渋滞抜け道で注目の「京都中部阪神連絡道路」って何だ!? 2つの高速をつなぐ「裏ルート」少しずつ“進化中”

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壮大な道路計画 その正体は?

 近畿地方の道路整備構想に「京都中部阪神連絡道路」というものがあります。
 
 いったいどのような道路で、実現すればどう便利になるのでしょうか。また、話はどこまで進んでいるのでしょうか。

国道423号の箕面有料道路(画像:大阪府道路公社)

 京都中部阪神連絡道路は、2021年に国が策定した近畿地方の「新広域道路交通計画」にリストアップされたもののひとつです。

【画像】えっ…!? これが「京都中部阪神連絡道路」のルートと工事状況です(30枚以上)

 そこで当路線は「一般広域道路」に位置づけられており、京都府や大阪府の道路計画でも、国と連携して取り組むこととなっています。

 その正体は、京都府亀岡市の京都縦貫道(亀岡IC)と大阪府箕面市の新名神(箕面とどろみIC)をつなぐ役割の「国道423号」です。

 国道423号は名神の「裏ルート」として、北摂山地をつらぬくように亀岡〜池田をほぼまっすぐ短絡します。大阪方面から京都縦貫道や舞鶴方面へ向かう場合、いったん大山崎JCTまで出るよりも短距離となり渋滞が回避できることから、ドライバーの間では抜け道としても利用されています。

 しかしこの国道423号は各所で峠越えや連続カーブ区間があり、また山間部はほぼ全線で生活道路を兼ねた2車線道路のため、中長距離交通を担うネットワーク道路として課題があります。

 そこでこの国道423号を改良していくのが「京都中部阪神連絡道路」という位置づけです。

「新広域道路交通計画」では高規格道路とは別の「一般広域道路」について、広域交通の拠点となる都市を効率的かつ効果的に連絡する道路、または高規格道路などを連絡する道路としています。

 そして計画に指定された一般広域道路は、「現道の特に課題の大きい区間において、部分的に改良を行い、求められるサービス速度の確保等を図る」こととされています。

 つまり、京都中部阪神連絡道路は現道の国道432号を基本に、ところどころで拡幅もしくはバイパスを整備していくこととなります。

 そんな国道423号ですが、2007年に「箕面有料道路」が開通。長さ5623mのトンネルで新御堂筋へ直結する大プロジェクトで、北摂エリアの交通流に大きな変化をもたらしています。

 さて現在、国道423号で事業化され、最も活発な動きになっているのが、亀岡市街から山間部へ入っていく区間を改良する「犬飼バイパス」「法貴バイパス」です。

 犬飼バイパスは法貴峠の手前で、カーブをショートカットする1.1kmの区間です。2022年から用地取得が始まり、現場ではすでに整地作業も進んでいます。

 その続きで、ヘアピンカーブが連続する法貴峠を走りやすくするのが「法貴バイパス」です。こちらは西側へ新ルートで迂回し、現道よりも広く、緩やかな勾配で標高を稼いでいきます。総延長は約3.6kmです。

 ここは大雨時に通行止めとなる区間で、改良により通年で通行可能にする目的もあります。またヘアピンカーブの解消で、カーブ半径が最小でわずか「8m」だったのが、100m以上という緩いカーブが確保されます。全線が土工もしくは橋で、トンネルはありません。なお大阪方面では、約1kmにわたって追越車線が設置される予定です。

 峠の南側の一部が、2020年に先行開通しています。その南側も、ヘアピンカーブ区間を突っ切る部分が徐々に工事進行し、切土や法面工事の姿が確認できています。