セリエAで活躍した(左から)中村、中田、長友。(C)Getty Images

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 鈴木彩艶がパルマに加入し、2024-25シーズンは新たな日本人選手がセリエAで戦うことになった。イタリアのトップリーグでプレーするサムライは14人目となる。

 これまでの13人が全員成功したわけではない。インパクトを残せなかった選手たちも少なくない。一方で、見事に存在感を発揮した選手たちもいる。イタリア大手紙『Gazztta dello Sport』は7月22日、セリエAの歴代の日本人選手たちを振り返った。

 周知のとおり、初めてセリエAに挑戦したのは、ジェノアでプレーした三浦知良だ。当時は世界最高峰と呼ばれたリーグでの挑戦は、わずか1シーズンにとどまった。だが、Gazztta dello Sport紙は「道を示し、日本人もサッカーができるのだと、神話を崩すには十分だった」と報じている。

 カズのゴールは1点のみ。だが、サンプドリアとのダービーで決めた印象的な得点だった。同紙は、「本当にたくさんいた」報道陣が喜びながら電話で報告する様子は、「ウォールストリートで株を売るブローカーのようだった」と伝えている。

 そのカズに続いたのは、ペルージャで旋風を巻き起こし、ローマで日本人唯一となるスクデット獲得(優勝)を果たした中田英寿氏だ。通算3回目のリーグ制覇に誰もが狂喜乱舞するなか、彼が冷静沈着を保ったのはよく知られている。

 そのときの様子を「火星人」と表現したGazztta dello Sport紙は、中田氏が「セリエAのピッチに立った中で間違いなく最強の日本人選手」だったと称賛した。

 レッジーナで活躍した中村俊輔については、その天才的なFKを回想するとともに、「決してイタリア語を学ばず、同僚たちは『絶対ディナーをおごらない』と言っていた」と振り返っている。

「だが、そのうまさから、彼を好きにならずにはいられなかったのだ」
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 10番タイプで言えば、ミランでプレーした本田圭佑もいる。だが、Gazztta dello Sport紙は、名門のエースナンバーにふさわしくありたいという願いをかなえられなかったと評価。一方で、「ミラノの反対側ではナガトモが称賛された」と、長友佑都をたたえている。

「インテルで7年、210試合。だが、おふざけやジョークに爆笑と、それだけではなかった」

 ほかにも、森本貴幸については「カターニアで愛され、お気に入りとなり、15得点も記録。バンザイと呼ばれた」と回想。「うまくやった日本人」として、ボローニャでプレーした冨安健洋やサンプドリアに所属した吉田麻也の名前もあげられている。

 一方、昨季ラツィオで難しい一年を過ごし、今夏プレミアリーグに移籍した鎌田大地について、同紙は「理解されなかった選手では、カマダがあげられる」と伝えた。

「昨季、ラツィオのマウリツィオ・サッリ監督から理解されず、クリスタル・パレスに移籍した」

 イタリアで成功できるかどうかには、様々な要因が絡む。正守護神候補として招かれた鈴木が、GK大国で大きく飛躍できるように願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部