「家が燃えているの!」コミケ当日に実家が全焼した”コスプレ美女”に訪れた悲惨な現実「土地を売っても数十万円にしか…」

写真拡大

 コスプレイヤーとしてコミックマーケットに参加した当日に実家が全焼したという、ミンミコ。

【特別グラビア】セクシーすぎる…美女コスプレイヤー・ミンミコさんの“大胆なコスプレ姿”をすべて見る

 そんな彼女に、実家が燃えているなかでコスプレをしていた心境、実家全焼後の混乱、父の会社が傾いたことによる困窮状態生活などについて、話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)


コスプレイヤーのミンミコさん ©三宅史郎/文藝春秋

◆◆◆

コミケ当日に母から電話が来て「家、燃えているの」と…

――コミケ当日の明け方に、母親から実家が燃えていると知らせが。

ミンミコ 母から電話がかかってきたのが、2023年12月30日の午前4時で。30日のコミケで「ドラゴンクエストIV」の女勇者のコスプレをするので、その日は3時まで武器とかいろいろ作ってたんですよ。で、作り終わって「寝るか」ってタイミングで、母から電話が来て「家、燃えているの」って告げられて。

 第一声がそれで、「いまね、家が燃えててね、お母さん、おじいちゃんを連れて家から出てきたの」って続いて。寝ぼけて電話してきてるのかなと思ったんですけど、「カンカンカン」って聞こえてくるんですよ。

――消防車の警鐘がバックに流れていた。

ミンミコ カンカン鳴ってるから「エッ」と思って。実家は母方で、大阪の羽曳野市にあったんですよ。で、Xで検索したら実家の近所がガンガン燃えてる写真と動画がメッチャ出てきて。「ああ、ほんとに燃えてるんだ」って。

――ご実家が燃えただけではなかった。

ミンミコ 一帯。17軒燃えました。

「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と背中を押してくれた

――時間的にもアレですけど、ミンミコさんは東京にいるから、すぐにどうこうできないですよね。

ミンミコ どうしたらいいかわかんなかったけど「そっちに行ったほうがいい?」って聞いたら「これから、みんなで公民館に移動するの。このへん燃えちゃってるから、来てもらっても泊まるとこないと思う」と言われて。で、「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と。

――背中を押してくれた。

ミンミコ 母は「燃えた家はもう返ってこないんだから自分のやるべきことをしなさい! ドラクエIVのコスプレをして家燃えたっていったらバズりそうじゃない?」と言ってくれました。

「お母さんたちは大丈夫だよ!」って安心させようと思って言ってくれたんだと思います。

コミケ帰りの電車で涙を流したワケ

――火元は近所ですか。

ミンミコ 数軒先の家で、その家の人がケータイを充電してたら、コンセントから火が出たそうです。近所の人たちで水をかけたりしてたみたいですけど、どんどん燃え広がっちゃったみたいで。30日の4時から13時まで、9時間ぐらい燃えてたみたいです。

――お母さんから「コミケ、行ってくれて大丈夫だから」と言われてコミケでコスプレをしても、心中穏やかなわけがないですよね。

ミンミコ 電車で会場の東京ビッグサイトに向かう途中、母からビデオ電話で次々と報告が届くんですよ。「誰々さんの家が燃えている」とか「寒い」とか。それを聞いたら、泣きそうになってきて。

 泣くのをこらえながらポーズを取ったりしてたんですけど、こらえようと目に力を入れてたのが、キリッとした感じになってたみたいで。写真を撮ってくれた方に「目つき、いいねえ」って褒められましたけど。

 帰りの電車では、もう我慢できなくて泣いてました。

住む家がなく知り合いの家に居候

――火災保険などには。

ミンミコ おじいちゃんが、なぜか火災保険を解約しちゃってたんですよ。おばあちゃんが亡くなったときに解約していて。

――全焼ですから、住む家がないわけですよね。

ミンミコ 引っ越す家を探していたんですけど、おじいちゃんが老人性せん妄になっちゃって。お母さんがつきっきりで、働くこともままならなくて。また、探そうにも正月に入っちゃってるから不動産屋も休みで。

 そういうのが重なって動けないので、しばらく公民館にいたんですけど、1週間で出なくちゃいけないらしくて。12月30日に火災が起きたのに1月7日に公民館を出ろって言われたんですよ。5月くらいまで知り合いの家に居候させていただいて、ようやく市営住宅に入れたんです。でも、その市営住宅が12階建てでエレベーターがないという。おじいちゃん、91歳なんですよ。

――ただでさえ高齢だし、せん妄が起きてしまっているという。やはり、ストレスが原因ですか。

ミンミコ そう。ストレスみたいですね。おじいちゃんとおばあちゃんが結婚してからずっと住んでた家で、おじいちゃんがずっとつきっきりでおばあちゃんの介護をしてたし。だから、ものすごく思い入れがあった家なんですよね。人生を捧げた場所というか。それが一晩で燃えて無くなっちゃったんで。

 最近も背骨を折ったり、肩甲骨を分割骨折するし。もともと耳も遠くて、補聴器をつけていないといけないしで。

実家の土地は売っても十数万にしかならないと言われ…

――お金のほうも大変なのでは。お母さん、おじいさんにつきっきりで働けないですし。

ミンミコ 落ち着くまで、生活保護を受けようって申請したんですけど、おじいちゃんが年金を受給してるからダメなんですよ。おじいちゃんの年金をメインにしつつ、私も多少ですが仕送りしてますけどね。

 まぁ、なんとか暮らせてはいるかな。市営住宅の家賃は3万円ぐらいだし。でも、心配ですよね。パニックを起こしたり、骨を折ったりしてるんで。

――実家の土地の権利は。

ミンミコ まだ持ってます。売りたいんですけど、細長い土地で、一戸じゃ全然値段がつかなくて。土地の権利書とかを見たら、家の前の道路が私道だったらしくて、売れないタイプの土地なんですよね。

 しかも坪単価がものすごく安いのに、6坪とか7坪とかしかないんで。査定してもらったら、売っても十数万にしかならないと言われてビックリしましたね。

 もう本当に、この世の終わりみたいな感じです。

実家は繊維系の会社をやっていて裕福だった

――ミンミコさんも、その母方の実家に住んでいたわけですよね。

ミンミコ おじいちゃん、母、私で住んでました。私は2022年に母と一緒に東京に出てきたんですけど、おじいちゃんの体調がよろしくないということで、2023年に母は実家に戻って。そして、その年の年末に火事になったという。

――ご家庭は元々、裕福だったそうですね。

ミンミコ 父方のおじいちゃんが繊維系の会社をやっていたんですけど、私が生まれる前にそのおじいちゃんが亡くなって。それで父親が2代目になったんです。

 当時は会社兼自宅みたいな建物に、父方のおばあちゃん、父、母、私の4人で住んでました。3階建てで、1階が会社で、2階に3部屋、3階も3部屋だったかな。住居部分は、5LDKか6LDKぐらいありましたね。

――いつぐらいから、自分の家が裕福だなと感じましたか。

ミンミコ 小学校のときに友達の家に遊びに行くと、出てくるお菓子がうちとは違うなって。うちは得意先の方々がお菓子を持ってきてくれることが多くて、それがスーパーとかでは売ってないもので。

学校行事や修学旅行に参加しなかった学生時代

――家族旅行などは海外が多めだったり。

ミンミコ 小学校の頃までは行ってましたね。

 私、奈良時代の副葬品とかが好きで、シルクロードを通って日本に渡ってきたものを見ては「これはこの国のあの系譜を汲んでるから、それを見に行きたい」とか親に言って。

――副葬品が好きな子供って渋いにも程があると思うのですが、他人から「浮いている子」扱いされていたりは。

ミンミコ どうですかね。馴染んではなかったと思います。とりあえず、学校はあんまり好きではなかったです。学校行事に行かないマンで。高校の修学旅行も行かなかったですね。

 運動会で赤組と白組で競うとか、生徒を赤白で半分にした時点で引き分けでいいじゃんと。そう思って、出ませんでした。

――勉強のほうは。

ミンミコ 勉強はそこそこできました。

「大学受験、ちょっと無理かもしれない」

――高校生の頃に家業が傾いたそうですが、予兆みたいなものはあったのですか。

ミンミコ 親から「大学受験、ちょっと無理かもしれない」って言われたんです。それも高3の5月か6月、受験期の真っ只中に言われましたから。あまりに唐突で「え、もう1回言って」みたいな。

 でも、フラグは立ちまくってたんですよ。そういえば旅行に行かなくなったなとか、お母さんがパートに行きだしたとか。あと、家を手放して1軒になっちゃったなとか。

 うち、家が2軒あったんですよ。両親が結婚したときに、父方のおじいちゃんが戸建てをくれたらしくて。なんか、トイレが壊れて、ガムテープでドアにバッテンしてあって、そのままにしてたんです。「あ、直さないんだ」と思って。

――普通にあったものが、消えていった。

ミンミコ あるとき郵便受けを見たら、私の学資保険や母の生命保険とか、いろいろ解約したっていう書類が届いていましたね。

――大学進学は奨学金でなんとか、みたいな話は。

ミンミコ 父がやってた会社が、給料でてないのに出てることになってたんですよ。それで世帯として年収が高いと判断されて、ダメだったんです。

 おばあちゃんも一緒に暮らしていたんですけど、要介護4の認知症で大暴れしまくっていて。

 家がメチャクチャになっているのに、父親はずーっとゲームをしていて、なにもしないんですよ。私とお母さんがいるのに、平然とAVも見ていましたから。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

“無職の父”は家族がいるのに自慰行為、“認知症の祖母”は糞尿まみれで大暴れ…美女コスプレイヤーが語る、学生時代の過酷すぎる家庭環境〉へ続く

(平田 裕介)