就任1週間足らずで殺害されたアルコス市長の棺(ひつぎ)の前で哀悼の意を表す人々/Oscar Ramirez/Reuters

(CNN)凶悪犯罪が多発するメキシコ南西部ゲレロ州の州都チルパンシンゴで、市長が就任から1週間もたたないうちに殺害された。同国では政治家を狙った暴力犯罪が後を絶たない。

アレハンドロ・アルコス氏は今月1日にチルパンシンゴ市長に就任し、6日に殺害された。その数日前には、同市の秘書官だったフランシスコ・タピア氏が射殺されていた。

メキシコのクラウディア・シェインバウム新大統領は7日、アルコス市長の殺害を「不幸な」出来事と位置付け、メキシコの治安問題への対応については8日の治安閣議で詳しく説明するとした。

観光名所のアカプルコがあるゲレロ州は凶悪犯罪が多発する地域としても知られる。ただ、メキシコの治安の悪さは同州にとどまらず、6月2日に実施された大統領選挙と総選挙では、選挙期間中に少なくとも34人の候補者が犯罪組織によって暗殺された。

女性初の大統領となるシェインバウム氏が選出された数時間後には、西部ミチョアカン州コティハの女性町長だったヨランダ・サンチェス・フィゲロア氏が射殺された。

同地のコンサルタント会社によると、警察や地元経済界とつながりを持つ市長は犯罪を見逃すこともできるため、犯罪組織に狙われやすい。選挙では犯罪組織が政治家を自分たちに協力させる目的で、陣営に資金を提供したり候補者を脅したりして暴力的に介入することもある。