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 ◇セ・リーグ 阪神6ー5DeNA(2024年9月21日 横浜)

 【記者フリートーク】球団7人目の500試合登板に到達した岩崎の貢献はマウンド上だけにとどまらない。キャリアを重ねるごとに立場も変わり、近年は若手への助言も惜しまない。昨年1月、地元・静岡での合同自主トレ期間中に後輩たちに言った。「人の投球は見た方がいいよ。味方の攻撃も相手の投手目線で。客観視できるし、それをマウンドに持っていってもいい」

 直接、背中を強く押されたのが高橋だ。21年はキャンプ中に右脇腹を痛め、左手首の脱力感にも悩んでいた。ブルペンでも「感覚が良くない…」と投げ込みを断念。後日、食事の席で首をかしげる後輩に岩崎は「とりあえず投げてみたらどうですか?ダメだったらまた戻ってきたらいいじゃないですか」と独特の口調で提案。翌日、100球を投げ込む高橋の姿があった。

 「自分でつかんだものは忘れないので、その手助けになれば」と答えのすべてを教えないのが流儀。岩崎のかける言葉は、チーム力向上の隠し味となっているのかもしれない。 (阪神担当・遠藤 礼)