チェ・ジウさん以外にもイ・ユミ、SHINeeのミンホ、Block BのP.O、ハ・ダイン、ジョン・ドンウォンらがキャスティングされており、こちらも従来のイメージを崩すような役柄と言えるが、これに関しても監督は「3つほど条件がありました。『キャラクターに似合った俳優であること』『彼らが以前にやったことのないタイプの役であるということ』そして『6人を見た時に、“この組合わせは何なんだ? すごく新鮮だ”と思ってもらえること』です。この3つに条件に合う俳優さんを考えて、連絡したところみなさんに『出ます』と言っていただけました」と明かした。

撮影はコロナ禍の時期、しかも暑いさなかに行なわれたそう。チェ・ジウは印象深い撮影として「エレベーターのシーンがあったんですが、コロナも考慮して早く撮影して撤収しないといけませんでした。アクションもあり大変な撮影で、時間もタイトでしたが、みんな息がぴったりでした」と述懐し、監督に「満足できましたか?」と質問。監督は「大満足です。チェ・ジウは、衣装を重ね着しなくてはいけなくて、その上にアクションもあって大変だったと思いますが頑張ってくださいました。表情の演技も素晴らしく、この映画のシグニチャーになるようなショットが撮れました」と笑顔を見せた。

また、日常の裏に潜む恐怖を描いたスリラーである本作にちなんで、最近、日常でゾッとした体験を尋ねると、チェ・ジウは「ニュースを見ると、信じられないような事件や怖ろしい事件が起きていて、ニュースを避けたい気持ちになってしまいます。実際にこんな怖いことは起きてほしくないですし、自分自身も経験したくないし、ここにいるみなさんの身にも怒らないことを願っています」と語る場面も。

一方、チョン・ボムシク監督は映画の中で登場するニュースについて「実際に韓国で起こった事件を基にしています」と明かし「いまは、人と人の間に様々な犯罪が起きる時代です。以前は人と人の間には安全な“壁”があると信じていましたが、この映画を観ると、その壁は壊れてしまったと感じるかもしれません。いまは、安全ではない時代――これが“ニューノーマル”なのかもしれません。この映画は最近、私が感じた怖いことをモチーフにつくった作品です」と語り、鑑賞前の観客の恐怖をさらに煽り立てた。

この日は、Xに寄せられたファンからの質問にも2人が答えてくれた。本作のヒョンジョンという女性を演じる上で、何を参考にどう役作りしたのか? という質問に、チェ・ジウは「監督は1931年の古典映画『M』という作品を薦めてくださいました。その映画を見て、監督がヒョンジュンをどうつくりたいと考えているかを理解することができました。映画の中に詳しい説明はないんですが、監督と一緒に考えながら役作りをしていきました」と明かした。

監督には「女優、そしてひとりの人間としてチェ・ジウさんはどんな人でどんな魅力をもっているか?」という質問が。監督は「チェ・ジウと言えば、成熟した素晴らしい俳優ですが、いまでも常に新しい面を見せてくれる、どこまでも可能性のある女優さんだと思います。人間性という点に関しても、トップ女優ですからオーラもカリスマ性も持ち合わせていますが、現場や日常では、すごく気さくな方です。チェ・ジウさんが現場にいると、私が何も言わなくても、スタッフは自ら動いてくれて、撮影がうまく進むんです。だから大変な撮影がある日は冗談で『今日はチェ・ジウさんは来ないのかなぁ……』と言ってました(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれた。

最後にチェ・ジウは満員の観客を前に「今日はみなさんにお会いできて嬉しかったです。これからはもっと頻繁にお会いできるチャンスが増えたらと願っています。映画は、怖くてゾクっとするようなシーンもありますが、楽しめるシーンも多いので、みなさん楽しみながらご覧ください。ありがとうございました」と語りかけ、会場は再び温かい拍手と歓声に包まれた。

映画「ニューノーマル」は全国の映画館で公開中だ。

■作品概要
「ニューノーマル」
全国公開中

【出演】
チェ・ジウ「冬のソナタ」
イ・ユミ「イカゲーム」
チェ・ミンホ(SHINee)「ザ・ファビュラス」
ピョ・ジフン(Block B)「ホテル・デルーナ」
ハ・ダイン
ジョン・ドンウォン

【スタッフ】
監督・脚本:チョン・ボムシク「コンジアム」

2023年/韓国/韓国語5.1ch/113分/原題:뉴 노멀(英題:NEW NORMAL)/字幕翻訳:根本理恵
提供:AMGエンタテインメント ストリームメディアコーポレーション/配給:AMGエンタテインメント
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■関連リンク
映画「ニューノーマル」公式サイト