「古民家の解体を寂しいと思った」空き家となった古民家、“残して生かす”再生のプロ

写真拡大 (全6枚)

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。

テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』 では、さまざまな課題に取り組み、暮らしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。

今回取り上げるのは、古民家の解体をなくす取り組みを行っている山上浩明さん(山翠舎 代表取締役社長)。

山上さん:「私たちは空き家となった古民家を壊すのではなく、まるごと生かすことで新たな価値を生み出してきました。こちらの古民家もそのままアップサイクルした建物です」

山上さんの会社では、借り受けた古民家を現代の空間にマッチするリフォームを施し、 再生した古民家と新たな利用者をつないでいる。

以前は土蔵だった建物をパン店にリフォームしてもらった田中正之さん(信州門前ベーカリー 蔵)は、「現代風というよりも昔の面影を残しつつ造作してもらった。(施工技術は)素晴らしいと思います」と満足げだ。

◆「人一倍古民家の解体を寂しいと思った」

父親は工務店の社長、父方の祖父は建具職人、母方の祖父は材木商という家系で育った山上さん。

幼い頃は、工務店の廃棄物からおもちゃを作って遊んでいたそう。だからこそ、「人一倍、 古民家の解体を寂しいと思った」と語る。

また、「『建て直したほうが安い』という建築業者の決まり文句が嫌だった」と、この取り組みをはじめた背景を教えてくれた。

山上さん:「古民家には、伝統的な木組みの技術や自然素材への理解と暮らしの知恵が詰まっています。古民家を壊すのではなく、日本固有の財産としてその価値を見直して、今の社会に送り出すことはできないかと考えたのがこの取り組みをはじめたきっかけです」

再生した古民家は、セミナーやイベントのスペースとして提供し、スタートアップ企業の支援にもつなげている。

そんな山上さんが未来に叶えたい夢は?

山上さん:「サステナブルな社会とは、良いものを長く使う社会だと思っています。古民家を残すことによって、持続可能な経済の循環と職人の技術が未来へつながってほしいです」