【独自】「もはや災害…」兵庫県現役職員の悲鳴 斎藤元彦知事への苦情電話やまず 松沢成文氏「自分の進路を決断すべき」

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兵庫県斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などをめぐり、12日、県議会の最大会派・自民党などの議員65人が、斎藤知事に「即時辞職」を申し入れを行いました。
これで、先日の「日本維新の会」と合わせて、県議会86人の議員全員が辞職を求めたことになります。

さらに、「9月定例県議会までに自ら辞職を決断しない場合には、“次にしかるべき行動”にうつる覚悟である」と、辞職しない場合、19日から始まる議会で不信任決議案の提出も辞さない方針を示しました。

これに対して、斎藤知事は…。

斎藤元彦知事:
私の政治姿勢等に対する、大変厳しいご指摘をいただいたということです。私自身もそこはしっかり真摯に受け止めなければならないというふうに考えています。

――不信任案が可決されるまでに自ら辞職する考えはない?
9月議会がまもなくはじまります。そこでしっかりと補正予算、県民生活を支えるための予算を100億用意させていただこうと思っていますから。それをしっかり審議いただいて、成立するということも大事ですし、それ以外にも来年度予算などに向けての対応をしっかりやっていくということが大事だと思っています。

鳴りやまない電話…疲弊する職員からは辞職者も

斎藤知事の問題が長引き、県政が停滞する懸念が広がる中、県庁の職員たちにもその影響が及んでいるといいます。

現役の県庁職員が「県庁で起きている真実を伝えたい」と、県庁の現状を話してくれました。

兵庫県庁職員:
苦情の電話がかなり多くて、「知事辞めさせろ」「(知事)辞めてくれ」とか、(電話が)1時間くらいというのは、長くてざらかなと思います。
通常業務を止めて電話対応に応援というか、派遣みたいな形で対応している。応援体制を組むというのは“災害並み”だなと感じています。

鳴りやまない知事の辞職を求める電話。普段、電話対応をする職員だけでは足らず、別の部署から応援を呼んでいるため、ストップしている通常業務もあるといいます。さらに…。

兵庫県庁職員:
それこそ対応する職員に対して「死ね」みたいな暴言があったりする。
慣れてない若い職員だと「何のためにこの仕事やっているんだろう」って。

ついには、県職員に対しても心ない言葉を投げかける人が出る事態に。
職員の中には、知事が辞職しないなら自分が…と考える人も出てきているといいます。

兵庫県庁職員:
実際に辞めた職員もけっこういるんですよ。5月6月7月ぐらいに。これだけ県政が停滞すると自分のやりたいと思っていた仕事ができないと思っている職員も多くいるので、それは他の自治体に行ったらできることなので、転職する、場所を変えるという方はいらっしゃると思います。
このまま斎藤知事が続けるのであれば、県職員は退職してもいいかなと思っています。

そんな職員たちに、会見では「職員の皆様そしてすべての皆さんにご心配やご負担、そしてご迷惑をかけていることになっていると思いますので、そこは本当に申し訳ない」と話した斎藤知事ですが、職員からはこんな声も。

兵庫県庁職員:
大きく言うとコミュニケーション不足は感じます。庁内ですれ違うことがあるんですけど、基本的にこちらがご挨拶、「お疲れさまです」とか声をかけても、(知事から)返ってくることはないですね。一般職員に対しては、実質無視みたいな感じなのかなと思います。

松沢氏「県は植民地じゃない」

前神奈川県知事で参院議員の松沢成文氏は、47都道府県の知事の内23人が中央官庁出身であることに触れ、これから県民たちが「自分たちの知事」を作っていくことが大切だと話します。

前神奈川県知事 松沢成文氏:
中央官庁、特に総務省の官僚にとっては、自分が最も出世できるポストは総務省の事務次官というより、知事に天下ることなんです。そうなると、どうしても“殿様気分”で中央省庁から地方自治体に入って、俺が全部仕切ってやると君臨してしまう方も見受けられるんですね。全員がそうじゃない、優秀な方もたくさんいらっしゃいますけど。
だから私は県知事も、中央官庁の…県は“植民地”じゃないわけだから、自分たちで民間人出身だとか地方で活躍してきた人たちを選んで、“自分たちの知事”を作っていくという有権者の行動を作っていかないと。

――県民や県職員の支持を失った知事が県政を前に進めることができるのか?
ひとことで言うと「できません」。まず、人事案件が議会を通らないですよ、「俺たちがこの知事を否定しているんだぞ」と、その知事が「この人を副知事にしてくれ、議会お願いします」といっても、そんなことは許されない早く退場しろと、議会との関係が全く冷却してしまいますから。それから県庁で、若い職員も含めてこの知事のためにいい県政をつくろうという仕事のモチベーションがなくなってしまいますよね。「どうせ側近ばかり出世して私たちなんて蚊帳の外だから、適当に仕事をしていればいいや」と、県庁の活力がなくなって、その結果県民が一番迷惑をするわけです。

だから、ここまで信頼を失った知事さんは、自分で決断して、じゃあ選挙をやってもう一度信任される自信があれば選挙をやればいいと思いますけど、ここまで来たらレッドカードに近いと思うので、不信任案が出た時点で決断して、辞職、失職すべきだと思います。

「政治家の出処進退は最高の政治倫理」という格言があるんです。最後は倫理観を示して、自分の進路を決断すべきだと、そういう時期に来ていると思います。
(めざまし8 9月13日放送)