裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか?


『嘘か真言か』五十嵐律人

新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。

日向由衣は裁判官に任官して三年目。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された。しかし、異動が決まった直後から、直近の先輩となる紀伊真言(まこと)裁判官にまつわるさまざまな噂が耳に入っていた。しかも、そのほとんどが悪評である。

紀伊は、理系大学院出身の変わり種だが、プログラムを組むように淡々と裁判を進め、バグを処理するように有罪判決を宣告する、と言われている。そしてもう一つの噂として、紀伊は「被告人の嘘が見抜ける」というのだ。裁判所という場で、こんな非科学的な噂がどこから生まれてくるのか。

また志波地裁に赴任した由衣は、上司となる阿古部長から一つの課題を出されていた。

「紀伊真言が嘘を見抜けるか見抜け」

赴任したばかりの判事補には仕事がない。それならば紀伊の裁判を傍聴して部長の“課題”に答えるしかない。
かくして由衣は紀伊が訴訟指揮をする、窃盗事件の第一回公判に臨む――。

志波市内で連続して起こる特殊詐欺事件、一見して無関係の事実を結び付けて新たな事実をあぶり出す裁判官、新任判事補の成長……裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 裁判所書記官の経験もある著者だからこそのリアルな読み味が魅力の一冊。

詳しく見る

発売ラインナップ (2024/8/25~2024/8/31)

発売日のリンクをクリックするとGoogleカレンダーの登録画面が表示されます

タイトル 嘘か真言か 著者名 五十嵐律人 発売日 2024/08/26 作品紹介 裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか?
新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。 タイトル 一場の夢と消え 著者名 松井今朝子 発売日 2024/08/26 作品紹介 日本史上最高のストーリーテラー、近松門左衛門。遺された作品群を上回る感動的な生涯がここに
芸道に生きる者たちの境地を克明に描き切った、近松小説の決定版にして芸道小説の最高峰! 没後300年記念作品。 タイトル 0から学ぶ「日本史」講義 著者名 出口治明 発売日 2024/08/27 作品紹介 近代日本が格闘した「戦争の時代」
「幸運な革命」明治維新によって国際社会に登場した近代日本。出口流ビジネスマインドで解釈する、リアリズムの日本史講義、第4弾! タイトル まぼろしの女 著者名 織守きょうや 発売日 2024/08/27 作品紹介 本格ミステリ×捕物帖! 大胆トリックの意欲作
岡っ引きの佐吉は、髪を切られ殺された女の身元を明かそうと奔走するが……時代物ならではのトリックを仕掛ける連作ミステリ短編集。 タイトル コミック 鬼平犯科帳122 著者名 さいとう・たかを 池波正太郎 発売日 2024/08/28 作品紹介 時代劇画の金字塔、最新刊!
「他人の金」「蘇える怪盗」など最新4篇を収録。「メイキング・オブ・鬼平」インタビュー第5弾には脚色担当の大原久澄氏が登場。