12回、サヨナラ打を放った末包は、笑顔でナインとタッチをする(撮影・市尻達拡)

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 「広島3−2阪神」(27日、マツダスタジアム)

 4位・広島が延長12回に及ぶ激闘の末、今季4度目のサヨナラ勝利を収め連敗を4で止めた。これで9月は5勝目。平日ゲームの連敗も14連敗で止まり、9月は平日初勝利となった。3位・DeNAと1差になった。

 大ピンチを乗り越え、先制劇が生まれた。初回は先発・大瀬良が2死満塁とされるも、前川を一ゴロに打ち取って薄氷の無失点発進。この投球に奮起するように、初回の攻撃で2死二、三塁から坂倉が右前への2点適時打を放った。これがチーム4戦ぶり先制となった。

 大瀬良は七回に佐藤輝にソロを浴びて6回0/3を3安打1失点も、7勝目をつかんだ。守備では二回に菊池が木浪のゴロを横っ飛びでつかみ一塁へ素早い送球でアウトに。三回には森下のフェンス際への大飛球を中堅手・秋山がスーパーキャッチした。

 しかし、七回2死一、二塁の好機で秋山が桐敷に対して、カウント3−0から強行策でスイングを仕掛けてどん詰まりの左飛に打ち取られた、その直後の八回にハーンが2死二塁から森下に左前への同点適時打を食らった。

 2−2の九回は守護神・栗林が大ピンチをしのいだ。先頭・佐藤輝に安打されると、次打者・小野寺の犠打を一塁へ悪送球。失策で無死一、三塁にピンチが拡大するも、後続を断つ魂の投球を見せた。

 その後は両チームのリリーフ陣が奮闘をみせていたが、十二回に1死から野間が相手のエラーもあり、出塁。1死二塁から末包が劇打を放った。

 チームは9月1日時点で首位に位置づけ、貯金も今季最大の14を蓄えていたが、急転直下の大失速。試合前の時点で9月は4勝18敗だった。あと1敗で1993年9月以来31年ぶりとなる球団ワーストタイ記録の月間19敗目に到達する中、意地の勝利をつかんだ。これで4位・DeNAとは1差に詰めた。