NHK連続テレビ小説『虎に翼』の最終話が9月27日に放送され、26週・130回にわたる物語が完結する。テンポのいいストーリー展開、ヒロイン役の伊藤沙莉の好演などもあり、ドラマは大ヒット。SNSなどでも、大きな盛り上がりを見せた。

　しかし、である。Xでは最近、このような書き込みが目立つのだ。

《むむむ、「虎に翼」の失速ぷりが激しいぞ。どんどん話進めてるけど、どれもつまみ食いしてる感じだし、どれもそんな雑に扱っていいテーマではないと思うぞ》

《虎に翼、前半はちゃんとドラマしてたけど後半は箇条書きって感じ。歴代最高から最低までの振り幅がすごい朝ドラだと思う。逆に最初から最後まで失速しなかったドラマってすごいんだなって。描き切るには時間が足りなさすぎるのかもしれないけど》

《虎に翼、総じて面白く観られたけど、後半はやはり色々風呂敷広げすぎた感》

《どんどんつまらなくなる　もう最終週なのに失速しすぎ》

　視聴率は、4月から5月までは週平均で16％台で推移し、6月以降は概ね17％台をキープ。8月26日から30日の第22週の平均は17.58％で番組最高を記録した（世帯平均、ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同）。ところが、第25週（9月16〜20日）は16.32％と急激な落ち込みをみせ、最終週の9月23日は15.6％、24日は16.7％と、やや落ち込み気味だ。

　では“失速”の原因は何か。

「SNSなどの書き込みで多いのは、『後半になって失速した』『前半はあんなにおもしろかったのに』という意見です。おおむね、寅子が判事になり、新潟に赴任するあたりからでしょう。それまでは勝ち気な寅子が、時には挫折しながらも我が道を突き進む痛快なストーリーでしたが、そこから自分の家庭の問題など陰鬱な話が多くなり、テンポが一気に落ちた印象があります。

　さらに、原爆裁判や同性愛、民族差別、尊属殺人、事実婚などのテーマを次々と盛り込んでいったことで、ドラマは重苦しい展開になりました。あまりに痛快だった前半と後半とのコントラストが大き過ぎて、視聴者がついていけなくなったのかもしれません」（芸能担当記者）

　もちろん、後半の物語を高く評価する意見も多く、Xでは次のような声が上がる。

《本当に、ここまで社会派に振り切って、朝から延々考えさせられる朝ドラを見られる日が来るなんて…面白い半年間でした、ありがとう（まだ終わってない　個人的にはカジュアルな前半より、答えのない問いに延々悩ませてくれる後半が好きです》

　とにもかくにも、間もなく最終回。どのように着地するのか見届けたい。