スポニチ

写真拡大

 ドジャース大谷翔平投手(29)の口座から、違法スポーツ賭博の借金返済のため約1700万ドル(約26億5200万円)を盗んで不正送金したなどとして銀行詐欺などの罪に問われた元通訳、水原一平被告(39)が14日(日本時間15日)、罪状認否のためカリフォルニア州の連邦地裁に出廷した。

 午前11時すぎ(同午前3時すぎ)に姿を現した同被告。黒のスーツに白のシャツを着用。報道陣の問いかけにも応じず、無言で建物の中に入った。裁判所から去る際も無表情で無言を貫いた。

 同11時43分頃、罪状認否が始まると、水原被告は自身の名前があっているかどうか尋ねられ「That’s right」(その通り)と返答した。

 また、既に罪を認める司法取引に応じているが、法廷では「Not Guilty」と形式的に「無罪」を主張し、有罪答弁を行わなかった。司法省によると、罪状認否は治安判事の下で行われる。法定刑の上限が禁錮1年以上の「重罪」について、治安判事には有罪答弁を取り扱う権限がないため、水原被告はいったん無罪を主張し、次回審理で権限を持つ別の判事の下、罪を認めることになる。

 そのため、罪状認否はわずか4分で終了。他の質問にも「Yes I did」「Yes ma’am」(はい)などと淡々と答え、審理を終えた。

 次回審理の日時は6月14日が予定されている。次回審理後、新たに期日が設定され、判決が言い渡される見込み。刑期は最長で禁錮33年だが、連邦地検は司法取引に基づき、刑の軽減を申し入れる。

 連邦地検によると、水原被告は2021年11月ごろ〜24年3月ごろ、違法スポーツ賭博で抱えた借金返済のため、大谷選手の口座から賭博の胴元側に不正に約1659万ドル(約25億9500万円)を送金した。大谷選手の口座から得た金を課税所得として報告しなかったとする虚偽の納税申告の罪にも問われている。