「日本割安成長株投信」(同社HPから)

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【マネーの教科書】

株式市場の暴落は「歴史の転換点」を示唆? 中ロは世界の多数派を形成へ

 株価が10倍になる「テンバガー」は、投資家にとって夢ともいえる。しかし、実際にテンバガー銘柄を探すのは、簡単ではない。そんな中で誰でもテンバガーを狙える投資信託(投信)が登場した。フィデリティ投信の「フィデリティ・マゼラン・米国成長株ファンド」だ。

 フィデリティ・マゼラン・ファンドは、米著名投資家のピーター・リンチがポートフォリオ・マネジャーとして1977年から90年まで運用を担当し、好成績を残したことで知られている。実際の運用成績は、63年の設定から2024年6月末までに8085倍(年率15.8%)となっている。同期間のS&P500が366倍(同10.1%)であることを考えると、いかに好成績かがわかる。

 新しい投信は、このファンドと同じ手法で運用されるETF「Fidelity Magellan ETF」に投資する。同ETFは現在、国内証券では購入できないため、今回の投信が唯一の投資方法といえる。

■隠れた成長企業を発掘

 実際に高いリターンが得られるかどうかは今後の運用次第だが、同じようにテンバガーをキーワードにした日本株投信も設定されている。同じくフィデリティ投信の「フィデリティ・日本割安成長株投信(テンバガー・ハンター・ジャパン)」だ。1989年から運用する「フィデリティ・ロープライス・ストック・ファンド」と同じ運用戦略を用い、隠れた成長企業を発掘する。

 同ファンドは、200銘柄程度の日本株に投資しているが、その実績だけを取り出してみると、2004年12月末から2023年9月末まででTOPIXの約2倍、日経平均の約1.5倍の実績を残している。

 テンバガー・ハンター・ジャパンは今年1月から運用が始まっている。アクティブ投信を選ぶ際には、インデックスと比べて運用成績がどうかを確認することが大事になるが、「みんかぶ」の投信サイトを利用すると、簡単に比較が可能だ。それを利用して9月9日までのリターンを見ると、日経平均がプラス1.2%であるのに対し、投信はプラス7.3%となっている。投信はプロに運用を任せる商品だが、インデックスを上回るリターンが得られてこそ、その価値があるといえるかもしれない。

(向山勇/ジャーナリスト)