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 ◇大相撲秋場所13日目(2024年9月20日 両国国技館)

 序ノ口の土俵で、幕下経験者の2人がともに長期休場明けの復帰戦に臨んだ。西序ノ口12枚目の豪ノ湖(20=武隈部屋)と西序ノ口5枚目の雷鵬(27=伊勢ケ浜部屋)が対戦。豪ノ湖が相手を中に入れさせず、一気に前に出て押し出した。

 元高校横綱の豪ノ湖は、2023年初場所で初土俵。順調に番付を上げて同年九州場所で幕下昇進を果たしたが、今年の初場所中に左膝に大ケガを負った。2月に手術を受け、3場所連続全休で序ノ口まで番付を下げた。「まだ全然治ってない。本調子ではない」としながらも、246日ぶりの土俵でまずは復帰への第一歩を記した。

 雷鵬は、体重90キロ台の小兵ながら幕下で活躍。同部屋で同じ小兵の炎鵬や川副に続く関取昇進が期待されていたが、今年の初場所中に左膝前十字靱帯断裂の大ケガを負った。手術と長期間のリハビリを経て、名古屋場所の番付発表翌日の7月2日にまわしを巻いての稽古再開。四股やすり足などの基礎運動から徐々に再開していき、実戦稽古はまだできていない中で復帰戦を迎えた。

 239日ぶりに土俵に上がる復帰戦の相手が、同じ初場所で同じ左膝を大ケガした豪ノ湖。一方的に敗れた雷鵬は「まだ怖い。全然ダメです」と振り返った。リハビリ中に上半身のトレーニングや増量にも励み、体重は106キロまで増えた。この日は左膝にサポーターを施していたが「何も着けないで復活するのが目標」とケガする前と同じように戻ることを目指している。

 長期休場で序ノ口まで番付を下げた力士が、番付外に落ちるのを避けるために7番相撲だけ出場というのはよくあること。しかし、同じ境遇の2人が復帰戦でいきなり対戦するというのは珍しいケースだった。ともに来場所は初日から出場して本格復帰する予定。幕下経験のある実力者が、再出発の一歩を踏み出した。