●雇用関係

 ○3月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が18万4000人増(サービス業が14万2000人増)となり、予想の15万人増を上回りました。2月は当初発表の14万人増から15万5000人増に上方修正されました。

 ○3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比30万3000人増と市場予想の同20万人増を上回りました。2月は当初発表の同27万5000人増で変わらず、こちらも予想の19万人増を大幅に上回りました。

  ⇒3月の失業率は前月比横ばいの3.9%が予想されていましたが、3.8%に低下しました(1月と2023年12月、11月は3.7%、10月は3.9%、9月は3.8%、なお2020年2月は3.5%でしたが、同年5月は13.3%となりました)。

  ⇒労働参加率は前月比横ばいの62.5%が予想されていましたが、62.7%に上昇しました(1月と12月は62.5%、11月は62.8%、10月は62.7%、9月は62.8%)。

  ⇒3月の週平均労働時間は前月比横ばいの34.3時間と予想されていましたが、それを上回る34.4時間に増加しました(1月は34.2時間、12月は34.3時間、11月は34.4時間、10月は34.3時間、9月は34.4時間)。

  ⇒3月の平均時給は予想通り前月比0.3%増(前月の34.57ドルから34.69ドルに増加)となりました。2月は当初発表の同0.1%増から同0.2%増に上方修正されました(1月は同0.5%増、12月と11月は同0.4%増、10月は同0.2%増、9月は同0.3%増)。

  ⇒前年同月比では予想通り4.1%増となり、2月の同4.3%増を下回りました(1月は同4.4%増、12月は同4.0%増、11月は同4.0%増、10月は同4.0%増、9月は同4.2%増)。

 ○2月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人数は875万6000人(市場予想は880万人)で、1月の874万8000人を小幅に上回りました。

 ○失業保険継続受給件数(季節調整済み)は、前月の179万5000件から178万1000件に減少しました。

  ⇒2024年4月4日発表の週間新規失業保険申請件数:22万1000件(当初の発表通り)

  ⇒2024年4月11日発表の週間新規失業保険申請件数:21万1000件

  ⇒2024年4月18日発表の週間新規失業保険申請件数:21万2000件

  ⇒2024年4月25日発表の週間新規失業保険申請件数:20万7000件

●企業業績

 ○時価総額の63.7%に相当する285銘柄が2024年第1四半期の決算発表を終え、そのうち219銘柄(76.8%)で営業利益が予想を上回り、281銘柄中164銘柄(58.4%)で売上高が予想を上回りました。2024年第1四半期の利益は前期比で2.7%増、前年同期比では5.4%増が見込まれています。

  ⇒売上高は前期比で4.1%減、前年同期比では4.1%増となる見通しです。

  ⇒2024年第1四半期の営業利益率は、2023年第4四半期の11.00%、2023年第1四半期の11.64%を上回る11.78%になると予想されます(1993年以降の平均は8.41%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。

  ⇒現時点で、2024年第1四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は13.1%となっています。この割合は、2023年第4四半期は12.6%、2022年第4四半期は18.5%でした。

 ○2024年通年の利益は前年比13.3%増が見込まれており、2024年の予想PERは20.8倍となっています。

 ○2025年通年の利益は前年比13.3%増が見込まれており、2025年の予想PERは18.4倍となっています。

●個別銘柄

 ○中国はiPhoneメーカーのアップルに対し、国家安全保障上の懸念を理由に、メッセージアプリ「WhatsApp」(ソーシャルメディア企業のメタ・プラットフォームズ が所有)をアップルのアプリストアから削除するよう命じました。