2024年5月下旬からインドで記録的な熱波が発生し、首都デリーで観測史上最高となる52.9度を記録したことが明らかになりました。

PRESS RELEASE: TEMPERATURE OVER DELHI

(PDFファイル)https://internal.imd.gov.in/press_release/20240529_pr_3029.pdf

Indian capital swelters as temperature hits all-time high of 52.9 Celsius | Reuters

https://www.reuters.com/world/india/india-issues-heat-wave-alert-delhi-posts-record-high-temperature-2024-05-29/

Delhi temperature hits 52.9C, shattering India’s national record | India | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/article/2024/may/29/delhi-temperature-hits-499c-as-indias-capital-records-hottest-day

インド気象局によると、2024年5月下旬から広い範囲に熱波警報が出されていて、いくつかの地域では気温が50度に達するところもあったとのこと。現地時間の2024年5月29日、デリーのムンゲシュプール(Mungeshpur)では52.9度が観測され、過去最高だった2002年の49.2度を更新しました。

インド気象局は、52.9度という数値は他の観測所と比較して異常値であるとして、センサーの誤差または地域的な要因によるものなのかを調査しています。

インド気象局が発表した、デリーの各観測所で記録された最高気温の数値は以下の通りです。



同日午後にはデリーの多くの場所で雨が降っていて、気温はおおむね低下しているとのこと。また、アラビア海から北西インドに吹く南西風により、気温は徐々に低下するとインド気象局は伝えています。

ロイターは「ムンゲシュプールの通りは人けが少なく、人々が熱を避けるために屋内にこもり、ほとんどの店が閉店した」と伝えています。

インド科学大学のグフラン・ベイグ教授は、異常な熱波について「エルニーニョ現象からラニーニャ現象への異常な移行と、湿気をもたらす風の欠如により長期的な熱波が発生し、記録的な気温をもたらした」と考察しました。

一部の地域では、学校で生徒が失神したとの報告を受け、1週間ほど学校を閉鎖するところも出ているようです。



ロイターによると、デリー地方自治体当局は水不足を理由に市内の水道供給を制限し、洗車などで水を無駄遣いした者に2000ルピー(約3800円)の罰金を科す措置を講じているとのこと。

インド気象局は「あらゆる年齢層で熱中症や熱射病になる可能性が非常に高く、特に子どもや老人には細心の注意が必要だ」と警告しました。