トヨタが初公開した「スゴイ技術」に大反響! 今までの課題が「カイゼン」されて何が変わった? “いいクルマづくり”が加速する「画期的な溶接」に熱視線!

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量産車にも導入される!? 凄いアーク溶接の新技術に反響集まる!

 2024年9月29日にトヨタのモータースポーツ部門である「TOYOTA GAZOO Racing」は、スーパー耐久シリーズ第5戦(鈴鹿)にて、アーク溶接の新技術「SFA(Sequence Freezing Arc welding)」を発表しました。
 
 従来の溶接技術とは大きく異なる画期的な技術に、ネット上では多くの反響が寄せられています。

量産車にも応用できる!? 「SFA工法」に反響集まる!

 これまで、ロールケージの製作には熟練した溶接技術が必要であり、また製作にも時間がかかっていました。

【画像】「えっ…!」これが「凄い技術」を使ったクルマです!(13枚)

 ロールケージは衝突や横転時にドライバーを守るための重要な装備であり、その品質がクルマの安全性やパフォーマンスに大きな影響を与えるため、熟練度による溶接のばらつきが、強度や剛性に違いを生み出してしまうという課題がありました。

 またボディに合わせて1本ずつ手作業でロールケージを組み立てるため、製作に長時間を要しており、実際にGR車両開発部でも2、3週間掛かっていたとのことです。

 そこで導入されたのが、電極の間に電流を発生させ、溶接棒(ワイヤ)を溶かしながら溶接していく「SFA工法」です。

 この工法により、溶接強度が向上し、軽量化も実現されたといいます。

 具体的には、アークでのショット溶接や、隙間があっても確実に溶接できるロバスト性(予期せぬ環境変化や製造上のばらつきに対して、製品が一定の性能を保持する能力)、アーク溶接の精度が向上。

 ブリッジ溶接やエッジ溶接も可能になりました。

 この技術によって、溶接の難易度が高い部分でも強度を維持しながら作業が進められます。

 くわえて、この工法を熟練工の溶接技術をインストールした安川電機のロボットによってロールケージを製作することで、生産効率を担保しながら人手では実現できない高品質な溶接を実現しているとのことです。

 さらに、溶接工程を「SUB ASSY 化」によって3つに分割することで、作業効率の向上も図られました。

 この2つの技術を組み合わせることで、従来の工法に比べてビード(アーク溶接の作業をしている際に金属がミミズ腫れのように盛り上がっている部分)の重量が約25%軽くなり、強度も10%から25%に向上しています。

 これにより、最短3日でロールケージを組み付けることが可能となり、レース間のタイトなスケジュールにも対応できるようになりました。

 SFA工法は量産車にも応用が期待される技術であり、従来の生産工程では難しかった部分や溶接できなかった箇所でもしっかりと溶接ができるようになったことで、クルマのボディ剛性を高めることが可能となります。

 そんな今後大きな注目を集めそうな新たな溶接技術についてネット上では、「ロールケージを組む為にかかる時間の短縮によって、レース参加者の負担は減らせるのは大きい」「もっと実用化されたらレースカーのデリバリーが早くなりそう」など、モータースポーツファンによるコメントが多く寄せられています。

 また「素人目から見ても分かる溶接の美しさ」「ロボットが職人の技術を継承するって凄いね」など、ロボットが溶接したその仕上がりを評価する声や、「その内市販車作る場にもこの技術が降りてきて、いいクルマが出てくるのを期待しよう」「市販化が噂されているトヨタの『GR GT3』にも採用されるのかな」など、SFA工法の量産車への導入を期待するユーザーも。

 一方で「ロボットでやれば狭くても薄くても溶接できるだろうけど、そうやって作られたクルマは人の手では直せなくなるのかなあ」など、万が一の際に簡単に修復できるのかを懸念するコメントも見られました。