大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

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 51号弾はGuilty(有罪)? or Not Guilty(無罪)?

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 19日のマーリンズ戦で前代未聞の「51ー51」を達成した大谷翔平(30)。その51本目に“疑惑”である。

 メジャーリーグには数々の不文律の掟、いわゆる「アンリトンルール」がある。例えば、

・大差で勝っているチームは盗塁をしない

・ノーノーや完全試合阻止のためのバント禁止

・派手なガッツポーズや本塁打を打った際のバット投げの禁止

・乱闘の際は全員が参加しなくてはならない

 などなど、無数ともいえるルールがある。

 特に厳しいのは、相手を侮辱したと思われた場合だ。当事者が打者ならば、報復死球がセオリー。今季もブルワーズのシリが本塁打を放った際、すぐに走らず“確信歩き”をし、次の打席で死球をぶつけられた。

 日本人メジャーリーガーでも日本ハムの新庄監督はメッツ時代の2001年、8点リードの八回にカウント3−0からフルスイング。空振りだったものの、翌日の試合で死球をぶつけられた。これは「大差の試合の終盤、勝っている側はカウント3−0から打ちに行ってはいけない」という、なんとも細かいルールに触れたからだ。

 そこに行くと大谷である。51号を打ったのはドジャースが14ー4と大量リードして迎えた九回。しかも、マウンドに立っていたのは内野手のブルーハンだった。大差で、しかもストライクを取るのもおぼつかない野手が、2ボールナッシングから投じた高目のボールを「待ってました」と言わんばかりにフルスイングしたのだ。

 果たしてアンリトンルール破りとして報復の対象となるのか。

 大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏は「なるかならないかで言えば……」と、こう話す。

「ならない、でしょうね。確かに野手が登板する時は大差がついているので、打者も手を抜くことが多い。ニコニコ笑いながら空振りをする選手もいる。大谷も野手を相手にするときは本気でスイングをしないことが多い。ただ、こうした不文律はその場の雰囲気や流れ、勢いで問題視されないことも多々あります。エンゼルスのレンドンは右打者ですが、野手が登板した時に左打席に立ち、ホームランを打ったことがある。この時も『すごい!』という声が大半で、むしろお祭り騒ぎになったほどです。今回は大谷の記録もあったので、問題視されることはないでしょう」

 報復死球の心配はなさそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 最高のシーズンを送る大谷に、ポストシーズンへの懸念点がある。イチローやカブレラ、ジャッジなどレジェンドたちも同様の問題で苦しめられたという。いったいどういうことか。大谷の「敵」とは。

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