天候の不安も吹き飛ばし、みんながひとつになって盛り上がった今年のアニサマDAY1!『Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-』DAY1レポート

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■2024.8.30『Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-』DAY1@さいたまスーパーアリーナ

台風10号の影響による荒天もありながらも、今年も無事に開催された世界最大のアニメフェス『Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-』。ベテランからニューフェースまで多彩なアーティストが集結し、ステージと会場が一体になって盛り上がれる名曲もたくさん飛び出した8月30日開催・DAY1のレポートをお送りしよう。

台風10号の影響で日本全国が荒天気味となったこの日、さいたまスーパーアリーナも時折強い雨に見舞われるなど不安定な天候となったが、そんな天気に立ち向かいながら集まったアニメファンで場内はほぼ満員。国内のみならず海外からのファンも数多く見かけられる中で、今年のアニサマの幕が上がった。

宮田俊哉×オーイシマサヨシ×伊東健人 with UniteUp! (C)Animelo Summer Live 2024

オープニングを飾ったのは、オーイシマサヨシを筆頭にアニサマ初登場となる宮田俊哉・伊東健人・UniteUp!の面々。全員が白基調のまばゆい衣装に身を包んでの登場に場内も初っ端から湧き上がる。

宮田俊哉 (C)Animelo Summer Live 2024

そんな彼らが贈るオープニングナンバーは「勇気100%」(TVアニメ『忍たま乱太郎』OPテーマ)。熱い勇気を抱いて進んでいこうという歌を見事なハーモニーで唄い上げ、場内もアーティストに合わせてのクラップやかけ声でスタートから一体感あふれる盛り上がりを見せる。宮田のセンターステージでの流れるようなローラースケートダンスに歓声が上がり、ラストは客席と全員で合唱で締めくくった。

「どうも! アニソン界のおしゃべりクソメガネです」というオーイシマサヨシ定番の挨拶からのお約束なコーレスから始まる挨拶とトークで盛り上がる中、そのまま次のUniteUp!のステージへとなだれ込んだ。

UniteUp! (C)Animelo Summer Live 2024

アニメ・コミック・ライブなど様々なメディアでその活動を描いていく、ソニーミュージックの多次元アイドルプロジェクト・UniteUp!。その劇中に登場するユニット「PROTOSTAR」「LEGIT」「JAXX/JAXX」の9名がアニサマのステージに初登場だ。

彼らの活躍を描いたTVアニメOPテーマ「Unite up!」を、未来へ進む思いを込めて力強いハーモニーとパフォーマンスで熱唱。そして来年1月からスタートするTVアニメ第2期の告知から、全員がトロッコに乗り込んで「ユメノトビラ」(TVアニメ『UniteUp!』第11話EDテーマ)を熱唱しながらアリーナを巡り、その魅力をしっかりファンに刻み込んでみせた。

トゲナシトゲアリ (C)Animelo Summer Live 2024

今年春の放送で大反響を呼んだオリジナルテレビアニメ『ガールズバンドクライ』。その劇中でフレッシュかつパワフルなキャラが人気を呼んだガールズバンド・トゲナシトゲアリが待望のアニサマ初登場だ。来年1月には『BanG Dream!』のMyGOO!!!!!と作品の垣根を越えての対バンも予定されるなど、アニソンファンの注目を集める彼女達のリアルライブに場内の期待も高まっていった。

スクリーンには夜の街を歩き回るメンバーの映像が映し出され、だんだんと高まっていくドラムのビートが最高潮に達したところで、場内がコンサートライトの真っ赤な光に染まる中でいよいよライブがスタート。一曲目は全員揃っての初ライブ&バンド名が決まった第7話挿入歌「名もなき何もかも」。劇中のライブ映像とシンクロしながら、Gt.夕莉(河原木桃香役)&Ba.朱李(ルパ役)の迫力満点の演奏と、Vo.理名(井芹仁菜役)の取り巻く世界への激情を叩きつけるようなボーカルに場内は熱狂に包まれた。

理名からのアニサマのステージに立てた事への感謝の言葉や、すでにセカンドライブのチケットが完売という嬉しい告知を経て、シメの二曲目はOP主題歌「雑踏、僕らの街」。アニメのオープニング映像と共に、叩きつけるような演奏とボーカルで生き抜く決意のこもったリリックを唄い上げ、ファンも激しいクラップを合わせてそれに応えながら熱く激しいステージは締めくくられた。

伊東健人 (C)Animelo Summer Live 2024

『アイドルマスターSideM』『月が導く異世界道中 第二幕』などで声優として活躍する一方、様々なタイトルへの楽曲提供やアーティストとしても活動の幅を広げている伊東健人がオープニングに引き続き登場。

アリーナステージにスポットライトが集まり、その光が伊東の姿を照らし出す。赤と青の光に染まる場内を見回して「ありがとう、すごく綺麗です」という感謝の言葉と共に始まったのは、「My Factor」(TVアニメ『月が導く異世界道中 第二幕』第1クールEDテーマ)。甘い声で聞いているファン達に語りかけるようなボーカルや、メロディに乗せて伊東と共にコンサートライトをもった腕をスイングさせて、場内が光の波に包まれるなど、ロマンチックなパフォーマンスが繰り広げられた。

MindaRyn (C)Animelo Summer Live 2024

タイで幼い頃から日本の音楽やアニメに触れて育ち、YouTuberとしてJ-POPやアニソンのカバー動画を公開して人気を博していたのをキッカケにメジャーデビュー。そんな異色の経歴で国内外から注目を集めるMindaRynが、アニサマのステージに初登場。

ステージの一部が青く輝き、『転生したらスライムだった件』のリムルのナレーションに導かれるように、真紅のドレス姿でアコースティックギターを携えたMindaRynがステージに登場。同作第3期のED主題歌「Miracle soup」を、優しい旋律でギターを奏でながらEDアニメ映像と共に優しく唄い上げた。

「はじめましてアニサマー! サワディカップ-」と挨拶し、コンサートライトの輝きに包まれたステージからの風景を見られた喜びを語った。

「アニソンが大好きな外国人にとってアニサマは大丈夫な場所…ずっと出たかった夢が叶いました。また会いたいから名前を覚えて帰って下さい」とファンのみんなとまたここで会いたいという思いを語り、「Like Flames」(TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』OP主題歌 第二弾)を一曲目とは一変してパワフルに熱唱。ライティングとコンサートライトで真っ赤に染まる中で、ファンと共に盛り上がりながら初ステージをハイテンションで駆け抜けてみせた。

Who-ya Extended (C)Animelo Summer Live 2024

ステージのライティングがグリーンに染まり、「携帯型心理診断鎮圧執行システム・ドミネーター、起動しました」とアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの象徴的アイテム・ドミネーターの起動ボイスが場内に鳴り響く。そしてドミネーターがアニサマ場内を「犯罪係数オーバー300、執行対象です」と判断すると、ステージにドミネーターを構えたWho-yaが登場。去年に続いて二度目のアニサマ出演だ。

彼が構えたドミネーターが執行モード・エリミネーターへと変形し、場内に向けて発射されると共に、「Synthetic Sympathy」(アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』OPテーマ)がスタート。畳み掛けるようなメロディとハスキーなボイスで閉塞感に満ちた世界で生き抜く感情を唄った。

「このステージに帰ってくるのを凄く楽しみにしてました」と語るWho-yaは、海外のライブで言語を越えてアニメと音楽で繋がる人達と出会ってパワーアップしたとコメント。そして荒天を乗り越えて会場に辿り着いたファンに「ここにいるみんなが一番熱いでしょ? 無事に辿り着いたみんなに楽しんでもらうために」というコメントと共に、二曲目の「Prayer」(TVアニメ『はめつのおうこく』EDテーマ)を披露。白いライティング演出の中で、祈りの歌をパワフルかつ静かなボーカルで唄い、ファンへの自分からの想いを届けてみせた。

『BanG Dream!』の新バンドとして謎をはらみながら登場し、その全貌がTVアニメ『BanG Dream! It's MyGOO!!!!!』最終回で明かされたAve Mujica。いったいアニサマでどんなパフォーマンスを繰り広げるのかファンの期待が高まる中、場内にゴシックなメロディが鳴り響き、スクリーンには「Ave Mujica」のロゴが浮かび上がる。

そしてステージを照らすスポットライトの中に、目元をマスクで隠したドロリス(佐々木李子/三角初華役)が登場。そして力強くも静かな歌声で、悲恋にくれる想いを唄ったイングランド民謡「Greensleeves」を独唱。ステージを支配する独特の世界に、場内のファンも引き込まれて、ただ静かに見つめ続けていた。

Ave Mujica (C)Animelo Summer Live 2024

「スターゲイザー、共に輝きましょう」

ドロリスのその言葉を合図に、他のメンバーもステージに登場。

「我、死を恐れるなかれ」「我、我を恐れることなかれ」と、それぞれが仮初めの名前と誓いを語っていく…TVアニメ『BanG Dream! It's MyGOO!!!!!』最終回で描かれた初ライブの再現に場内も沸き上がる。
そして「ようこそ、Ave Mujicaの世界へ」の言葉と共に、自分達の名前を冠した曲「Ave Mujica」がスタート。ライティング&コンサートライトの赤い輝きと黒い闇のコントラストに染まった場内に、重厚で不安感を煽るような変則リズムを交えたゴシックロックのメロディが場内のファンの心を彼女達の創る異界へと誘っていく。

続く「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」は、一転して重厚でストレートなロックナンバー。仮面を着けて甘美な世界に落ちていく様をパワフルに唄い、ラストは激しい演奏パフォーマンスで締めくくって、その世界観を強烈にファンに刻みつけていった。

楠木ともり (C)Animelo Summer Live 2024

声優として数多くの人気キャラを演じる一方で、2020年からはソロアーティストとして自ら作詞作曲やライブグッズデザインを手がけるなど、多岐にわたって活躍の場を広げている楠木ともり。ソロアーティストとしては3年ぶりのアニサマ登場だ。

玉座に座ったままアリーナステージにせり上がりながら登場した楠木が贈る一曲目は「眠れない」(TVアニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』EDテーマ)。自身が演じたヒロイン、テラコマリ・ガンデスブラッドと同じくサメのぬいぐるみを携えて、彼女が戦いを終えてふかふかベッドで一息つく様子を可愛くハスキーなボーカルで唄い上げた。

歌い終えてコンサートライトの輝きで埋まる風景を嬉しそうに眺めた楠木は、その輝きをブルーにしてもらうようにお願いすると、それにファンも応えて場内に星空のような光景が広がった。それに合わせて自らが作詞した「シンゲツ」(TVアニメ『魔王学院の不適合者Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』2ndクールEDテーマ)を披露。自らの未来を自分の力で切り開いていく気高い想いをパワフルに熱唱した。

Machico (C)Animelo Summer Live 2024

『ウマ娘 プリティーダービー』や『アイドルマスター ミリオンライブ!』で声優として活躍する一方、ソロアーティストとして『この素晴らしい世界に祝福を!』『プリキュア』シリーズの主題歌を唄い人気を博すMachicoが、ソロでは昨年に続き二度目となるアニサマ登場だ。

この日は『この素晴らしい世界に祝福を!』シリーズの楽曲をフル&メドレーで披露。最新ナンバーとなる「Growing Up」(TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』OPテーマ)では、Machicoの影からカズマ・アクア・めぐみん・ダクネス達のイメージカラーをまとった4人のダンサーが登場。彼女達と共に元気でパワフルなパフォーマンスを繰り広げて場内を沸かせた。

「色とりどりのライトがめっちゃきれい! この光景を見ている私の眼球をみんなにさしあげたい!」と彼女ならではの面白トークに場内も盛り上がり、体力使ったけどみんなの応援で元気回復したと気合いを入れるMachicoは、「TOMORROW」(TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!2』OPテーマ)「fantastic dreamer」(TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』OPテーマ)の『このすば』歴代オープニングをメドレーで披露。アリーナに囲まれたセンターステージへと練り歩きながら「もっともっとー!」とゲキを飛ばしてファンと共に盛り上がり、ラストは「この素晴らしきアニサマに祝福を!」と叫びながらの全員ジャンプで見事なシメを決めて見せた。

でんぱ組.inc with 成瀬瑛美 (C)Animelo Summer Live 2024

「萌えキュンソングを世界にお届け」をキャッチフレーズに、2010年頃からアイドル界を席巻してきたオタクなアイドルグループ・でんぱ組.inc。2025年初頭にグループとしてのエンディングを控えた彼女達が、アニサマ初にしてラストのステージを飾るべく登場。

カウントダウンのサウンド共にスクリーンにグループロゴが映し出され、メインステージにせり上がりながら、イメージカラーのドレス衣装をまとった7人が登場。一曲目は「最Ψ最好調!」(TVアニメ『斉木楠雄のΨ難』第1期第2クールOPテーマ)を、緩急の激しいファンキーなメロディにノリながらの畳み掛けるようなパフォーマンスで披露した。

歌い終えて「萌えキュンソングを世界にお届け」の定番キャッチフレーズを決めると、いつかはアニサマのステージに立ちたかったという夢が叶った喜びを語るメンバー達。そして、そんな夢を一緒に目指しながらも一足先にグループを卒業していたソロアーティスト・成瀬瑛美が特別参加としてアリーナステージに登場し合流。そして彼女達の原点であるライブハウス・秋葉原ディアステージで共にがんばり、いつか一緒にアニサマのステージに立とうと願い続けて、先に夢を叶えた親友・黒崎真音への想いを語る。叶えられなかった競演の夢を今ここで叶えるべく選んだ2曲目は、黒崎真音の「メモリーズ・ラスト」(TVアニメ『とある魔術の禁書目録Ⅱ』後期EDテーマ)。アニサマの常連で、今は天から見てくれているはずの黒崎へと贈るかのような熱のこもった歌とパフォーマンスに、ファンも大きな歓声でそれに応えて共にステージを熱く盛り上げた。

「叶わないと思うような大きな夢もかなう時が来ると私達が証明するので、見ていて下さい!」

そんな決意を込めたラストナンバー「あした地球がこなごなになっても」(映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』後章挿入歌)は、メンバーそれぞれのソロとハーモニーが重なり合いながら、大好きな人への想いをエモーショナルに唄い上げる。そして最後は全員で声援に応えながらアリーナステージへ向かい、輪になって全方位に歌声を届け、最初で最後のアニサマでのステージを最高の出来でやりきってみせた。

FIELD OF VIEW (C)Animelo Summer Live 2024

その力強く聡明なボーカルで、数多くのCMソングやドラマ主題歌、そしてアニメソングでは『遊☆戯☆王』『ドラゴンボールGT』の主題歌でアニソンファンにもなじみ深いFIELD OF VIEW。2002年に解散したが、2020年に本格再始動したベテランバンドがアニサマのステージに初登場だ。

「渇いた叫び」(TVアニメ『遊☆戯☆王』OPテーマ)のメロディと共にモノトーンのスーツをまとった三人がステージに現れ、ベテランならではのパワフルなボーカルと演奏で場内の空気を掴み、場内も曲に合わせたコールとクラップが響き渡る。

歌い終えてのメンバー紹介で沸き上がった声援に、ボーカル・浅岡雄也が「もっと声援あってもいいと思うんだけどな?」とさらなるボリュームを煽って「それデフォな!」と笑顔で応え、三人での再始動をさいたまスーパーアリーナでできたことへの感謝を伝える。そして来年行われる30周年ライブの告知を終えると「俺達のアニソンもう一曲あるよな? 帰っていいかな? かめはめ波一緒に撃ちたいよな! オラに元気をわけてくれー!」と絶妙のコール&レスポンスを場内のファンと交わし、みんなと声を合わせての「か…め…は…め…波ー!」を決めて、「DAN DAN 心魅かれてく」(TVアニメ『ドラゴンボールGT』OPテーマ)がスタート。誕生から28年を経た今も、配信を通して世界中から愛されているアニメソングとなったこのナンバーを、浅岡はステージを駆け回ったりギター・小田孝&ドラム・小橋琢人の元で唄うなどパワフルなパフォーマンスを繰り広げる。そしてラストは場内のファン全員と声を合わせての大合唱で締めくくり、ベテランの貫禄と力量を存分に発揮したステージとなった。

きただにひろし (C)Animelo Summer Live 2024

DAY1前半戦のトリを務めるのは、世界的に愛されるナンバーとなった『ONE PIECE』初代OPテーマ「ウィーアー!」を筆頭に、数多くのアニメ&特撮ヒーローソングをパワフルに歌い上げて世界的な人気をほこるきただにひろし。そのステージの幕開けを飾ったのは、何とルフィ(CV:田中真弓)のオリジナルナレーション。コンサートライトを青にしてほしいという彼の頼みで場内が大海原の輝きに染まる。

「お前らの力を仲間に貸してやってくれ! 野郎共、宴だ! ダニーまかせたぞ!」

そんなルフィの号令を合図に、ステージにダニーこときただにが登場。

「いくぞ、新世界へ!」

そんなゲキと共に一曲目の「ウィーゴー!」(TVアニメ『ONE PIECE』「最後の海“新世界”編」主題歌)がスタート。場内のファンと共にサビのかけ声を合わせ、パワフルな歌声と演奏で会場の空気を熱く震わせる。

「やっと出れたよ一人で! やっと歌えたよ!」

これまではJAM Projectのメンバーとして出演していたが、ソロ出演は意外にも今回が初めて。そんな初のソロステージの二曲目は最新ナンバーとなる「あーーっす!」(TVアニメ『ONE PIECE』「エッグヘッド編」主題歌)。ステージ壇上には『ONE PIECE』の衣装をまとった女性出演陣が登場し、彼女達のコーラスを交えながらパワフルな熱唱を披露する。

「最後はこの曲だ! みんなで歌おうぜ! 一味共!」

そんなきただにのゲキに応えて、DAY1出演陣がステージに総登場。唄うのはもちろん世代を超えた大ヒット曲となった「ウィーアー!」(TVアニメ『ONE PIECE』OPテーマ)だ。ステージ上のアーティストだけでなく、場内にいる全員が「アニサマの一味」となり、全員が声を合わせての大合唱に。最高に盛り上がったラストに全員でのジャンプを決めた後、アーティストが客席に背を向けて高々と左腕を掲げる…そしてきただにの腕には「仲間の印」の×印が! アラバスタ篇ラストの名シーンを模して、アニソンに集ったみんなが仲間だという粋なアピールを決めて、ライブ前半戦は大団円となった。

Aimer (C)Animelo Summer Live 2024

後半戦のトップバッターは、その力強く澄んだ歌声で数々のアニメやドラマ・映画主題歌、CMソングなどを手掛け、2022年には第73回NHK紅白歌合戦への出場もはたしたAimer。

星空のようなスクリーンと降り注ぐ星明かりのような白のライティング演出と共に始まった一曲目は「StarRingChild」(『機動戦士ガンダムUC episode7「虹の彼方に」』主題歌)。青のコンサートライトの輝きで、ガンダム達が戦う星空のような趣に包まれながら、静謐ながらも力強いボーカルが響き渡った。

続く二曲目「Brave Shine」(TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』2ndシーズンOPテーマ)では、スクリーンにOPアニメのアーチャーが映し出されるとどよめきのような歓声が起こり、コンサートライトも一瞬で彼の色である真紅に染まる。そして作中の戦いを思い起こさせる胸を締め付けるリリックで、ファンもじっくりと曲の世界へと浸り込むように聴き入っていた。

意外にもアニサマ初出演のAimerは「みんなの熱気が凄いから度肝を抜かれる」と聞いていたことを語り、みんなの怒号と地響きをお願いいたしますと言いつつ、静かな曲なので笑いを誘いながら、最新ナンバー「Sign」(TVアニメ『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』第2クールOPテーマ)を披露。和やかな雰囲気のメロディに乗せて、旅する思いを切なく歌い上げた。

そしてラストは昨年大ヒットを記録した「残響散歌」(TVアニメ『鬼滅の刃』遊郭編OPテーマ)。ここまでの静かなステージから一転して、炎の吹き上がる演出と花火の映像をバックにパワフルなパフォーマンスを繰り広げ、場内は彼女が期待していた怒号と地響きのような盛り上がりに包まれた。

She is Legend (C)Animelo Summer Live 2024

続いてスクリーンに映し出されたのは、人気ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』の会話画面。そこから会場の様子を見つめるのは、ゲームの主人公・茅森月歌(CV:楠木ともり)と、彼女とラウドロックユニット「She is Legend」のボーカルを務める朝倉可憐(CV:芹澤優)。埼玉県の名産ネタトークなどでファンをいじりながら、どうやらこれからライブが始まることを理解し、「ぎったぎたに刻まれる準備はできてるかー!」「魂を一緒に燃やす準備はできてるかー!」の煽りにファンも大歓声で応え、ゲームの中からアニサマのステージというリアルへ衝撃の初登場が実現した。

スクリーンにはキャラクター達のライブの様子が映し出され、ステージには二人のボーカルを受け持つ女性アーティストXAIと鈴木このみが登場し、どんな時でも燃え尽きるように生き抜こうという想いを唄った彼女達の代表曲「Burn My Soul」からステージがスタート。

「今日はアニサマで伝説を残しに来ました!」

「思いきりぶちあげたいんだー! あなたに出会えて良かったー!」

ファンへのゲキとステージに吹き上がるスモークの中で始まった二曲目は、退屈な日常をぶち壊したい思いを叫ぶ「Thank you for playing~あなたに出会えてよかった~」。どちらもパワフルなハーモニーと激しくてキレのあるデスボイスが飛び交うパワフルな中にも切なさが刺さる曲で、場内もそれに導かれるような激しい歓声が響き渡る。

そして最後を飾るナンバーは「死にゆく季節でぼくは」。ゲーム内のゲームのライブPVとシンクロしながら、大事な人と過ぎゆく季節の中で一緒に居続けたい気持ちをパワフルかつエモーショナルなハーモニーで唄い上げていく。そしてラストは二人でアリーナステージへと進み、スクリーンのキャラと共に互いに見つめ合いながら、静かなハーモニーを重ねて、初めての人にもその魅力を刻みつけるようなステージを締めくくった。

Kis-My-Ft2のメンバーとして2011年8月にデビューし、アイドル界屈指のアニメ好きとして声優としても活躍中の宮田俊哉が、ソロアーティストとしてアニサマに初登場。披露するのは、『うたの☆プリンスさまっ♪』の一ノ瀬トキヤとのコラボで話題となったソロナンバー「Nemophila feat. 一ノ瀬トキヤ(ST☆RISH)」。激しいライティングと共に繰り広げられるダンスから始まり、スクリーンにはトキヤが登場して共に歌を重ねていく。そしてクライマックスでは、スクリーン上で二人が共にシンクロしながらダンスパフォーマンスを繰り広げ、最後はステージとスクリーンから互いに見つめ合うという二次元と三次元の垣根を越えたコラボレーションで場内を沸かせた。

初のステージを終えて「緊張したー!」の第一声から、この曲を作った時から「この曲でアニサマに呼んでもらえたら嬉しいな」と思っていたことや、これまでは自分でチケットを取って客席から見ていたアニサマのステージに立てた喜びを語った。そして自分を「オタクのお兄ちゃん」と思っているアニサマのお客さんに真の自分を見せるべく、Kis-My-Ft2のライブでの王子様キャラを披露。「お帰りなさいませお姫様!」と呼びかけたら「王子様ー!」と返してもらうコール&レスポンスをみんなで楽しむ一幕も。

宮田俊哉×伊東健人 (C)Animelo Summer Live 2024

「アニサマだからコラボしたい」という宮田がステージに招いたのは、同年代で同じようにアニサマを客席から見ていたという伊東健人。お互いにソロでのアニサマ出演が初めてなことや、お互いにどの辺りの席で見ていたかなどの想い出話で盛り上がる。

そしてお互いにこれからずっと歌い続けたい曲として披露するコラボナンバーは、今年で25周年を向かえるTVアニメ『デジモンアドベンチャー』OPテーマ「Butter-Fly」。アニソンファンには大定番の名曲に場内のテンションもヒートアップ。宮田と伊東の見事なハーモニーに、ファンもサビやシャウトで声を合わせて共に盛り上がり、クライマックスではアリーナステージに進んだ二人と共に大合唱&全員でジャンプを決めて、アニサマ世代の二人とファンが一体になって盛り上がるコラボステージとなった。

ASCA×楠木ともり (C)Animelo Summer Live 2024

スクリーンに流れ星の降る星空が映し出され、その星に「また豚さんと一緒に…」と願うTVアニメ『豚のレバーは加熱しろ』のヒロイン・ジェスの声が重なる。その願いが叶ったかのように、OPテーマ「私が笑う理由は」を唄うASCAとジェスを演じる楠木ともり、そしてステージの片隅に主人公・豚のぬいぐるみがステージに召喚された。

そして二人による「私が笑う理由は」のデュエットが始まり、大切な誰かの為に笑いたいという気持ちを優しい声で唄い上げ、二人で手を合わせて見つめ合い微笑みながらのハーモニーで締めくくった。

曲を終えてASCAは「この曲を(楠木と)一緒に唄いたいなと思ってた。それを叶えてくれるのがアニサマ」と語り、一緒に召喚されてた豚さんと共に引き上げる楠木を見送った。

「4年目のアニサマステージとなります。みなさんと最高の思い出を」

そんなASCAのメッセージを受けて、ステージに声優にしてバイオリニストの柳澤良音が登場。一昨年ぶりの二人のセッションコラボは「紫苑の花束を」(TVアニメ『魔法科高校の劣等生』第3シーズンED主題歌)。大切な人を失った悲しみと忘れたくないという思いを、バイオリンの生演奏の深みある旋律と共に力強いソロボーカルで紡いでいった。

ASCA (C)Animelo Summer Live 2024

『Fate』『ソードアート・オンライン』『魔法科高校の劣等生』などのシリーズで数多くの主題歌を唄い、凛とした声から繰り出すパワフルなボーカルで作品の世界観を唄い上げてきたASCA。毎年このステージで新しいアニメソングを披露できる喜びを語り、今回の締めくくりに選んだナンバーが、最新曲となる「FACELESS」(アニメ『ばいばい、アース』OPテーマ)。「人生というのは自分が何者になれるのか、自分が何者なのかを探し続ける旅」という生き様を唄った魂の歌を、パワフルに深みたっぷりに熱唱した。

大橋彩香 (C)Animelo Summer Live 2024

『ウマ娘プリティーダービー』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『BanG Dream! 』などの音楽関連コンテンツでの活躍や、ソロアーティストとして精力的なライブパフォーマンスを繰り広げてきた大橋彩香。

今年のアニサマのステージでデビュー10周年を迎えるということで、自身の原点でもあるデビュー曲「YES!!」(TVアニメ『さばげぶっ!』OPテーマ)からライブがスタート。

「アニサマまだまだ楽しんでいくぞー!」

そんなかけ声と共に登場した大橋は、赤と黄色のパッション感あふれるドレスをまとい、パワフルに動き回りながらパフォーマンスを繰り広げる。そして曲のラストでは、スクリーンに「おめでとうはっしー10周年」のフレームが映し出されるというアニサマからの粋なプレゼントも。

オーハシアヤカ×オーイシマサヨシ (C)Animelo Summer Live 2024

アニサマとファンからの10周年を祝う声援に「アニサマの景色最高ですよねー」と喜びを隠せない大橋の下に「エモーい!」という叫びと共にオーイシマサヨシが登場。昔はこんなに小さかったのにねえというギャグを交えつつ、二人の間で「進化」という言葉を交えたトークが交わされ、この二人のコラボ曲「シンガロン進化論」がスタート。以前にも唄われたナンバーだが、今回はアニサマを中心に大橋彩香デビューから10年の歩みを振り返る映像をバックに熱唱。懐かしの写真などにファンも盛り上がり、映像のラストが10年目の今のステージに繋がるという演出も見事に決まるステージとなった。

そして自分を支えてくれたアニサマに関わるファンとスタッフへの感謝の言葉と共に、ここから先も進化し続けていくと決意表明。「みんなの近くにいくぞー!」とトロッコに乗り込んで唄うのは、「ワガママMIRROR HEART」(TVアニメ『政宗くんのリベンジ』OPテーマ)。場内が彼女を祝福するようなピンクとウルトラオレンジのまばゆい輝きに包まれ、スクリーンには過去のアニサマでトロッコに乗った時の映像が流されるなど、彼女の過去・現在・未来を網羅するような10周年ステージとなった。

オーイシマサヨシ feat. REAL AKIBA BOYZ (C)Animelo Summer Live 2024

いよいよアニサマもラストが近づいたところで登場するのは、ここまでいくつかのステージにも登場したオーイシマサヨシ。こちらも8月でデビュー10周年を迎え、今や日本のアニソン界には欠かせない存在に。

暗闇に覆われたステージにオーイシマサヨシが登場すると起きるブーイングなどのお約束リアクションへのぼやきトークが流れだし、そんなファンの態度も「なまらめんこい」という前振りから始まった一曲目が「なまらめんこいギャル」(TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』OPテーマ)。ダンスユニット・REAL AKIBA BOYZを従えて、北海道ローカルネタを散りばめたキレのあるリリックをダンスと共に披露。後半はアリーナステージでソロ&グループでの迫力あるダンスパフォーマンスも交えて場内を盛り上げた。

続いては「アニサマホラーナイト…」という不気味なナレーションと共に「死んだ!」(TVアニメ『勇者が死んだ!』OPテーマ)がスタート。ハロウィンチックなスクリーンビジュアル&赤と緑の不気味なライティング、そしてREAL AKIBA BOYZのゾンビダンスをバックに、コミカルだけどもの悲しさ漂う曲で見事なパフォーマンスを決めてみせた。

「改めてアニソン界のおしゃべりクソメガネでーす」

そんな定番の挨拶と共に始まったMCでは、今回のライブタイトル「Stargazer」が、コンサートライトの輝きが広がる場内の景色が「星空」みたいだという去年のオーイシのトークからの発想だったこと、そしてSNSをチェックして台風の影響を避けるために大阪から金沢経由で辿り着いたファンへのねぎらいなど、この場に集ってくれたアニソンファンへの感謝が語られた。

そして、そんな今年のアニサマのテーマに相応しい曲として選んだ三曲目は「uni-verse」(劇場版『グリッドマン ユニバース』主題歌)。みんなで唄ってアガるアニソンとして定着したナンバーだけに、ファン全員がオーイシと共にサビの「ユニバース!」「ビッグバン!」で声を出して共に唄い上げていく。最後はアリーナステージでみんなの声に囲まれながら共に唄って締めくくると、オーイシは大の字に倒れ込んで「あとは頼んだぞi☆Risー!」と叫び、DAY1の大トリへとタスキを繋いだ。

i☆Ris (C)Animelo Summer Live 2024

今年でデビュー12周年を迎え、自身達を劇場アニメ化した『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』も公開されるなど、その華やかでパワフルなパフォーマンスにますます磨きがかかるi☆Ris。アニサマと共に歩んできた彼女達が、ついに大トリを務めることに。

劇場版でのバックステージで気合いを入れるアニメ版i☆Risの姿がスクリーンに映し出され、そこからリアルへと飛び出してきたようにイメージカラーのドレスをまとった5人が登場。力強いアカペラのソロをそれぞれが決めてはじまったオープニングは、i☆Risと共に歩んできた『プリパラ』主題歌を遡っていくメドレーだ。

「Realize!」(TVアニメ『プリパラ』1stシーズン第3クールOPテーマ)/「ドリームパレード」(TVアニメ『プリパラ』2ndシーズン第1クールOPテーマ)/「Make it!」(TVアニメ『プリパラ』1stシーズン第1クールOPテーマ)と遡っていき、ラストは劇場版のi☆Risとのシンクロパフォーマンスでの「Make it!」で初っ端から絶好調の盛り上がりに。

最後まで盛り上がっていこうとゲキを飛ばし、声援に応えながら「11年前の初アニサマではトイレタイムと言われたが今回はトリです!」と大トリへの気合いを見せる5人。
そして「i☆Risが一番星になってイイですか? ぶちあげていきましょう!」のゲキと共にトロッコに乗り込んで送るのは、「アルティメット☆MAGIC」(TVアニメ『賢者の孫』OP主題歌)。スクリーンでは劇場版のライブ映像が流れるなか、アリーナを巡るトロッコの上からカラーボールを投げこむパフォーマンスも交えて、盛り上がりはますますヒートアップ。

そしてステージにi☆Risが戻ると一旦暗転。再びステージが照らし出されると全員がパールホワイトのドレス姿に変身し、「希望の花を」(劇場版アニメ『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』挿入歌)がスタート。劇場版のライブ映像とシンクロしながら、静かな出だしからのパワフルなメロディで、これからも歌い続けていこうというi☆Risの思いをダンスパフォーマンスと共に熱唱。クライマックスでアリーナステージに進み力強いパフォーへマンスで締めくくった。

アリーナステージでは12年の歩みを涙ぐみながら振り返り、落ち込むこともあったけど、ここまで続けることができたのはファンのみなさんのおかげと感謝を送り、アニサマのみんなをi☆Ris好きにさせたい! もっと愛を届けたい! とこれからの決意を語った。

そして「応援しに来たよー」とオーイシマサヨシがステージに現れ、彼のギターと共に送るラストナンバーは「愛 for you!」(劇場版アニメ『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』主題歌)。「12年間やってきた今の私達だから歌える曲」という思いと、デビュー時からの過去のライブ映像と共に、みんなの最高のアイドルになりたいという思いを熱唱。

「12年間ここまで走ってきて、ここまで素敵な景色が見れて、アニサマってライブって最高です!」

そんな最大級の感謝を込めて、最後は全員でのジャンプを決めてDAY1のラストを見事に飾ってみせた。

i☆Ris (C)Animelo Summer Live 2024

大トリを勤めあげたi☆Risの呼び込みで、DAY1出演陣がステージに勢ぞろい。フィナーレを飾るのは、今回のテーマソング「Stargazer」だ。

アニサマのステージに立ったアーティストの誰もが感動するという星空のような風景、そこに込められたファンのアニソンへの愛や希望を受け止めて、自分達も最高の愛で帰そうという決意のこもった曲を全員が繋いでいき、ラストは自分達も星空の一部になるかのようにウルトラオレンジのライトを振りながら歌いあげ、5時間近くに及んだDAY1は最高のフィナーレを迎えた。

台風10号の接近というアクシデントで開催も危ぶまれる中、見事にスタートを飾った『Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-』。続く二日間にどんな星の輝きがさいたまスーパーアリーナに広がるのか、期待が膨らむDAY1となった。

レポート・文:斉藤直樹