「服はあるのに、着たい服がない」問題を解決! 築35年の賃貸マンションに夫婦ふたりで暮らし、YouTubeで「捨て活」の様子を発信する深尾双葉さん(40歳)も洋服には長く頭を悩ませていました。「ぎゅうぎゅうに詰め込まれたクローゼットの前に立ち尽くしては、着るものがないとため息をつく毎日。洋服の数を減らしたことで、今ではクローゼットがずっと眺めていたくなる大好きな場所の1つとなりました」と話す深尾さん。服を減らすためのルールを5つ紹介してもらいました。

本当に好きな服だけを残す

以前の私は、なんとなく好きというレベルで洋服をクローゼットに並べていました。そのときは、数えきれないほど服はあるのに着るものがないという不思議な現象に陥っていました。

【写真】1年間履き続けた1枚1500円のパンツ

今は好きのレベルをぐっと上げて「本当に心から好きで残したいもの」を基準にそろえるようにしたところ、着たい服しかないクローゼットになりました。

それでも人間、好みは変わるものなので、気に入らなくなったときにはリサイクルショップに出したり、買取が難しそうな衣類は切ってウエスにして使いきるようにしています。

ちなみに本当に好きな洋服は破れたり変色したりしても愛情があり大切にしたいもの。自分で繕ったり染め直しに出したりと服の命を繋ぐ工夫もしています。

春夏秋冬、ほとんどの服を黒に統一

服の色を固定化しています。基本的に黒、たまに白も取り入れますが、首回りの汗ジミやクリーニングに出したことで逆に黄色くなって戻って来てしまった経験もあり、それからは洋服、下着、ウォーキングウェアなどクローゼットの90%を黒が占めています。黒は汚れが目立ちにくく管理が非常にラクです。

カラフルなアイテムに囲まれていたときは、1つのアイテムを購入するとまたそれに合わせて買い足す、そしてまた数が増えていくというループに陥っていました。

黒を選ぶというルールがあることで買い過ぎ防止になります。手持ちのアイテムにも難なく合わせられるので失敗が無くなり、数を減らすことにも成功しました。

年齢が上がるにつれて鮮やかな色を着た方が顔映りがよいと言われることがありますが、私が憧れを持っているのは黒を個性的に美しく着こなす年を重ねた女性たち。周りの意見に流されず、自分の好きを貫くことの大切さも感じています。

1年分の衣類はすべてクローゼットにかけて見える化

洋服はウォーキングウェアなども含めて、全てクローゼットに吊り下げて見える化を行っています。かつて、衣類を様々な場所に散らばって収納していたときは、一目で数を把握することが難しく、うっかり似たようなものを購入してしまった…という苦い経験が何度もありました。

今の管理方法にしてからは無駄な買い物はなくなり、また数が少ないので、夫婦2人分の衣類1年分をクローゼットに収めることに成功しました。

春でもまだ寒かったり、秋になっても夏のような暑さが続いたり、年々日本の四季がはっきりしなくなっていると感じています。衣替えのタイミングも難しいため、今年の夏の終わりは数だけを見直してTシャツのみ引き出しの中へ。そのほかの衣類は洗って秋冬物と一緒にクローゼットにかけておき、1年分の服を見える化するという方法で管理を行っています。

ボトムスの数は少なくても問題なかった

昨年、1500円で購入した夏物のパンツを2枚、交互に1年間履き続けたらどうなるかという実験を行いました。テロテロとした夏向けの素材ですが、真冬は下にスパッツを履き、私が住んでいる雪国と言われる石川県でも寒さは充分にしのげました。

結果として、人から指摘されることは1度もなく、言われていないだけでなにか思われているかもしれませんが(笑)、どちらかと言えば、会話する際に目線の近くにあるトップスの方に触れられることが多かった印象です。さほど人は自分のファッションについて気にとめていないということを身を持って感じた経験でした。

私にとって洋服は優先順位が低いものなので、できる限り少ない数を管理していきたいと思っています。ボトムスの数を最小限にしてトップスで変化を出す。そんな小さな工夫が少ない服でもファッションを楽しむことにつながるのだと思います。

流行は追わずに自分の好きを大切にする

若い頃から流行を追って洋服を買ったことはなく、自分の好みに従って選び購入してきました。トレンドは毎年、だれかが計画的に生み出しているもの。その流れに乗るよりも、自分のなかにある好きを大切にして生きていきたいと強く思っています。

情報に惑わされることなく、ものを増やさない、持っていないことの引け目も感じない、結果として心の安定にもつながります。

好きだけでそろえたクローゼットになると、洋服の買い替えは基本的に大きく劣化してしまったときのみ。着られるのに新しいものを求めたりもしないので、ゴミを生み出さないことにもつながります。

飽きのこないベーシックなものとヴィンテージや民族的な空気を感じさせるもの、の半々で私のクローゼットは構成されています。