全4仕上げで展開される「iPhone 16 Pro/Pro Max」

アップルは、カメラ機能の使い勝手を向上させる「カメラコントロール」ボタンを新搭載した「iPhone 16 Pro/Pro Max」を発表した。9月20日発売で、13日より予約を受け付ける。価格はiPhone 16 Proの128GBモデルで159,800円から、iPhone 16 Pro Maxの256GBモデルで189,800円から。

ストレージラインナップはiPhone 16 Proが128GB、256GB、512GB、1TB、iPhone 16 Pro Maxは256GB、512GB、1TB。仕上げはどちらもブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ナチュラルチタニウム、デザートチタニウムの4種類。


iPhone 16 Pro 128GB 159,800円から 256GB 174,800円から 512GB 204,800円から 1TB 234,800円から

iPhone 16 Pro Max 256GB 189,800円から 512GB 219,800円から 1TB 249,800円から

「Apple Intelligence」のために設計したという

同社の生成AI「Apple Intelligence」のために設計したというスマートフォン。前モデルの「iPhone 15 Pro/Pro Max」から画面サイズが大きくなっており、iPhone 16 Proは6.3インチ、iPhone 16 Pro Maxは6.9インチのSuper Retina XDRディスプレイを搭載する。

どちらもOLED(有機EL)ディスプレイで常時表示や、最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート、True Tone、P3広色域などに対応する。解像度はiPhone 16 Proが2,622×1,206ドット/560ppi、iPhone 16 Pro Maxが2,868×1,320ドット/460ppi。屋外でのピーク輝度は2,000ニトで最小輝度は1ニト。

画面サイズは大きくなったものの、「Apple製品の中で最も細い」というベゼルを採用することで本体のサイズアップは抑えたという。外形寸法はiPhone 16 Proが149.6×71.5×8.25mm(縦×横×厚み)、iPhone 16 Pro Maxが163×77.6×8.25mm(同)。iPhone 15 Proは146.6×70.6×8.25mm(同)、iPhone 15 Pro Maxは159.9×76.7×8.25mm(同)だった。

本体側面下側に新たに「カメラコントロール」を搭載する

本体側面に「カメラコントロール」と名付けられた新たなボタンを装備。クリックするだけでカメラアプリを起動でき、もう一度クリックすると写真を、長押しすると動画を撮影できる。

このボタンには、触覚フィードバックに対応した高精度な感圧センサーが組み込まれており、「デジタル一眼レフカメラのシャッターのような感触を再現した」とのこと。タッチセンサーも備え、クリックやスライドといった操作もでき、軽く押してズームなどのコントロールを表示し、露出や被写界深度の設定を変えたり、スワイプしてズーム距離を変えたりできる。

また年内には「2段階シャッター」も登場。カメラコントロールを軽く押すとピントと露出が自動的に固定され、被写体にピントを合わせたまま構図を変えられるようになる。

カメラコントロール表面には、なめらかな質感のサファイアクリスタルを使っており、これをボディの色とマッチしたステンレススチールの縁が囲んでいる。

カメラは2モデルとも3眼仕様で、4,800万画素のFusionカメラ、新搭載となる4,800万画素の超広角レンズ、1,200万画素の5倍望遠レンズを搭載する。

Fusionカメラの焦点距離は24mmで、f値は1.78。第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正、超高解像度の写真(2,400万画素と4,800万画素)に対応。センサー中央の画素のみを使う1,200万画素の2倍望遠撮影もできる。

マクロ撮影の作例

超広角レンズの焦点距離は13mm、f値は2.2で視野角は120度、マクロ撮影に対応する。5倍望遠レンズの焦点距離は120mm、f値は2.8で視野角は20度で、3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正と、オートフォーカスなどが利用できる。Pro Max以外のモデルで5倍望遠レンズが搭載されたのは、これが初めて。

動画撮影機能では、4K/120fpsのDolby Vision撮影が可能に。ビデオモード、またはスローモーションで利用できる。また写真アプリが再設計され、撮影後に再生速度を調整できるようになった。新たな2分の1の倍速オプションや24fps再生などもできる。

フロントの「TrueDepthフロントカメラ」は1,200万画素で、f値は1.9。最大60fpsの4KDolby Vision対応ビデオ撮影ができる。Face IDが利用可能。

オーディオパフォーマンスも向上。4基のスタジオ品質マイクを内蔵し、ノイズフロアが減り、よりリアルなサウンドを収録できるようになった。風切り音を低減できるほか、空間オーディオ収録もできる。

また新たに「オーディオミックス」が利用可能で、3種類のオプションを使って、ビデオ内での声の聴こえ方を調整できるようになった。オプションは「フレーム内」「スタジオ」「シネマティック」の3つで、フレーム内では、撮影中にフレーム外の人が話していても、フレーム内の人の声だけを捉える。

スタジオは、防音壁を備えたプロ仕様のスタジオ内で録音した音声のように仕上げるというオプションで、被写体が少し離れていても口元にマイクがあるように聴こえるため、Vlogやポッドキャストの制作者に最適という。

シネマティックは、周囲の声をすべて捉え、スクリーンの前方に集めるオプション。「映画用のサウンドフォーマットと同じような方法」とのこと。

そのほか空間写真と空間ビデオの撮影もできるようになった。

搭載チップは、第2世代の3ナノプロセスで製造された「A18 Pro」。新しい6コアCPU(高性能コア×2、高効率コア×4)と6コアGPU、16コアNeural Engineで構成される。A17 Proと比べて、CPUは最大15%、GPUは最大20%高速化。システムメモリ帯域幅が合計約20%増加しており、こちらもパフォーマンス改善に貢献している。

内部設計の最適化により、より大きなバッテリーも搭載可能となり、A18 Proと連携することで、バッテリー駆動時間が向上。iPhone 16 Proでは最大27時間、iPhone 16 Pro Maxでは最大33時間のビデオ再生ができる。充電ポートは最大10Gb/s転送に対応したUSB Type-C。MagSafeで最大25Wのワイヤレス充電にも対応するほか、Qi2規格のワイヤレス充電もできる。

生成AIのApple Intelligenceは、年内に米国英語のベータ版からスタート。2025年には日本語への対応も予定しているという。

Apple Intelligenceでは「ジェン文字」などを利用可能

Apple Intelligenceでは、ユーザーが書いた文章を校正する「作文ツール」やメモアプリや電話アプリで使える文字起こし、会話の内容に合わせた絵文字を生成する「ジェン文字」、写真の背景にある不要なものを消せる「クリーンアップ」といった機能を利用できる。

あわせてSiriも強化され、言い間違えても話したことを認識するようになるほか、iPhoneの使い方などを教えてくれるようになる。

OSはiOS 18で、衛星経由の緊急SOSや衝突事故検出なども引き続き利用できる。

筐体はグレード5のチタニウム製で、マイクロブラスト加工で磨き上げたという。熱伝導率が高い100%再生アルミニウムの基板を組み込んだほか、熱を拡散させる背面ガラスを最適化するなど、内部設計を改良したことで、iPhone 15 Proと比べると最大20%長くパフォーマンスが持続するという。

重さはiPhone 16 Proが199g、iPhone 16 Pro Maxが227g。1mのUSB-C充電ケーブルなどが付属する。