トランプ陣営“暗殺未遂は民主党のせい” バンス氏「誰もハリス氏を狙わない」

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 2度目の暗殺未遂を受けたアメリカのドナルド・トランプ前大統領が、民主党側を攻撃する姿勢を強めています。

【画像】バイデン大統領「絶対にあおってはなりません」

■不満を募らせるトランプ支持者トランプ前大統領
「私は友人の数人とゴルフをしていた。突然、空に向けて発砲する音が聞こえた。4発か5発だったと思う。シークレットサービスは、すぐに銃弾だと判断して、私をつかんだ。そして、みんなでカートに乗り込み、その場を離れた」

 暗殺未遂事件から一夜明け、当時の緊迫した状況を自ら説明したトランプ前大統領。

 トランプ氏の暗殺を試みたとされるライアン・ラウス容疑者(58)は、およそ12時間前から、現場近くの茂みに潜んでいました。

 シークレットサービスが安全確認をしていたところ、銃を構えたラウス容疑者を発見。発砲しました。

 容疑者は発砲していないため、トランプ氏が聞いた銃声は暗殺者に狙われた音ではなく、シークレットサービスに“守られた”音でした。

 ただ、トランプ支持者らは不満を募らせます。

トランプ支持者
「(7月の)ペンシルベニアの事件以降、セキュリティーが強化されていたのにこれだ。さらにクレージーなことになるだろう」トランプ支持者
「彼に大統領になってほしくないんだろう。政府が関与しているのではないか。起こりえない偶然が多すぎる」■一連の動きは…トランプ陣営の追い風に?

 大統領選まで2カ月切ったなかで、再び起きた“暗殺未遂事件”。容疑者の動機はまだ分かっていませんが、トランプ陣営からは、事件をハリス陣営のせいにして支持固めに利用するような動きもあります。

トランプ前大統領(SNSから)
「アメリカが憎悪と中傷と不信の新たな次元に達してしまった。左派の言説によって銃弾が飛び交い、事態は悪化するばかりだ」共和党 副大統領候補
バンス上院議員
「保守とリベラルの大きな違いは、誰もハリス氏を狙わないのに、トランプ氏を狙う人間がこの2カ月で2人も出てきたことです。これは左派が暴言と馬鹿なまねを止めるべきだという明確な証しでしょう」

 そのバイデン大統領は、こう述べました。

バイデン大統領
「アメリカは多くの暗殺という悲劇に見舞われましたが、国を引き裂くだけです。我々はこれを全力で食い止め、絶対にあおってはなりません」

 現在、大統領選は拮抗(きっこう)しているものの、トランプ陣営がやや劣勢。一連の動きは、トランプ陣営の追い風になるのでしょうか。

上智大学 前嶋和弘教授
「今のアメリカは過去にないほどの分断と、過去にないほどの民主党勢力と共和党勢力の拮抗状態。今回の銃撃事件が何らかの形で激戦州の無党派、特に共和党寄りのほうに影響するなら、無視できない動きかもしれない。オクトーバーサプライズ(10月のサプライズ)という話はあるが、セプテンバーサプライズ(9月のサプライズ)になっていく可能性がある」

(「グッド!モーニング」2024年9月18日放送分より)