ウーバーイーツバイク配達員の働き方や気になる稼ぎは?

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ウーバーイーツバイク配達員の働き方や気になる稼ぎは?

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第52回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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この連載がスタートしてちょうど1年。これまで続けられたのは、皆さまがこちらのページにアクセスして記事を読んでいただいたおかげです。どうもありがとうございます。

50回以上にわたりあれこれ書いてきましたが、私の体験を基に書くことができるのは「自転車配達員」としてのエピソード。「バイク配達員」の実態については、正直よくわかっておりません。そこで今回は、現在バイクで配達している方にバイク配達員の働き方や配達依頼の傾向、稼ぎについて聞いてみました。

まず伺ったのは、本業が終わった後、平日の夜間に高田馬場の店を中心に原付で配達を行なうことが多いというTさん。都内屈指の繁華街、新宿と池袋の中間にある高田馬場で配達するには理由があるようです。

「本業の仕事場から近いのもありますが、新宿や池袋など繁華街だと歩道も車道も原付を一旦停めておく場所が少なく、駐車禁止の取り締まりも多いんです」

高田馬場は学生街で飲食店が多いので配達の依頼も多いそうです。

「すぐ近くの新大久保も韓国料理の店が多く、高田馬場あたりにいても新大久保の店に受け取りに行く依頼もありますね」

自転車の場合は2km以内の配達が多いですが、原付の場合はどうでしょうか。

「2、3kmほどの配達が多いですね。長いもので8kmほど。雨の日などは10kmを超えるのも出るかな、という感じです」

気になる稼ぎは?

「自分の場合は朝から夜遅くまでガッツリやるということはないので、1日5000円程度。稼働時間が2、3時間なので時給2000円ほどですね。ガソリン代は1週間に600円程度といったところでしょうか」

続いて聞いたのは、東京23区を中心に155ccのバイクを使って広範囲で配達をするKさん。広範囲で配達をするのにはこんな理由が。

「本業はバイク便の配達員です。バイク便で配達を終えた場所からウーバーイーツの配達を始めるので、いろんなところで配達をしています」

ある時は東京23区北部の板橋区、またある時は湾岸エリア、さらにバイク便の配達が休みの日は住宅の多い世田谷区内を行くなど、縦横無尽に配達をしているそう。

「多くの配達員の方は、自分の土地勘のあるところで配達しているので、慣れない場所への配達依頼はキャンセルされる方が多いですが、私は長年バイク便で配達していて、どんな場所でもある程度対応できるので、配達依頼はすべて受けるようにしています。結果、東京23区で配達していたはずなのに、気がついたら都心から20km以上離れた千葉県船橋市、埼玉県川口市、神奈川県横浜市まで行っていた、なんてことはよくありますね」

原付よりも排気量の多いバイクだと、運ぶ距離もやはり長くなるのか?

「基本、都心部では2、3kmほどの配達が多いですね。たまに10kmほどの依頼がありますが。ただ、郊外に行くとコストコが......あそこは荷物も多いですが、配達距離も長い!」

東京都町田市のコストコ多摩境倉庫店近くで受けた依頼が、これまでの配達の中で一番距離の長い案件だったという。

「配達先は神奈川県横浜市泉区。距離は30km以上ありました。運んだものが肉や韓国のりなどだったのでリュックの中に入れることができましたが、もしコストコで一番売れている500mlのミネラルウォーター35本セットだったらと思うとゾッとしますね」

気になる稼ぎは?

「週1回、早朝から夜遅くまでやる日が1日2万2000円ほど。走行距離は100Kmから150Kmといった感じなので、ガソリン代を引いた稼ぎは2万1200円ぐらい。他の日はガソリン代を引くと時給換算で2000円ちょっとですね」

なお、私の場合、時給は1000円いけば御の字。朝7時から夜11時まで働いて1万から1万2000円ほどなので、バイクの方が圧倒的に稼げます。

ただ、バイクは登録した車両しか使えません。また、運動量は自転車と比べて圧倒的に少なくなります。最近は旅行のついでに配達するのが自分の中でブームとなっていますし、運動不足解消のために始めたものなので、私は今後も自転車で配達を続けようと思います。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明