Microsoftは生成AIアシスタントツールの「Microsoft Copilot」をWindows 10/11に搭載しており、2024年5月にはAIワークロードの実行に適したPCカテゴリーの「Copilot+ PC」が発表されました。ところが、2024年6月にリリースされたWindows 11の開発版ビルドでは、Copilotエクスペリエンスが縮小され、キーボードショートカットも廃止されたことが判明しました。

Announcing Windows 11 Insider Preview Build 22635.3785 (Beta Channel) | Windows Insider Blog

https://blogs.windows.com/windows-insider/2024/06/14/announcing-windows-11-insider-preview-build-22635-3785-beta-channel/



Microsoft makes Copilot less useful on new Copilot Plus PCs - The Verge

https://www.theverge.com/2024/6/21/24182979/microsoft-copilot-key-keyboard-shortcut-pwa

Copilotの導入はMicrosoftにとって大きな改革のひとつであり、Copilot+ PCの標準キーボードには新しく「Copilotキー」が追加されています。Windowsの標準キーボードに新たなキーが追加されるのは30年ぶりのことであり、Copilotの導入がどれほど大きな意味を持っているのかがわかります。

Microsoftが30年ぶりにPC用標準キーボードへ新しいキーを追加へ、生成AIツールにアクセスする「Copilot」キーが登場 - GIGAZINE



しかし、2024年6月にInsider Previewでリリースされた開発版ビルド「Build 22635.3785(KB5039319)」では、Copilotが従来のサイドバーから利用可能な形ではなく、「タスクバーにピン留めするアプリ」と同様の扱いになることが報告されています。

また、これまでは「Windowsキー」+「C」でCopilotを起動することが可能でしたが、このキーボードショートカットも廃止されることとなりました。この変更についてMicrosoftは、「WindowsにおけるCopilotエクスペリエンスを、タスクバーにピン留めするアプリへと進化させる取り組みの一環」としています。

海外系メディア・The Vergeの編集者であるトム・ワーレン氏は、「Copilotのウェブアプリは、昨年からのCopilotエクスペリエンスのように、Windowsに統合されることもありません。そのため、Copilotを使ってWindows 11の設定を操作したり、サイドバーとしてドッキングさせたりすることはできなくなりました。文字通り、ただのProgressive Web App(PWA:プログレッシブウェブアプリ)です」と述べ、Copilotの有用性が低下したと否定的な見解を示しました。



Microsoftは、CopilotをWindowsに統合されたエクスペリエンスから、Windowsの設定を制御できない単なるウェブアプリに変更した理由について説明していません。しかし、この変更によってユーザーはウィンドウサイズの変更、移動、スナップ機能といったアプリエクスペリエンスの利点を享受できるとしています。

ワーレン氏は、「Microsoftはこれらの変更により、Copilotエクスペリエンスを『より機敏に開発し、最適化する』ことが可能になるとしています。そのため、将来的にはこの機能後退を納得させるような変更があるかもしれません」と述べつつも、Copilotアプリをタスクバーに固定している現状では、専用のCopilotキーを使う必要はないだろうと指摘しました。