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 ◇大相撲秋場所14日目(2024年9月21日 両国国技館)

 1敗で十両単独首位の尊富士(25=伊勢ケ浜部屋)が嘉陽(25=中村部屋)に敗れて12勝2敗となった。

 立ち合い、ここまで13日間見せていた鋭い当たりではなかった。立ち合い変化も繰り出す相手に対し「どう来るかなとは思った」と少し迷いが生じた。相手の狙い通りのもろ差しを許し、左上手を取って強引に投げにいくもそのまま寄り倒された。

 同学年で日体大出身の嘉陽とは、日大4年時の全国学生選抜大会個人戦1回戦で対戦してはたき込みで敗れていた。それだけに相手の引き足は警戒していたようだ。「(相手が)思った以上の立ち合いをしてきたので…」。後ろに下がっての黒星は、ここまでプロ95戦のうち春場所14日目の朝乃山戦に続いて2度目のことだった。

 自身の取組後は、3敗で追う千代翔馬(33=九重部屋)の結果次第では十両優勝が決まる可能性があったが、結果を見ず「明日の一番で良い相撲を取るだけ」とコメントを残して国技館を後にした。

 その後、千代翔馬は朝紅龍(25=高砂部屋)に敗れて4敗目。2差がつき、尊富士の優勝が決まった。1年間のうちに十両優勝→幕内優勝→十両優勝を経験するのは史上初の珍事だった。