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 自民党総裁選(27日投開票)に立候補した小泉進次郎元環境相が22日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に生出演。中国で相次ぐ日本人襲撃について言及した。

 中国広東省深センで18日に日本人学校に登校中の男子児童(10)が刺殺された。この日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年に当たり、反日感情が高まっていたことなどから日本人を狙った犯行との見方が出ている。

 地元紙、深セン特区報(電子版)は20日、警察が「偶発的な事件」と判断したと報じたが、制服で登校する地元児童と違って私服の日本人児童は容易に見分けが付くため、日本側では容疑者が日本人児童を狙ったとの見方が強まっている。政府関係者は、男児の家族と容疑者は面識がないとみており、個人的な恨みが動機の可能性も低そうだ。6月に江蘇省蘇州で日本人母子らが中国人の男に切り付けられた事件の際も、中国政府は「偶発的な事件」と判断している。

 フジテレビ政治部長で解説委員の松山俊行氏が「6月の襲撃事件で当局はその当時、偶発的な事件という説明を行っていた。今回の件についても個別の案件、事件だということで、同種の事件はどの国でも起こり得るという説明を中国当局はしています。こうしたことを、この見解をそのまま受け入れていいものかどうか、このあたりどう考えていますか?」と質問。

 小泉氏は「私は受け入れてはならないと思いますね。まずこのような案件はどこの国でも起こり得るって、起こりません。事件は、それは起こり得るかも知れませんが、その後の対応、それはもしも日本で起きたら…例えば6月の事件、これについても、いまだ満足いく回答がありませんし、詳細な説明は警察からありません。これは日本の警察ではあり得ないことです」と指摘し、「ですので、まずこういったことがどこの国でも起こることではない」と強調した。

 そして、「何よりも今回、お子さんがお母さんと歩いている時に殺されている。私も2児の父ですけれども、親の気持ちを考えたら、もう言葉を失う。今、心のケアをどうするのか、そういったことも外務省はやらなければいけませんし、何よりもこれは中国側にこういったことが起きるってことは、中国にとっても投資の誘致とか今後の関係含めて対日というだけではない。これ米国の教師もかつて殺されてますからね。このことを含めた時に世界全体が中国という国はどういう国かということを見る一つのケースだと思って、これは真剣な対応を求めたいですね」と自身の考えを述べた。

 ここで松山氏が「日本企業の関係者なども今回の事件、一連の事件を受けて、例えば家族を日本に戻そうとか、あるいは企業の進出そのものをやめようという動きがすでに始まっているようですけれども、この日中関係の悪化、これを食い止めるためには、じゃあ今、何ができるのか。ここはどう考えます?」と聞くと、小泉氏は「私は高いレベルからのメッセージが必要だと思いますね。今、処理水のことも改善に向けて動きつつあるとは言いますが、処理水の問題とこの事案で詳細を説明しないというのは取引じゃありませんから。これはこれです。ですので今後の日中関係、改善を必要だと、この地域の平和と安定のためには日中関係の安定というのは戦略的互恵関係の推進も含めて必要だという思いを、この機会に中国サイドから明確なメッセージが必要だと思いますね」と述べた。

 番組には、石川県での大雨に対応するために欠席した林芳正官房長官を除く8氏が生出演。ほかに田村憲久政調会長代行が林氏の推薦人代表として出演した。