9月13日(金)放送の「沸騰ワード10」は、名字研究家・郄信幸男さんと、日本一の品揃えを誇るハンコ屋・秀島徹さんの「名字頂上決戦」を放送。 

前回、記念すべき20回目にして6年半越しに悲願の初勝利を飾った郄信さん。その4か月後のリベンジ対決!今回も、ルールはいつも通り。郄信さんが珍しい名字をフリップに書き、ハンコがある場合はその名字、なかった場合は、降参の判を押すというもの。

北海道の珍名「鱈場(*)」

第1問、郄信さんが書いたのは「鱈場(*)」という名字。

北海道から徳島まで2500kmを駆けずり回って見つけた渾身の珍名だ。

※鱈の魚偏の下は、本来“大”です。



全国にわずか4軒しかないという激レア珍名に、秀島さんは降参。



「鱈」がたくさん取れる場所を漁場にした漁師が、名字を戸籍に登録する際に4つの点を省略したと考えられる(郄信さん調べ、諸説あり)。





移住で生まれた珍名「幾良」

第2問は「幾良」。北海道に3軒しかない珍名だ。



秀島さんが押したのは…



再び降参!

元々本州に住んでいた伊倉さんが北海道に移住した際に現地の人に「いく・ら」と発音され漢字を変更したそうだ。(郄信さん調べ、諸説あり)



たとえば、他に北海道に移って読み方が変わった例に東海林(しょうじ)さんがある。元々は山形県で「とうかいりん」と名乗っていたが、北海道などに移り住み、寺の掃除などをする「承仕法師」としてつとめているうちに、いつの日からか「しょうじ」と呼ばれるようになったという。(郄信さん調べ、諸説あり)

東北に1軒だけ「庭鳥島」

第3問は「庭鳥島」。郄信さんが調べたところ、全国に1軒しかないという珍名。青森県に存在する。



秀島さんが押したのは…



なんと3連続で降参。

読み方は「にわとりじま」。屋敷内の島に見える丘に鶏が住んでいたことから庭鳥島を名乗ったという(郄信さん調べ、諸説あり)。



元々名字は西日本を中心に広まったため、長い歴史を経て自然と特定のメジャー名字に集約されてきたが、人の出入りが少ない東北の山間部では、比較的新しくできた独自の名字が今も多数残っているのだそう。

おとぎ話由来の「鬼屋敷」

第4問で郄信さんが出したのは「鬼屋敷」。ディズニーランドを訪れるため全国からたくさんの人が集まる舞浜駅前で聞き込みをして見つけた、三重県の珍名だ。



全国にわずか3軒しかない、あの有名なおとぎ話にまつわる激レア名字。秀島さんの結果は…?



今回のリベンジ対決で初の1勝目!

元々鬼の字は、九鬼さん・三鬼さんなど強さの象徴とされ、その名に鬼がつく人々が住む家の大家が「鬼屋敷」(きやしき)と名乗ったという(郄信さん調べ、諸説あり)。

ちなみに昔話「桃太郎」に登場する鬼は、この鬼屋敷さんの家に住んでいた一族がモデルと言われているそうだ。



公家の名を継ぐ「万里小路」

第5問は「万里小路」。



秀島さんは読み方を瞬時に「までのこうじ」と当ててみせた。しかし、問題はハンコがあるかどうか!結果は…?



旧字体が一般的な名字であるにもかかわらず、常用漢字の「万」を使った「万里小路」のハンコを掘っていた秀島さん。

京都の万里小路と呼ぶ通りに家があった公家が由来で、鎌倉時代より受け継がれる由緒ある名字だという(郄信さん調べ、諸説あり)。



ちなみに、綾小路など京都の通りが由来の公家の名字は10個存在するという。



皇居守衛の誇り「柏櫓」

第6問は「柏櫓」。新潟県の珍名で、天皇家に仕えてきた由緒正しい名字。



秀島さんは「柏櫓」のハンコを持っており、ここで3勝3敗の同点に追いついた。



読み方は、「かしやぐら」。柏の木には神が宿ると考えられ、それを守るやぐらは皇居守衛の任に当たる兵衛を意味する。皇族を守る仕事をしていた者が名乗った名字だそう(郄信さん調べ、諸説あり)。





村の境の神様「才元」

第7問は「才元」。全国にわずか12軒しかない珍名だ。



結果は…?



親子2代にわたって100年近くハンコを彫り続け、父親が掘った「才元」のハンコを無事に発見。ここで秀島さんが逆転に成功。

読み方は「さいもと」。才は村の境目などに祀られる「塞の神(さいのかみ)」が由来。その近くに住んでいたことから才元となったという(郄信さん調べ、諸説あり)。



地形が生んだ「湾洞」

第8問は「湾洞」。郄信さんが徳島で見つけた、全国にわずか2軒の名字だ。



実は、湾が名字で使用されるのは大湾さんや小湾さんなどごくわずか。

秀島さんは…



「湾洞」のハンコを持っており、さらにリードを広げる。



読み方は「わんどう」。湾にあった洞窟状の地形の近くに住んでいた人が名乗った名字だそう(郄信さん調べ、諸説あり)。

お金持ちの証「貳百免」

第9問は「貳百免」。舞浜で出会った、全国にたった3軒の広島の珍名だ。



日本一の品揃えを誇る棚を丁寧に探し…秀島さんが押したのは?



「くっそ!降参」のハンコ。郄信さんが1点を返す。

読み方は「にひゃくめん」。200両は今で言う2000万円(江戸初期参考)。そんな大金を免税されたお金持ちが名乗った名字だという(郄信さん調べ、諸説あり)。



文字をひっくり返した!?「𣆶葉」

第10問は「𣆶葉」。視聴者投稿で寄せられた全国たった1軒の幻の珍名だ。



あまり見かけない漢字だが…



秀島さんは降参のハンコ。

読み方は「ばんば」。元々晩葉さんと名乗っていた人が、晩は夜で暗いからと文字をひっくり返し、朝の明るいイメージに変えたそう(郄信さん調べ、諸説あり)。



グミの木から生まれた「規味木」

現在5対5、戦いはサドンデスへ。郄信さんが出したのは「規味木」。北海道の珍名で、全国にわずか3軒。



サドンデスの結果は…!?



秀島さんは「規味木」のハンコを持っており、見事勝利を収めた。

読み方は「ぐみのき」。植物のグミから規味に当て字をしたことが由来だという(郄信さん調べ、諸説あり)。

20回目にして初めて味わった敗北から4か月。結果は、全ての在庫を洗い直し、リベンジに挑んだ秀島さんの勝利となった