「業界内では有名な、いわくつきマンションなんですよ…」一等地なのに家賃4万5000円の”格安物件”、不動産屋がかたくなに隠そうとする「恐ろしすぎる過去」

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殺人事件に巻き込まれる。なんらかの事情で自ら死を選ぶ。これら悲しい出来事が賃貸物件で起こってしまうことがある。たとえ部屋がキレイに清掃されたとしても、その後の入居者は不安や嫌悪感を抱きがちだ。

不動産業界ではこうした物件を「事故物件」と呼び、なかには心霊現象が多発する禍々しい物件も存在するというから恐ろしい。普通ならまず選ばない代物だ。

しかし、そんな物件にあえて住む稀有な人間がいる。「事故物件住みます芸人」の松原タニシさんだ。タニシさんが原案を担当した漫画の『ボクんち事故物件』(漫画:宮本ぐみ/竹書房)は、事故物件暮らしのリアルを描いた話題作。ネットでは知り得ないディープな情報やエピソードが満載だ。

「事故物件の企画やらん?」

そもそも、このような酔狂な生活を始まったのは、『北野誠のおまえら行くな。』という番組のトークイベントへ参加したことがきっかけだった。

この日、タニシさんが怪談話を披露すると、「ピチャン、ピチャンと水の音が聞こえていた」と不可解な現象を訴える観客が続出。それを面白がった北野さんから「事故物件の企画やらん?」と提案を受けたのだという。

「最初は冗談かと思っていました……。でも本当に番組の企画としてやるという話だったので、芸人として覚悟を決めました。誰もやったことがないならやってみようという気持ちでしたね。ただ僕自身、それまで一度も心霊現象を経験したことがなかったんです」(松原タニシさん)

過去に凄惨な事件が…

その後、事故物件の情報を得たタニシさんは不動産屋を訪れる。しかしマンション名を出した途端に担当者の態度が急変。タニシさんによると、以下のような押し問答が始まったという。

不動産屋「ここよりいい物件があるんですが」

タニシ「いや、この物件でお願いします」

不動産屋「僕が友人に紹介するなら絶対こっちの物件にするんですが」

タニシ「いや、この物件でお願いします」

不動産屋「誰がどう見てもこっちの方がいいじゃないですか」

タニシ「いや、この物件でお願いします」

不動産屋「なぜこの物件じゃないといけないんでしょうか?」

タニシ「ここに住まないと先輩に怒られるんです」

とうとう根負けした不動産屋は、過去にマンションで起こった”とある凄惨な事件”の存在を明かす。ただそれ以前から、女性の霊の目撃談や怪奇現象が後を絶たず、いわくつきのマンションとして業界では有名なのだという。

それでも番組の企画を成立させたいタニシさんは「ここに住みます」と即答。その後も不動産屋の説得はネチネチと続いたが、最後はなんとか契約を済ませることができた。大阪の一等地に建つこのマンションは、10畳ワンルームで家賃4万5000円。いわゆる格安物件だった。

「ちなみに事故物件を避けたければ物件の備考欄をまず確認してください。他殺や自殺が発生した場合、『※告知事項あり』という表記があります。ほかにも、相場に比べて家賃が安過ぎる、敷金礼金0円キャンペーンや初期費用◯%引きなどの過剰な値下げサービスが実施されている、なども目安になります。なにかしらのネガティブ要素を抱える物件の可能性が高いです」(タニシさん)

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