熱帯暴風雨「ミルトン」、ヘリーンで被災の米フロリダ州を直撃へ

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Daniel Trotta Bo Erickson

[6日 ロイター] - メキシコ湾で発生した熱帯暴風雨「ミルトン」が接近する中で米南部フロリダ州は6日、2017年以来の大規模な避難態勢に備えるように警告した。8日夜までにフロリダ州のメキシコ湾岸に来襲する可能性がある。同州は大型ハリケーン「ヘリーン」で甚大な被害を受けたばかりだ。

へリーンは同州やノースカロライナ州など南部6州で計200人を超える死者を出した。被害の大きさは、米本土を襲った名前が付けられた暴風雨としては計1400人弱の死者が出た2005年の「カトリーナ」以来。被災地はまだ復旧しておらず、ヘリーンの被災地に追い打ちの打撃を与える恐れがある。

ミルトンは、今月9日朝に予想されている上陸までに勢いを強め、7日には大型ハリケーンの強さに達すると見込まれている。

米国立ハリケーンセンターの発表によると、人口が多いタンパ湾地区を襲う可能性が高い。同センターは「ミルトンは今後数日間で急速に勢いを強め、6日に大型ハリケーンに発達すると予測している」と表明した。

連邦緊急事態管理庁のフロリダ州の部門を率いるケビン・ガスリー氏は、同州の住民に対して「17年の(超大型)ハリケーン『イルマ』以来の大規模な避難」に備えるよう人々に促した。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は、ミルトンによる高潮と停電はヘリーンより多くなる可能性があるとして「がれきが多く残っている地域がいくつかあり、大型ハリケーンに襲われた場合にはそれらのがれきはどうなるのか?被害は劇的に拡大するだろう」と強調。がれきの撤去に向けて「総力戦」に臨むと訴えた。