伝えられた。
その後、同日にマネージャーのインスタグラムを通じて、コメントを発表。「アジアシリーズが続く中、今週は韓国に来ていますが、しばらく続いている身体の不調に改善がみられず、メディカルチームと相談した結果、今週のBMW選手権を欠場する判断となりました。私自身この決断に最後まで迷いましたが、十分なパフォーマンスを発揮できる健康状態にないため休養をとることにしました。楽しみにしてくださっているファンの皆さまには日本で開催されるTOTOジャパンクラシックで元気に戦う姿を見てもらえるよう今はしっかりと治療に専念させていただきます」。
体のどこが不調なのかは分からないが、とにかく休養が必要な状態なのは確か。来週、マレーシアで行われる「メインバンク選手権」（24〜27日）には元々エントリーしていないため、次戦は日本開催の「TOTOジャパンクラシック」（10月31日〜11月3日）となる。日本のファンの前でしっかりとプレーできる状態にコンディションを戻せるのかは気になるところだ。
何もかも足りない
それでも渋野は来季シードを確定させていることもあり、精神的に余裕を持って試合に挑めている部分はある。今季はメジャーの「全米女子オープン」で2位、「全米女子プロゴルフ選手権」では7位に入り、CMEグローブポイントランキング（年間ポイントランキング）を一気に上げた。現在（10月22日時点）は55位で、来季フルシードが与えられる80位までに食い込んでいる。
メジャーという大舞台に強い印象はあるが、それ以降は上位争いできておらず、本人のコメントからも明るい前向きな話が出てきていない。久しぶりに日本のファンの前に姿を見せた8月の「北海道meijiカップ」では予選落ちし、「全米女子オープンからすごくいい流れできていた中で、予選落ちしたのはかなり痛い。ちょっと考えようとは思います」と苦悩を吐露。
以降も悪い流れは続き、翌週の「スコットランド女子オープン」は棄権。“聖地”セントアンドリュースで行われたメジャー「AIG（全英）女子オープン」も初日「80、2日目「78」で回り2日間で14オーバーと打ちのめされ、「何もかも足りない」と声を震わせていた。
さらに9月の「クローガー・クイーンシティ選手権」は61位となんとか予選通過を果たしたが、「NWアーカンソー選手権」は予選落ちと明るい材料がないまま、先週の中国から始まったアジアシリーズを迎え、韓国で棄権に至ったというわけだ。
結果や流れが悪ければ、気持ちも後ろ向きになりがちだ。ゴルフはうまくいくときもあれば、悪いときもあるのは当然で、毎週結果を残し続けることのほうが難しい競技でもある。
渋野に対しては周囲が期待しすぎている部分もあるが、いまは我慢強くいい流れが来るのを待つしかないだろう。それでも米ツアー3年目ながら、今年もシードをほぼ手中に収めていることは評価してもいいのではないかと感じる。
あとは常に上位で戦える選手になることだが、まずは次戦の「TOTOジャパンクラシック」で日本のファンの前で会心のプレーで、上昇のきっかけをつかんでもらいたいものだ。
