東大生オススメの勉強が捗る本を紹介します(写真:fumi / PIXTA)

もうすぐ各学校では、夏休みが始まります。夏はまさに「勉強の季節」です。受験生は夏休みを活用して大きく成績を飛躍させます。受験生でなくても、まとまった休みを活用し、独学で自分のスキルを向上させる人も多いでしょう。

しかし、勉強する前に「効率がいい勉強のやり方」がわかっていなければ意味がありません。勉強のコツをつかまないと、間違ったやり方で勉強し続けてしまうことになります。

今回は東大生たちから聞いた「勉強のやり方がわかる本」を、3つのステップにわけてお伝えしたいと思います。

Step1 やってはいけない勉強法を理解する

まずみなさんにおすすめしたいのは、「やってはいけない勉強法」を理解することです。「どんな勉強法だと効果が出るのか」ということに関しては、人によって意見が異なります。見て覚えるのが得意な人もいれば、書いて覚えるのが得意な人もいるでしょう。そのため、この答えは人それぞれです。

でも、「こんなやり方はやってはいけない」ということは、万人に共通するはっきりとした答えがあります。

例えばどんな人でも、「やった気になっただけの勉強」はしてはいけませんよね。インプットばかりに時間が取られて、問題を解く時間を確保できていなければ、時間の無駄になってしまいます。勉強を始める前に、しっかりと「どんな勉強法は効果が出ないのか」について理解しておくとよいでしょう。

僕や東大生たちのおすすめは、次の3冊です。

1『新図解 やってはいけない勉強法』(難易度:簡単)

名門校である海城高校を卒業し、代ゼミで1位、Z会慶応模試でも全国1位を獲得したことがある筆者の石井貴士さんが、どんな勉強法だと「効果が出ないのか」について、オーソドックスに教えてくれている1冊です。図解になっているため、なにがダメなのかが頭にすっと入ってきます。


2 『あなたの人生をダメにする勉強法 「ドラゴン桜」式最強タイパ勉強法で結果が変わる』(難易度:普通)

30代で東大受験を決意し、見事合格した筆者の青戸一之さんが、勉強に関する5つの勘違いを紹介します。「過去問は最後の力試しにやる」「要点がまとまった本は頭に残りやすい」など、当たり前に実践していることが、実は間違っているかもしれない……という気づきを与えてくれる1冊で、勉強に対するイメージがガラリと変わります。

3『あなたの勉強法はどこがいけないのか?』(難易度:難しめ)

教育心理学者である筆者の西林克彦さんが、「知識を得るということはどういうことなのか」など、学びを深めるうえで大事な考え方を教えてくれる一冊です。また、記憶を体系化させるにはどうすればいいのか、といった話についても触れられています。なかなか記憶が定着せずに、効果が出ない勉強を続けているかもしれない……と悩んでいる方はぜひ手に取ってみてください。

Step2 さまざまな勉強法に触れてみる

勉強の「落とし穴」を知った後は、いろんな勉強法を試してみましょう。この段階では、自分の性格や悩みにあった勉強法を探し、自分でその勉強法を活用できるようになることが大切です。

僕は勉強法とは薬やサプリメントのようなものだと思っています。例えばみなさんは、「身体がだるい」と感じたときは、「この薬を飲もう」とか、「頭が痛い」と思ったら「頭痛に効くこっちのサプリを飲もう」といったように、身体的な不調に対応して、薬・サプリメントを選んでいますよね。

勉強法もそれと同じです。勉強で悩んだり、「こうなりたい」と思ったら、その状況・悩みに「合った」勉強法を探しましょう。

そして逆に、今の自分にはマッチしていない勉強法だと感じるのであれば、すぐにその勉強法はやめて、別のやり方を試してみましょう。世の中にはたくさんの勉強法があるので、どんどん試したほうがいいのです。以下では、さまざまな勉強法が掲載された本をご紹介します。

1『東大生の勉強法カタログ【改訂版】: 8人の東大生が教える100種類の勉強法』(難易度:学生向け)

定期テスト前にどうするべきなのか、暗記したいときはどうすればいいのかなど、それぞれのシチュエーションにマッチした勉強法が網羅的に紹介されています。

2『勉強法図鑑』(難易度:普通)

50個の勉強法と、それらの勉強法をどのようなタイミングで使えばいいのかを、図鑑の形で紹介しています。ノートの取り方や、目標設定の方法、試験対策など、自分の悩みから逆算して、自分自身に合った勉強法を探すことができます。


3『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(難易度:難しめ)

幼いころから読書が大の苦手だったという筆者の読書猿さん。しかし、「この中に載っていない勉強法はないんじゃないか」と思わせられるくらい、この本には55個にもわたる、たくさんの勉強法が載っています。ビジネスマンの方にとっても、どのような勉強法がいいのか、参考になる部分が大いにある一冊です。

Step3 勉強の「振り返り」の方法を学ぶ

最後にみなさんに試していただきたいのが、「振り返り」です。夏休みは長いので、長時間自分に向き合い続けて勉強します。そうすると、「自分は今、どんな勉強をしているのか」がわからなくなることがあります。

振り返ってみたら、英語ばかりやっていて、本当にやるべき勉強ができていない……なんてことはよくある話です。

だからこそ、東大生は手帳を使って自分の勉強を振り返っていることが多いです。

「今日はこんな勉強を頑張った」「今日はこれが難しかった」というように、今日勉強した内容を振り返って紙の手帳に書き記し、それを元に次の勉強は何をするべきなのか、といったことを考えています。こうした適切な勉強の「振り返り」をするためには、あらかじめ知識をインプットしておく必要があるでしょう。

1『東大式 目標達成思考 「努力がすべて」という思い込みを捨て、「目標必達」をかなえる手帳術』(難易度:簡単)

どのようにして自分の勉強法を構築していけばいいのか?について教えてくれる1冊です。現状分析や、自分が考える理想を把握する方法、方法論などをどう戦略的に考えるのか。それらの戦略をどう手帳に落とし込んでいくのか、といったコツを教えてくれます。さまざまな場面で使える思考を手に入れることができます。

2『「やること」を先取りできる! 習慣手帳術 ペーパーバック』(難易度:普通)

どのようにすれば、今日勉強した内容を今後の自分の糧にしていけるのかについて教えてくれる1冊です。夏休みという長い期間で、振り返りの習慣をしっかりと身につけていくことができるようになります。

3 『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(難易度:難しめ
)

本著では、「価値を見いだす」「目標を決める」「能力を伸ばす」など、6つのステップの勉強法が語られています。


僕個人は、この中の「再考する」というステップがいちばんおすすめです。自分の勉強をどう振り返り、血肉にしていくのかが語られていて、目から鱗の内容でした。

各ステップに沿って効果的な勉強を

いかがでしょうか。最後にもう一度各Stepを振り返りましょう。

Step1やってはいけない勉強法を理解する

Step2さまざまな勉強法に触れてみる

Step3勉強の「振り返り」の方法を学ぶ

各ステップに沿って、これらの本を活用し、ぜひ夏を学びの多い季節にしていただければと思います。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)