身体がだるいのは「腎臓」に原因があった!食べると調子が整う「超身近な野菜」【かんたんレシピつき】

写真拡大 (全8枚)

慢性的に続く体のだるさや食欲のなさという不調は、「腎」が弱っているサインかもしれません。

腎は健康な体づくりすべての不調に関わる器官のため、腎が弱っていると不調の連鎖から抜け出せなくなってしまうのです。

そんな、体づくりの土台となる腎の整え方を教えてくれるのは、「食薬」の第一人者で、漢方薬剤師の大久保愛さん。“腎活”においてもっとも効果的な、「身近な野菜」があると大久保さんは言います。その野菜を使った簡単レシピを、『だるいの原因は腎だった! だる抜け ズボラ腎活』からご紹介しましょう。

「腎」は体のろ過装置

漢方医学の考え方から見た「腎」は、腎臓と副腎を合わせた全身に関連する働きを担っています。

副腎は、腎臓のすぐそばにある臓器。どちらも「腎」と付いていますが、働き方は違います。

まずは「腎」が正常に働いているかどうかを尿でチェックしましょう。判断の目安は、1日1回、クリアな色の尿が出ているかどうか。濃い黄色の尿が出るときは体内の水分量が少なくなっていて、腎臓だけでなく全身に負担がかかっている状態。これは、めぐらせる水分が不足し、腎の働きが落ちているということなのです。

さらに、いつもだるい症状が続いている場合は、食事や生活習慣の乱れから体に毒がたまっている状態です。「毒出し(デトックス)=腸」のイメージが強いですが、実際は、腸、肝臓、腎臓などが連帯して行っていて、最終責任者は腎臓です。

漢方医学で考える腎は、体内がクリーンなときに正常に機能する、生命力を蓄える電池のような役割をもちます。特に副腎は脳とも連動して働くので、腎の乱れは全身に影響を及ぼします。腎を整えようとすると、細胞1つひとつが元気になり腸、肝臓、腎臓、脳、すべてが整います。つまり、「だる抜け」することができるのです。

頑張らないことが健康への近道

健康のために何かをしよう! と思うと、過剰な食事制限を始めたり、毎日筋トレをしようとしたり、私たちはつい完璧を目指して「頑張って」しまいます。

しかし、腎活という観点から見ると、頑張るのは大間違いです。頑張るということは、力が入って、体が緊張して、ストレスがかかっている状態。強いストレスがかかると、ストレスと闘うべく脳が指令を出し、副腎からコルチゾールというホルモンを分泌します。

ただでさえストレスが多い現代では、コルチゾールが分泌され続けている人も多いもの。すると、コルチゾールを作り続ける副腎は疲弊してしまいます。副腎の疲れは婦人科系の不調につながったり、やる気が出ない、体がだるい、頭が痛いといった症状につながったりします。

頑張ることが苦手で、いつでもぐうたらしていたいというズボラさんのマインドは、裏を返せば腎活向きといえます。なぜなら無理に頑張ろうとしないことが、そのまま腎の健康につながるからです。「ただキャベツを食べる」という方法は、調理の手間もかからずおいしくて体にいい、といいことづくめ。運動や食事制限とくらべて、大きなストレスがかかりません。まさに頑張れない人に打ってつけなのです。

腎活は「キャベツ×塩こんぶ」を食べるだけ

いくら体にいいものを食べても、それをきちんと消化吸収できる体でなければ意味がありません。

キャベツは、胃腸を整える効果が高いのが何よりのポイントです。不溶性植物繊維が豊富で、便のかさを増やしてお通じを整えるほか、胃の粘膜を保護するキャベジン、肝臓にいいスルフォラファンを含みます。薬膳では、どんな食材も体を温めるまたは冷ます作用があると考えますが、キャベツはどちらでもないので体質関係なく食べられるのもいいところの一つです。

また、こんぶも食物繊維が豊富。それ以外にもフコキサンチンという、強い抗酸化、抗肥満作用をもつ海藻ならではの色素を含みます。抗酸化物質はつねに食べ方やストレスなどの影響を受けている腎臓をサポートします。

さらに、キャベツは体に炎症を起こし、かゆみやアレルギー症状などさまざまな不調をおこすと考えられている、漢方でいう「湿熱」を取り除く力があり、不調の根本からの解消に役立つのも、見逃せないポイントです。加えて食事の最初に食べれば糖質による血糖値の上昇も抑えられ、腎臓の鏡と言われる血管の糖化や酸化、副腎の負担も軽減できます。

キャベツと塩こんぶの組み合わせは、胃から腸、腎臓までまるっとケアできる「最強のコンビ食材」といえるでしょう。

3ステップで完成!「キャベツ×塩こんぶ」の作り方

腎活の最強食材であるキャベツを毎日手のひらひと盛り食べれば、運動も食事制限も必要ありません。ズボラ腎活にぴったりな「キャベツ×塩こんぶ」の作り方をご紹介します。

基本の「キャベツ×塩こんぶ」の作り方はとっても簡単です。キャベツをちぎって、袋の中で塩こんぶとあえるだけ。時間も手間もかからず、おいしくてヘルシー、健康的といいことづくめです。

<取り入れ方>

・毎日、最低両手の手のひらふた盛り分の塩こんぶキャベツを食べる

・食事のときは塩こんぶキャベツから食べる

・飽きたらキャベツ料理を食べるだけでもOK

<レシピ>

STEP1:キャベツをちぎる

外側の葉を取り、大きめにちぎります。外側から使っていくと痛みにくくなるというメリットも。ちぎるのが大変だと感じる人は包丁で切ってもOKです。

STEP2:塩こんぶとともに袋に入れる

キャベツ1/4個に対し、塩こんぶ大さじ1を加えます。Mサイズの密閉袋にぴったり収まるくらいの分量。朝昼晩(一日)で1袋食べ切るイメージです。

STEP3:しっかりともむ

キャベツに塩こんぶの味がしっかりからむよう、袋の上から全体をよくもみます。キャベツは繊維が多いので、繊維を壊すようなイメージで行うといいでしょう。

毎日作るのは面倒という人は、3〜4日分のキャベツをまとめてちぎって、密閉袋に入れて保存しておきましょう。栄養価を落とさないためにも水にはさらさないで。硬い大きめのキャベツも、こんぶとよくなじませ、少し時間を置くことで食べやすくなります。酸化が気になる人は酢やレモン汁をプラスしてください。

キャベツの一日の推奨摂取量がMサイズのフリーザーパックにぴったり収まるので、これを目安に、一日1袋を食べ切ることを目標にしてみましょう。

「キャベツ×塩こんぶ」のリメイクレシピ

一度にたくさん塩こんぶキャベツを仕込んで、毎日少しずつ食べていても、ときには外食が続いたりして「食べ切れなかった!」ということもあるでしょう。そんなときに活躍してくれるのが、塩こんぶキャベツのリメイクレシピ。調理次第で別の料理、そしてまったく違う味に変身します。

塩こんぶキャベツ自体にしっかり味がついているので、調味料も最小限でよく、あっという間にひと品完成。そのまま食べるのとはまた違ったおいしさを楽しむことができますよ。

<キャベツとスパイスの漬物>

大葉には気のめぐりをよくし、胃腸の働きを助ける働きがあります。ストレスが強いときに食べれば、副腎疲労もやわらぎます。

材料(2人分)

塩こんぶキャベツ…150g

大葉(刻む)…10枚

すりごま…大さじ1

みそ…小さじ1

クミン、ブラックペッパー…各適量

作り方

ポリ袋にすべての材料を入れ、手でもんでよくなじませる。

鶏肉と組み合わせて…

鶏肉は疲れやすい、無気力など、「足りない気を補う」食材です。タンパク質も豊富で肝臓の解毒を助ける効果もあります。

材料(2人分)

鶏ひき肉…150g

オリーブオイル…大さじ1

にんにく(薄切り)…2片

A--------------------------------------

酢、ナンプラー… 各大さじ1と1/2

塩こんぶキャベツ… 300g

----------------------------------------

B--------------------------------------

ブラックペッパー、七味唐辛子…各少々(好みで)

----------------------------------------

作り方

フライパンにオリーブオイルをひき中弱火で熱し、鶏肉、にんにくを炒める。火が通ったら(A) を加え、全体を混ぜ合わせる。器に盛り、好みで(B)をふる。

腎活・デトックスの重要性とその方法についてご紹介させていただきましたが、これらは長年にわたるお悩みを「キャベツの力によって解決した実体験」をもとに考察した内容です。この世界は、呼吸をし、食事をしているだけでも体に毒素が溜まってしまう。それを何も知らないままでは、体に毒素が溜まる一方であり、ミトコンドリアや内分泌系、免疫系、神経系などにも影響を及ぼし、元気でいるための体のしくみが壊されてしまう可能性もあります。

ここでは、もっとも手軽でコスパのよい腎活「キャベツ×塩こんぶ」をご提案させていただきましたが、ぜひ「こんな選択肢もある」と知っていただき、ご自身の治癒力を高めるための“健康習慣”のひとつとして、取り入れていただければ幸いです。

身体がだるいのは「腎臓」に原因があった!食べると調子が整う「超身近な野菜」【かんたんレシピつき】