新ドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)の公式Xは、10月3日に投稿を更新。批判を浴びた出演者のコメントに対し、声明を発表するも……。(サムネイル画像出典:『きみの継ぐ香りは』公式Xより)

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女性同士の恋を描く新ドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)の公式Xは、10月3日に投稿を更新。批判を浴びた出演者のコメントに対し、声明を発表しました。

【実際の投稿:出演者のコメントに対し声明出す】

「発信内容に気をつけて参ります」

同アカウントは「ドラマ #きみの継ぐ香りは キャストコメントに関して」と題した1枚の画像を投稿。以下に全文を掲載します。

「10月1日(火)に公開したキャストコメントにつきまして、様々なご意見やご指摘をいただいております。当コメントは、『役者として演じきれるかどうか不安だ』という意図である認識のもと、公開に至りました。
ただし、誤解を与えかねない表現であるというご指摘についてはきちんと受け止め、ドラマ公式として、今後はよりいっそう発信内容に気をつけて参ります。
本作はキャスト・スタッフ一同丁寧に描き、多くの方に届けたいという姿勢はずっと変わりありません。
今後もドラマの放送を楽しみにしていただけますと幸いです」

事の発端は、俳優の星野真里さんと共にW主演を務める加藤ローサさんの「お話を頂いた時は、ほんの少しだけ抵抗があった私ですが、台本と原作を読んでいくうちに新しい私になるような、、、そんな感覚がありました」という、同性愛者を演じるにあたり“抵抗があった”とも取れるコメントを、同アカウントが発表したことです。

「『抵抗がある』の言い回しが持つトゲが痛かったですよ」

今回の声明に対しては「とりあえず公式がコメント出してくれてよかった」「ちゃんと反省できて良かった」と安堵(あんど)の声と共に、批判的な声も上がっています。

「この日本で性的マイノリティがどんなふうに無視され、日々どんなマイクロアグレッションに晒されているかという背景を少しでも知っていれば、皆が「些細なこと」で流せないと言うのももっともだと思いますよ」

「『丁寧に描く』という口で『同性愛』という単語だけは絶対使わないところにこのステートメントが如何に偽善かを物語っている」

「そりゃあのコメントを読んで、好意的に解釈しようとはした、『誤解です誤解』って言われるような気がして それでもずっと『抵抗がある』の言い回しが持つトゲが痛かったですよ」

「当事者じゃないからこそ、同性愛者を演じる事に対しての不安からくる抵抗だと私は捉えてたけど、説明不足だったのかもね」

「『役者として演じ切れるか不安』がなんで『抵抗があった』って表現になるんだよ」

「不安と抵抗だと言葉の意味全然違うよね」

「今回のこと、ローサさんだけの問題ではなく、ドラマスタッフ全体の意識の問題だと感じました」

日本で性的マイノリティが置かれている現状を鑑みれば、加藤さんのコメントも、それを“問題なし”と認識し公開してしまった制作陣の意識の甘さも、やはり多くの人にとって疑問があるようです。ドラマ『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』や『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』など、女性同士の恋愛を丁寧に描いた作品はここ数年で増えてきたため、『きみの継ぐ香りは』もファンから愛される作品になることができるのか、今後に期待したいですね。初回放送は11月8日21時25分からです。
(文:杉野森 樹莉亜)